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仕事のことが気になって目が覚めた。
解決しなければならないことが三つあった。

どうにかできると思っている。
ひとつのことを除いて。

そのひとつは私の力ではどうしようもないことだった。
だから
どうにかしようと思っているのではない。
でも
私は何ができるのか
彼女のために。

去年の暮れから仕事を一緒にしている。
その直後に突然彼女の病気が発見された。
それでも彼女はとても前向きで。
仕事に関しても積極的で。

治療が効いて体調も悪くなく
仕事を増やすことに意欲的で。
私は彼女の病気のことを
すっかり忘れてしまうくらいだった。

それがここにきて熱があるから仕事をキャンセルしたいと。
そして続いてきたメッセージには
薬の副作用でとても仕事ができる状態ではないと。

もちろんわかっていたのだ
そんなことがあるかもしれないと。
だから早いうちから代理の人をつけたのだ。
でも
彼女から仕事を奪いたくなかった。
治療費もいるし
やらなければならない何かがあることが
ほんの少しでも支えになるのではと。
気も紛れるのではと。

でも私との仕事なんかより
彼女には大事な家族がある。
下の娘などまだ三歳だ。
故郷ネパールでは両親も健在なはずだ。
こうなったら
限られているだろう彼女の時間を
もう奪わない方がいいのかもしれない。

話せるくらいに回復したらオンラインで話をしたい
そう伝えてあるが
その返事はまだ来ない。

代理の人に来週も彼女のカバーをするようにメッセージを送った。

人は
自分の死と
直面したとき
何を思うのだろう

トロントの
ウォマンズカレッジ病院の循環器科で
夫ジェイは何と思っただろう。

ずっと親しかったスリランカ系のドクターが
私たちに向かって静かに言った。

ひと月、いや、1年かもしれません。
人生の終わりの旅(journey)に向けて準備をしてください。

どういう表現だったか
一語一句は覚えていない。
ただ
journeyという言葉だけが
今も私の心にとどまっている。


夜明け


名残の星



新しい日の始まり

日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。