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熊野古道伊勢路を歩くday5#3

熊野古道のパンフレットを見ると、ちょうど紀伊長島の手前で二つのルートに分かれている。
その一つが荷坂峠だ。
荷坂峠の沖見平からは紀伊長島の海が一望できると書いてあった。
折角のいい天気なのだ。荷坂峠から観る海を楽しみたい。
これが、荷坂峠を選んだその理由だった。

梅ヶ谷の交差点を荷坂峠方面に足を進めるが、直ぐに峠道に入る訳ではなく、まだしばらく歩く。
田植えの終わった水田に山が写る。

田植えが終わったばかりの水田


雲の白さが青空に映える。

途中、檜の木工所がある。檜のいい香りに元気をもらいながら歩くと、無人の即売所があった。

檜の香りが心地よい


色々格安で販売していたので、檜のまな板が欲しかったのだが、荷物が増えると困るので、ぐっと我慢した。
販売所を過ぎると、三つの祠が並んでいる。

道中、至るとこので神様に見守られている


庚申堂・地蔵堂・観音地蔵堂と並んでいて、その昔、荷坂峠の頂上などにあった神様をここに合肥したそうだ。
この祠を過ぎると、荷坂峠の案内板が出てくる。
いよいよここから峠を越える登り坂が始まる。

ここが荷坂峠の入り口か?


先日買ったトレッキングストックを準備し、未舗装の道を進んだものの、平坦でなだらかな道がずっと続く。
あれ?なんか、拍子抜けだ。
こんな平坦なところでストックを使っていたら格好悪い。
変なプライドが邪魔をしたので、折角買ったストックはすぐ片付けた。

要注意人物ではありませんので。


しばらく歩くと、国道42号を渡るようだ。
しかし、この横断。
信号はおろか横断歩道も無く、尾鷲方面はすぐにトンネルがあり、見通しが悪い上にエンジン音が反響して、やってくる車が近いのか遠いのかすら話からにくい状況だ。

この道を横断する。危険だ。


充分気を付けながら道を横断し荷坂峠へのルートを進んだ。

ここからしばらく進むと、賑やかなノボリや看板が出てきた。
そうか。ここからが本当の峠道なのだ。

ここが本当の荷坂峠の入り口。


ここまで10km以上は歩いてきたはずだ。簡単な峠道とはいえバカにしてはいけない。
ほんの少しだけ気合を入れて、入り口近くの立て看板に向かって歩き始めた。

ここからが荷坂峠の始まり


もちろん。両手に先ほど片付けたストックを握りしめて。

が、またここで出鼻を挫かれた。
案内板を見ると、荷坂峠降り口と書かれている。

降り口?峠を登らないの?

降り口?シタム向きに伸びるボート

そうなのだ。どうやら僕は恥ずかしい勘違いをしていたようだった。

峠と聞いて勝手に登って降りる山道を想定していたのだが、大台町から大紀町を経てこの地に辿り着いた。
その間、ずっとじわじわとした登り坂だったのだ。
そして、この荷坂峠を境に一気に紀伊長島町の海まで降るのだ。
降り口を前に呆然と立ちすくんでしまった。

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