【ゲームレビュー】クリア済ゲーム実況者のパルワールドレビュー【PalWorld】
はじめに
レビューする人
ゲーム実況者のカズヤ(弟)と申します。
発売日に購入後、2月末にトロコン達成、プレイ時間はシングル・マルチ合わせて240時間ほど。図鑑をコンプリートしていないことは内緒。
2024年2月にはコミュニティサーバを建てて1ヶ月限定の視聴者参加型のゲーム実況をやっていました!(宣伝
ネタバレ注意
このレビューには一部攻略情報が含まれますので、攻略サイトを見ないでやりたい!という方は「ここが良かったパルワールド」項までに引き返していただけると幸いです。
作品情報
開発元であるPocketpairが自身でパブリッシャーになっていますが、噂によると過去実績などから何処にも引き受けて貰えなかったとか・・・。
ファーストインプレッション
パルワールドを作っているメーカー「Pocketpair(ポケットペア)」は前作で自動化ゲー「Factorio」と「ゼルダ(原神)」とを足した様なゲーム「Craftopia(クラフトピア)」をリリースしていました。私は個人的に自動化系のゲームが苦手だったので面白そうとは思いつつも様子見に留めていました。
ただ、日本のメーカーらしからぬ洋ゲーっぽいブラックユーモア感が大好物だったので2021/6/5のニュースリリース(automatonより)が出た時は即座にSteamのウィッシュリストにぶちこみました。
ニュースリリースのコメント曰く
「労働法はパルには適用されませんので、ご安心ください。」
「パルは餌さえあればずっと働きます。寿命が尽きるまで。」
「パルを身代わりにしましょう。あなたの為なら、命も捧げて守ってくれます。」
ところどころに死の匂いが漂っていただけに、これでもかなりマイルドに調整されて発売されたということでしょう。
発売までと類似騒動
2021年6月の発表当初は2022年内の発売ということでアナウンスされていましたが、2022年12月の「INDIE Live Expo Winter 2022」で2023年内へと延期され、2023年6月の「Summer Game Fest」で2024年1月のアーリーアクセス開始がアナウンスされているので、2度ほどの延期を経て発売となった本作。時系列準に画像を見ると順当にクオリティアップして投入されていることがわかります。
ちなみに最初のPV第1弾が各メディアの累計で1,000万再生くらいされていたらしく、当時から「これはポケ〇ンですわ!!!」って話題になっていたのですが、発売直後に炎上したのはやはり何だかんだ知られてなかったということなんでしょうね。
では、人気タイトルの面白いところやキャラデザだけを取ってきてくっつければ面白いゲームになるのか?
この手のパクリゲーをやったことがある人であれば「No」と答えるでしょう。多くのパクリゲーは元のゲームを超えるクオリティで作りこんでいることがまず無いからです。
任天堂に怒られるレベルのやらかし例
私もプレイした所感としては
・ゼルダ/原神の様なUI
・エルデンリングを彷彿させる地形や建築物
・Fallout4の様な居住地システム
・ポケモンの様なキャラデザイン
・ARKの様な建築やライド感
etc…
と色々他作品を感じる部分があったのですが、それらの要素が高いクオリティでかつ、喧嘩せずにきれいにまとめられているのがパルワールドのすごいところではないかと
とはいえ未プレイの人からすると、海外の丸パクリゲーを見た時の様な嫌悪感(クオリティ低いのに人気ゲームの知名度だけで金稼ぎをしようとしているところとか)を感じたでしょうし、ポケモンに似たデザインのモンスターへの虐待的な表現(オマージュにしても原作への敬意に欠ける)も火に油を注いでいた様に感じます。
ここが良かったパルワールド
かわいいパル達
倫理的に問題がありそうな子もいますが、かわいらしいパルが戦ったり働く姿は見ていてとても癒されます。
ちょっとダークなフレーバーテキスト
パル達の図鑑コメントがイチイチ面白いため捕まえる楽しみが増えます。
(あんまり張るとネタバレが過ぎるので3つだけ紹介
パルが腐らない
(肉の鮮度的な意味では腐りますが)
パル達には作業適正と呼ばれる、拠点に配置したときの仕事に対する適性があります。この適性が高いほど効率的に仕事をしてくれます。
戦闘向きでないパルについても拠点で役に立つことがあるため、
「好みのパルだけど使い道がなくてボックスの肥やしに・・・」
なんてことが少ない点は好感が持てます。
あまりに苦にならないマップ探索
パルワールドのマップはマイクラの様な自動生成タイプではなくゼルダの様な固定マップですが、序盤に入手できる低速な飛行パルでは海岸線を埋めるのに休日1日使う程度には広々としたものとなっています。(体験談)
マップの探索にあたり、新種のパルを見つける以外にもちょっぴり嬉しいものが散らばっており「何もない広いマップを回るだけ」というマンネリ化を軽減する作りになっています。
・ファストトラベルポイント
触れることでファストトラベル出来る様になるポイント。
触れた時にオマケでテクノロジーポイントが貰えます。
・クルリス像
たくさん集めて祭壇に捧げることでプレイヤーの捕獲力にボーナスがつきます。(最大でも10%ちょっとなのであれば少し楽程度です)
・パルのタマゴ
序盤で解放されるタマゴ孵化器に入れることで何かしらのパルが生まれるタマゴ。まだ捕まえたことのないパルも生まれるため、序盤はこれも楽しみに
・宝箱
定位置に割と早い感覚でリスポーンする宝箱。レア宝箱を開けるための鍵やちょっとした金銭が手に入ります。レア宝箱からは装備のレシピが出ることも。
・ダンジョン
定位置にダンジョンの入り口があり、ここにしか出ないパルや、終盤はレシピ探しに何度もお邪魔することになります。攻略サイトを見ないタイプの人は自分で見つけて回る楽しみがあります。
・スキルの木
パルに特定のわざを教えることができる木の実わざマシンが実っているスキルツリー、そこまで多くはありませんが世界の各地に生えています。
一定期間で再び実るようになっているので、こちらも何度も訪れることに。
・捕らわれたパル
各所にパル窃盗団やパル愛護団体のキャンプがあり、そこに捕らえられているパルは解放して仲間に加えることができます。キャンプからは狼煙のような煙が上がっているためすぐに見つけられます。
目標設定の妙
レベル上げは何かとモチベーションがないと続かないものですが、パルワールドではちょうどいい感じの目標が複数存在するため「あと少しだけ」が終わらず時間が溶けていきます。(体験談)
・チュートリアル
最序盤ではパルの捕まえ方や拠点の構築についてのチュートリアルを兼ねた目標が設定されており、最後の目標(最初のボスの討伐)までは割とすぐに達成できるようになっています。
・拠点レベル
拠点のレベルをあげることで、設置可能な拠点の数(最大3)を増やしたり、拠点に配置できるパルの数が増えていきます。
拠点レベルをあげるためには「〇〇の設備を拠点に設置する」という目標が定められており、目標達成のために自分のレベルを上げるということになります。
・パルのサドル
自分のレベルと、捕まえたパルによって解放されるアイテム。これがあると
パルによっては乗ることが出来たり、ロケットランチャーの弾にすることができるため解放のためにレベルを上げる楽しみがあります。
経験値とパル捕獲ボーナス
このゲームおける経験値は敵を倒すほか、パルを捕まえたり孵化させたりすることでも入手できます。そのため新種のパルを見つけて捕まえることがそのままレベリングに繋がるのですが、同じパルを10匹捕獲するまでは捕獲ボーナスが適用され大量の経験値が手に入ります。
実際、ゲーム設定で経験値倍率を変更していなくても7-8割程度のパルを10匹捕まえていればLv50になれる程度のボーナスが貰えるため、ダンジョン攻略やフィールドボスの乱獲なしにひたすら捕獲だけでレベリングが成り立つようになっています。
配合の楽しさ
中盤以降はパル同士を配合させてタマゴを入手できるようになっています。組み合わせで生まれるパルが決まっているため、フィールドで10匹捕まえるのが難しいパルをタマゴ経由で入手したり、親の持つ特性が遺伝するため便利な特性を厳選することで様々な便利パルを生み出すことが出来ます。
例えばライド用のパルに、神速(速度+30%)+走るのが得意(速度+20%)+すばしこい(速度+10%)の特性を遺伝させるとフィールドの移動が楽になったりするほか、拠点での作業効率を上げる特性や戦闘での攻撃力を上げる特性などもあるため厳選をはじめるとこれも時間が溶けるようになっています。
余ったパルについても、中盤に解放される濃縮装置(物騒)で濃縮することでステータスや固有スキルの効果が上がるため無駄なく活用することができます。
ハクスラ的レシピ探し
パルワールドにおける装備はレベルアップに伴うテクノロジーの解放により強化されていきます。テクノロジーの解放で作成できるようになる装備は
レア度「コモン」であり攻撃力や防御力は控えめです。(使えないわけではない)
より高いレア度である「アンコモン」「レア」「エピック」は鍵付きの宝箱や、ダンジョンの最奥にある宝箱からランダムで入手でき、
最上級にあたる「レジェンド」は特定のフィールドボスのレアドロップとして入手できるようになっています。
すぐに陳腐化してしまう序盤・中盤はともかく、終盤のアイテムについては
敵の攻撃力やHPが急激に上がるため厳選する価値があります。
また、フィールドやダンジョンの宝箱からはレシピ以外にもアクセサリーが手に入り、攻防力のアップや暑さ・寒さ体制などの便利なアイテムが入手できます。
戦え!主人公!
トレーナーとかマスターなんかは後方で指示を出すだけだったりしますが、
パルワールドではプレイヤーも戦わなくてはならない時がやってきます。
そのため、厳選した銃火器や防具を使うことで攻略が楽になっていきます。
アホな仕様
何故か充実している装飾品
ゲームとは全く関係ないのですが、建築において装飾品が(無駄に)種類があり、拠点構築への没頭に一役買っています。
意外と要求される資材も多いため、金持ちの道楽的な要素ですがマルチなどでお友達をあっと言わせるのにいいかもしれません。
公式の反応がイチイチ面白い
1.一言余分なリリースノートを出す公式
2.愛されバグが治ってしまったことを謝罪する公式
3.実装していない内容に困惑する公式
ここが残念だよパルワールド
マルチプレイ時の拠点数
シングルプレイだと自分ひとりで最大3つまで拠点を管理できるのですが、
マルチの場合だと「ギルド」を組んで一緒に拠点を利用したり、お互いの居場所が解ったり、一緒にボス攻略が出来るようになったりします。
ただし、拠点については「1ギルドあたり3つ」となるため
ギルドメンバーの数が増えれば増えるほど拠点が手狭になってしまいます。
また、複数人で拠点を構築するため知らないうちに拠点のパルが変えられていたり、建物が建て替えられたりといった面倒な事態が発生します。
別々のギルドで動けば問題ないのでしょうが、それでは折角のギルド要素が意味がなくなってしまったりと、少し残念な仕様に。
防衛設備
(設定にもよりますが)1つの拠点には最大15匹のパルが設置できます。
プレイヤーは放牧なり採掘なりライン行員なりと15匹フルフルで配置することになるでしょう。
そして拠点にはパルをアサインすることで機能する防衛設備なるものがあるのですが、現状定期的に攻めてくる窃盗団や愛護団体に対してさほど有効ではありません。(拠点に来た連中は拠点で作業しているパル達に返り討ちにされてしまうため)
貴重な配置枠を防衛に割くメリットが現状そこまでないのです・・・。
設置しておくと有事の際に自動でパルがアサインされて兵器を利用してくれる形とかだといいのですが・・・。
タワーの難易度
2024/3現在、プレイヤーやパルのレベルキャップは50となっているのですが、最初のボスがLv20-25程度で倒せるのに対し、2つ目以降が推奨レベルが跳ね上がるためLv30超えたあたりからのレベルの上がりにくさと相まってクリア者が伸びていないように思えます。今後、間を埋めるようなコンテンツが実装されることでこの辺が緩和されると良いですね。
総評
SNS上での炎上騒ぎはありましたがゲームとしては大変面白いものでした。
このアイテムを作るまで・・・とか、このパルを10匹捕まえるまで・・・とか、
この卵が孵化するまで・・・と「あと少しだけ!」を刺激されるようなゲームデザインとなっており、アーリーアクセス版でも100時間越え遊べるほどの大ボリュームで約3,000円というお値段は破格だと思います。
また、マルチでも協力してボス討伐や拠点構築など大変楽しく遊ばせてもらいました。開発のPocketpairと遊んでくれた視聴者様に謝辞を!
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