しあわせはあきらめた
私には、「家コンプレックス」がある。初めてそれを感じたのは、確か小学3年生のとき。当時マンションに住んでいた私は、同じマンション内の友人の家によく遊びに行っていた。小学校低学年の頃は特に何も感じていなかったが、3年生になった頃、なんとなく自分と友人の家の違いが気になるようになった。玄関に綺麗に並べられたインテリアと、必要なものが適切な場所に配置されている、整理された空間。子ども部屋には立派な勉強机と本棚があって、ああ自分ちはなんかちょっと違うんだなと、幼心に感じたことを覚えて