South by Southeast: (6) Eruption-6

2011年の秋、単身ローザンヌに到着した私は病院の手続きや在留許可、住居の契約など慣れないフランス語で忙しくしていた。これから始まる未知の世界への期待と不安が入り混じり、何か現実離れした感覚に見舞われていた。

そんな私を前教授が仕事が始まる前に自宅に招待してくれた。レマン湖と対岸のフランスアルプスを見下ろす丘の中腹にあるマンションから外をみながら前教授は色々と話をしてくれた

”レマン湖の水の色は季節や時間によって紫になったり赤くなったり変わっていく。ローザンヌは本当に美しい街だ”

ローザンヌは本当に美しい街だ。映画や写真で見るような絶景をみながらなぜかうら悲しい気分になったことを覚えている。

ここから先は

2,176字
この記事のみ ¥ 500