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喋るな

「はい」か「いいえ」しか言うな。
二千年も前に、ある偉大な人物が言った。
確かに人は、喋らない方が良いのかも知れない。

こんな事を話している自分を筆頭に、大抵の人はいつもろくでもない事しか話せない。
真理のような本当に必要なことは、何一つ話していないのではないか?
いつでも誰にとっても正しい普遍的なことは、語るのにたりることは、自分と相手の時間を使ってまでも言う価値のあることは、一体どこにあるというのだろう。

文章も同じだ。
愕然とするほど無内容な文章ではないか。
文学作品は、思想書は、哲学は、宗教は、語るべき言葉を全て書き尽くしてしまったのだろうか?
そこで敢えて新しく書くべきこととは何か。

もし相手が、ある話を聞いたり文章を読んだりして、新しい考え方に変わったりそれまでの考えを改めたとしよう。
しかしその新しい考えは、それまでの物に比べて良くなっていると、誰が言えるのだろう。
むしろ以前の方が良かったのではあるまいか。
それであれば、その話や文章は存在しなければ良かったと言って差し支えないはずだ。

実は多くの人は、それほど素直では無い。
良くないと知っていてもギャンブルに手を出したり、ドラッグにハマったり、不倫をしたりする。
さらに「太く短く生きるんだ」と嘯く。
余命宣告をされたら、あれもしたかった、これもしたかったと嘆くくせに。
おこがましくも、死にたくない、とさえ思う。
まるで「前に落とし穴があるから横にそれた方が良いですよ」と伝えているのに、「大丈夫、ほっといてくれ」と言いながら落ちていくようなものである。
そして落ちたあとで「痛い」とか「怪我した」とか、不平を言う。

しかし、それにしても。
今日もよく喋ったなぁ!



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沈黙は金


言わぬが花

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