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バーンアウトってなに?

スマートフォンのバッテリーが5%以下になっていることに気づき、慌てて充電する。でも、赤色に変わった電池容量は、なかなかいつもの速いペースで充電できなくなる。この充電しにくくなった状態のバッテリーは、バーンアウトの症状に似ている。

これといった原因がないのに、ここのところ、とても心身が疲れていて、生産性が上がらない。一晩寝ただけでは疲れが取れない。1週間以上の休暇を取ってみても、活動的に何かをしたいわけではなく、ただ休みたい。または、少しだけ元気になった気がするけど、また直ぐ疲れモードになる。疲れているのに、寝付けなかったり、朝早く目が覚めてしまう。

疲れだから、休息を取ればそのうち治るだろう、とやり過ごす。

よく自分を観察して欲しい。もし、この状態が、何週間も、何ヶ月も続いていたら、危険信号。そんなに疲れを感じていたら、仕事は効率的にはできてないだろうし、私生活は楽しく過ごせていないだろう。わかりやすく社会生活に困難をきたしていないかもしれないけど、人生を楽しめていない。これ自体が大きな問題。

Burnout/バーンアウトとは、日本語では「燃え尽き症候群」と呼ぶ。これは、生命力が枯渇した状態。生命力、まさにエネルギーやパワーがなくなった電池のような状態。だから、いつもの休息では、なかなか元に戻れない。いつものやり方・習慣を見直すことが大事になる。

日本のクライアントにコーチングを始めて以来、様々な壁にぶち当たった。このバーンアウトはその一つ。コーチングは、疲れている人を治癒するツールではないが、そのセッションに来るクライアントの多くが、メンタル面で疲れている。

話し始めてすぐ、もう既にバーンアウトしているか、その瀬戸際にいる様子がわかる。そのような場合、本来のコーチングを始めることはできない。コーチングは、クライアントが感じて、考え、言語化していく作業なので、かなり脳を使う。疲れていたら、それを面倒臭く感じ、ますます負担に感じる可能性が高い。

そのような場合、まずは、認定を受けた心理カウンセラーに行くことを薦める。そこへ行って、治癒する作業が必要だからだ。完治しなくても、心理カウンセラーとコーチングの違いを理解することができれば、並行して、コーチングセッションを行うことは可能。

バーンアウトに対して私が敏感なのは、私のバックグラウンドが「北欧仕込み」だからだということに、最近気がついた。

2019年、WHO /国際保健機構は、Burnout/バーンアウト/燃え尽き症候群を(治療が必要な)病気ではなく職業上での現象(Z73.0)として、国際疾病分類 ICD-11 (2019) に分類した。

ただ、スウェーデンを含む欧州のいくつか国では、バーンアウトを職業上の病気と認めていて、長期の病欠を認める。バーンアウトしている状態は、生産性が著しく落ちるだけでなく、鬱病やその他の精神疾患への入口となりえ、重大な健康被害を及ぼすものと認識されているからだ。

人は、唐突にうつ病を発症してしまうわけではない。その前から、本人には、様々な細かい症状が起こっているはず。ただの疲れは、長引けば、ただの疲れではなく、蓄積してシリアスな症状になっていく。それに大きく警笛を鳴らすのがバーンアウトの症状だろう。

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