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ファミコン40周年とファミリーベーシック

今年に入って直ぐの頃に

Apple LISA が40歳

という記事を書いたのですが、この7月15日は任天堂から出たファミリーコンピュータも40周年だったようです。これを記念してご本家の任天堂では特設サイトが出来ていました。

ファミリーコンピュータ 40th Aniversary

1983年といえば個人的には冬の時代で、パソコンにかまけていられない日々だったのにも関わらず、時代は8ビットから16ビットへの転換期に差し掛かり、新しいOSの考え方や、もうBASICやアセンブラの時代ではないと、いろいろなプログラミング言語にもコッソリ?挑戦していた日々でもありました。そんな中ですし、昔ゲーム会社と大喧嘩をしてしまったので、そちら方面の話はすべて断っていたのですが、この少し前から6502の得意な人を探しているという話を聞き、絶対に何もしないからと逃げ回ってもいたので、ゲーム機に関しては噂を聞くことはあっても実際に購入することもなく、一切プレイもしていなかったのです(PCゲームは少しはやっていましたけどね)。そうそう、そういったストレスを晴らすために情報処理技術者試験とか受けていました。年齢制限があるので特種は取れませんでしたけど。

そんな訳で残念ながらファミコンに関する思い出も思い入れも無いのですが、このゲーム機について振り返ってみます。最初のファミコンは先にも書いた通り1983年の7月15日に、セガのゲーム機 SG-1000/SC-3000 と共に発売されました。セガの方はあらためて書くとして、この数年前にはアメリカで低価格帯のPCがゲーム機として人気が出ており、日本でもいわゆるTVゲーム機を出していたメーカーは、PC並のスペックを持ったゲーム機を投入することにより、ゲームコンテンツを売り出したいと機会を狙っていました。ちょうどATARIの雲行きが怪しくなったこともあり、市場に隙間ができたこの時にリリースできたことが成功の鍵のひとつだったのかもしれません。

アタリショック

ハードウェアとしてはリコーの6502 互換CPUと、やはりリコーのVDP(RP2C02) とPSG(RP2A03)を積み、コンテンツを供給するROMカセットに対してはバンク切り替えで多くのメモリ空間を割り当てられるようにしてあったことが特徴でした。そして本体自身の拡張性は抑え、14,800円という低価格で発売できたことこそが最大の魅力でした。

ファミリーコンピュータ(ファミコン)の凄いスペックまとめ

ファミリーコンピュータ

ファミリーコンピュータ

開発秘話については、いろいろなところに漏れ伝わっているようですが、開発陣にはシャープとの関係が深い方が関わっていたにも関わらず、どういうわけかリコーのチップを使うことで話が進んだということのようです。

【ファミコン40周年】開発時、任天堂とタッグを組んだ意外な国産メーカーとは?

今でこそ、不動の地位を築いたゲーム機として語られていますが、その道程はそんなに生易しいものではなく、発売当初は充分なコンテンツも揃わず、なかなか苦戦していた記憶があります。そこでいろいろな試行錯誤も行われた軌跡があります。

まず縁の深かったシャープからはファミコンを内蔵したテレビを発売します。

ファミコンテレビC1

そして翌1984年にはファミコンをパソコンに仕立ててしまうファミリーベーシックをリリースしています。

ファミリーベーシック

その後、ROMカートリッジによるコストと流通の問題を解決するために1986年にはフロッピーディスク(とはいえ普通のパソコン用ではなくオリジナル)を使えるようにするディスクシステムを投入しています。

ファミリーコンピュータ ディスクシステム

【ファミコン40周年】本日7月15日でファミコンもついに40歳! 思い出深いソフトと共に当時を振り返る

シャープとの付かず離れずの関係は続いていたようで、この時にシャープからはツインファミコンも発売されています。

ツインファミコンが発売35周年。シャープから発売されたファミコンとディスクシステムが一体化したゲームキッズ羨望の豪華マシン【今日は何の日?】

この後も、スーパーファミコンがリリースされた1990年を過ぎても売れ続け、最終的には世界累計で6000万台以上も販売されたようです(国内は2000万台弱)。

これだけ本体が売れたのですから、そのコンテンツの数は膨大なものがあり、任天堂がハードウェアに対してあまり妙な対策をしていなかったこともあり、21世紀に入ると互換機が作られ始めます。

ファミコン互換機のまとめと比較(2023年版)

何だかんだあまり大っぴらに宣伝はされていませんが、その気になれば入手は出来、純正の中古品と共にゲームを遊び続けたい人にはありがたい限りなのですが、ご本家も2016年には「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」という復刻版(大きさはかなり小さいし以前のROMカセットが使えるわけではない)を出しています(あっという間に売り切れ)。

レトロゲーム復刻版ブームに火をつけた “ミニファミコン”の凄さとは

今でもSWITCHなどをプラットフォームとして、当時のゲーム自身を楽しむ環境はありますが、せっかく大事にしていたカセットが使えるわけではなく、買い直す必要がありますし、コントローラが違うとどうも同じ感じがしないという気持ちもあるような気がします。

さて、サラッと通り過ぎたファミリーベーシックですが、これはシャープとの縁だったのでしょう、ハドソンのHuBASICをベースにファミコンに移植したもので、BASICインタプリタを積んだROMカセットと、フルキーボードをセットにしたものでした。元々のファミコンはRAMが2キロしか無かったので、あまり難しいゲームを作ることはできなかったのですが、本体の持つVDPとPSGの機能を活用することにより、それなりのことは出来たようです。そのため、どちらかというと「子供でもプログラムが書ける」という目的に重きが置かれ、キーボードも少し小さめで、カナ配列も50音順になっていました。

今さら「ファミリーベーシック」を手に入れ触ってみたら 驚きと発見の連続だった!

ファミリーベーシックと80年代当時の状況

いくら子供向けに配慮したところで、実際にプログラムを組んで遊ぶには、結構、いろいろなハードルもあって、思ったように売れなかったのだとは思います。そんなことはアメリカのゲーム機でBASICを動かせるようにしたときも同じで、もう少しヤリヨウもあったとは思うのですが、そこまで気が回らなかったのでしょうかね。

「ファミリーベーシックがわかる本」の思い出

令和時代にファミリーベーシックを動かす

その後、ファミリーベーシック自身のバージョンアップも図られ、BASICを強化するだけではなくカートリッジ側にRAMを追加したり、イチからゲームを作るのではなく内蔵されたゲームをカスタマイズするところからできるようにしたようで、結局、日本では40万個くらい売れたようです。まあファミコンのPCとしての実力はこの数字くらいのものなんでしょうね。

最後に、ファミリーベーシック開発秘話のような話が以下にあったので、紹介しておきます。赤いAPPLE][のマニュアルが眩しいです。

ファミリーベーシックとAPPLE ][

http://www.highriskrevolution.com/wp/gamelife/2021/03/15/ファミリーベーシックとapple/

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Nintendo-Famicom-Console-Set-FL.png#file
Evan-Amos - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=16983261による

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