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「水」がテーマの展覧会 郷さくら美術館

雨予報の土曜日。
中目黒の郷さくら美術館は現代日本絵画を中心とした美術館。以前から存在は知りつつも訪れるのは初めて。「水-巡る-」と言う惹かれるテーマにネットで触れての初訪問となりました。

街中に品よく佇む小さな建物の1階から2階の各フロアに今回の主題となる水が主題の作品が、3階には水辺でありつつも美術館の名前にもなっている桜が主題の作品が「桜百景 vol.32」として展示されています。

この中で私が惹かれたのはいずれも1階にある以下の作品でした。いつも通りの素人の感想。


吉田舟汪 氏作 「神象 那智」

ガラスが入ってますので背景が映り込み。雰囲気を感じて頂き、実物を鑑賞されるきっかけになれば

那智は言わずと知れた熊野那智大社の地。霧が流れて山嶺のシルエットが現れ、那智の滝と共に荘厳な風景が描かれています。
ケバケバしい色の三重塔が見えないのも良いですね。
霧が立ち込める山嶺と言う、私が大好きな要素なので惹かれたのはもちろんですが、その荒々しいようで繊細で、モノトーンであるようで色彩が豊かな深みに吸い寄せられました。
熊野古道を歩いて大雲取越えから那智の滝に至ったのは随分前。また歩きたくなりました。


那波多目功一 氏作 「さ々波」

こちらもガラスの反射が強いですが、実物を鑑賞されるきっかけになれば。実物では反射はさほど気になりません。

その名の通り、さざ波立つ水面に淡い光が挿す穏やかな作品です。主張は無いものの、なぜかその奥行きと広がりに心が鎮められ、立ち去り難い吸引力のある作品でした。


野地美樹子 氏作 「Uneri」

今回の展覧会の代表作と位置づけられているようで、チラシやポスターもこちらの作品。タイトル写真の通りの大きな作品です。
作品の舞台は鳴戸とか。実際の鳴戸の渦潮に臨むと、私はどちらかと言うと怖れの方が先に立ち心がざわつきますが、こちらの作品は荒々しいのに何故か水に飛び込みたくなるような、誘われているような心地がします。
奥村土牛氏が描かれた鳴戸の渦潮を山種美術館で拝見したことがありますが、私はこの野地氏の作品の方により惹かれます。
今日の展示はこの一点でしたが、画集を販売されていたので分けて頂きました。他の作品も是非とも実物を拝見したい。


杉村眞悟 氏作 「映ろう」

部分です

写真と見紛う水面の美しさに惹かれた作品

クロード・モネ氏やパウル・クレー氏など西洋絵画も好きですが、私はより日本絵画の方に惹かれるようです。その繊細で豊かな情景の故か、岩絵具が生み出す深みの故かは自身でも分からないのですけれど。

心地よい時間を過ごせたこの展覧会は8月27日まで。

ついでにHikarieの8Fをふらついて帰路につきました。

Hikarie Bunkamura Gallery
Hikarie Bunkamura Gallery
Hikarie Bunkamura Gallery
Hikarie Bunkamura Gallery
Hikarie 8F
Hikarie 8F

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