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ガイナーレ鳥取外国人選手列伝・2(2013~2019.6)

さて、前回の続き。J3に降格して以降のお話。

◎フェルナンジーニョ(MF/FW・2014~2016、2018~)
日本のチームへの在籍歴が桁外れに多いことから、Jリーグを愛好する方の中にはご存知の人も多いブラジル出身の彼。
そもそもブラジルで活躍していましたが、何かの縁があって、まずガンバ大阪に行き、清水エスパルスから京都サンガと渡り歩きました。その後一旦ヴァスコ・ダ・ガマに行くわけですが、そこから大分トリニータ・ベガルタ仙台へと請われて移籍し、一旦モジミリンに移籍したあと、ヴァンフォーレ甲府へ。リネンセを経て第一次ガイナーレ鳥取時代を迎えます。そしてフェロヴィアリアに一度移ったものの、再び請われる形で第二次ガイナーレ鳥取期を迎えて今があります。

正直言っちゃうと、いわゆる厳然たるエースストライカーという感じではなくて、ことに2018年以降の第二期はその傾向が強いんですが、自分も味方をよく使い、反面で味方にも自分をよく使わせる、そういうタイプの選手になっている感じがします。

ガイナーレ鳥取や鳥取県が気に入ってくれているのか、日本でのキャリアの後半期大部分をガイナーレ鳥取とともに歩んでくれている、本当にとんでもないお人です。
実は2018年の復帰の際、自分は実のところ、彼にやや懐疑的な目を向けてもいたのですが、蓋を開けてみると、彼は八面六臂の活躍をしたのです。これにはもうシャッポを脱ぐしかないじゃないですか。素直に「ごめんなさい」を言うしかなかったですよ。

そんな彼がこの先、選手としてのキャリアを終えることがあるとする時、ガイナーレ鳥取がその場に選ばれるものと思うのです。

その時が実際にいつ来るのかはわかりませんが、少なくともその時が来る前の、ガイナーレ鳥取を献身的に盛り上げてくれるフェルさんが現役でいる間に、何としても一緒にJ2に上がりたいですね。そのためにはチームとしてフェルさんを大事にしてあげたいものです。

◎ハマゾッチ(FW・2014)
ブラジル出身です。彼も日本でのキャリアを有しています。アビスパ福岡に在籍歴を持ちます。

そして、ハッキリ言ってデカい。いわゆる「電柱」タイプの選手だと言ったら良いのかもしれませんね。福岡時代は出場機会と共にボールの供給源がなかったのか、得点をほとんど挙げられず、印象はあまり濃くなかったようですが、鳥取では途中加入してそれなりに活躍しました。当時は安藤由翔(現藤枝)というボールの供給役がいたので、幾分ですが活躍しやすかったのでしょうね。実際、安藤の上げたクロスをゴールに結びつけたこともあったような記憶があります。もう少しいるのかな、と思ったんですが、半年程度でお役御免になってしまいました。
鳥取からあとはシンガポールやマレーシアに渡っています。今はシンガポールのチームにいるみたいですよ。

◎バルチ・ジュニオール(FW・2016)
この選手の写真はありません。何故って、この選手が在籍していた頃は自分が二度目の脳梗塞でぶっ倒れていた時期なので。
どう言うんでしょうねえ・・・。ブラジルではさほどキャリアを積んでいたわけでもないみたいで、長らくタイにいました。一時オマーンにもいたようなんですが、選手キャリアの大部分はタイで形成されています。鳥取を辞めてからもタイに戻ったようですが、その後はカンボジアに行ったりもしているようです。
ハマゾッチ並みにデカい選手だったようですが、得点を挙げられなかったところを見ると、ハマゾッチよりもフィットしなかったのかもしれませんね。見たことがないのでよくは知らないのです。

◎タム・シイアンツン(MF・2016)
この選手がまたよくわからない選手です。出身地は東京都なんですが、国籍はマレーシア。最初アビスパ福岡にいて、次の年にはカターレ富山に移籍しましたが、その翌年にガイナーレ鳥取に来ています。
まあ、よくわからないはずで、アビスパ、カターレ時代を通じて試合出場もなく、イマイチどういう選手なのかわかりづらいです。
結局1シーズンで鳥取をも去り、その後は母国マレーシアのチームにいるようですね。

◎ヴィートルガブリエル(MF/FW・2018~)

2018年に加入したブラジリアントリオの一角を占めています。この選手は、次項で詳述するレオナルドと同じくサントスでプレーしていた選手なのでして、本来はMF登録だったはずなんですが、2019年シーズンになって、特に後述するユリが戦列を離れてからはFWとしてもプレーしています。
通称として「ヴィッチーニョ」と呼ばれていますね。但し登録名はあくまでもヴィートルガブリエルなので、お間違えなきよう。
2018年は大ブレイクしたレオナルドがいたので影が薄くなりがちでしたが、彼も彼で渋く活躍していました。自分は彼をもっと使ってあげたら良いのになと、ずっと思ってました。

本来、レギュラーを張れる選手だと思いますし、その実力もあるはずなんですが、加入してからこっち、サブ暮らしが多いようです。
若いのに10年選手みたいな風格があるように思えるので、この辺りはサントスでの経験なども加味されているのでしょう。
正直、自分はもっとヴィートルガブリエルがレギュラーを張って活躍するシーンを見てみたいと思いますね。髙木監督、何とかならんものですかね?繰り返し言いますが、ヴィッチーニョは昨年のレオナルドに負けず劣らずの実力があると思いますよ。

◎レオナルド(FW・2018)

昨年加入したブラジリアントリオの一角で、最も出世した選手だと思いますね。現在はアルビレックス新潟で活躍しております。
彼もまたヴィートルガブリエル同様にサントスの出身。彼は治安の良くない場所に暮らしていたことから「ボールさえあれば平和な日本でやりたい」と決して条件的には良くなかったはずの鳥取行きを決断しました。
リーグ戦31試合に出場して24得点ですよ。何なんでしょうね、このバカ当たりぶり。得点王のタイトルも当然だと思います。そして、このタイトルを引っ提げてアルビレックス新潟に移籍しますが、得点王を失うという事態でも、しかし彼の新たなる船出とチャレンジを肯定的に受け止める鳥取ファンは多かったのではないでしょうか。

彼の素晴らしいところは、向上心が人並み以上にあって、それがプレーの上での原動力になり得ているところ。その結果がJ3得点王につながっていたと言うべきかもしれません。
彼もヴィッチーニョ同様に若い選手なんですが、その若さによる功名心よりも「サッカーができる!」という安堵感がベースにある精神的安定が、彼の活躍の礎にあったのかもしれません。
考えてみたら、「平和な日本でサッカーできるから」という理由で日本の鳥取県という片田舎にやってきて、無我夢中で走った結果だと思うんですよ。あと、彼がそういうメンタル的なタフネスを持っていたからこそ、例えば中盤戦にかけてあった森岡元監督の解任~須藤前監督の就任に至るまでのごたついた流れにも冷静さを失うことはなかったのでしょうね。

今いる新潟から先に在籍するであろうチームでも、彼のことなのできっと立派な活躍をするものと思います。吉報を待ちたいですね。

◎アドリエル(DF・2019~)

レオナルドが去ったあと、新たなブラジル国籍の「埋もれた逸材」的な選手を獲得しようということで、アウダックスというチームから連れてこられた若いセンターバックの選手です。
SC鳥取時代からガイナーレ鳥取時代に至るまで、背番号3というのは、ほぼタフネスを売りにしたセンターバックがつけていて、山村泰弘だったり、加藤秀典(現ヴィアティン三重)だったり、柳楽智和や川鍋良祐、更には内山裕貴が去年までつけていました。唯一例外と言えるのが林佳祐ぐらいなものじゃなかったでしょうか。林だけは歴代の3番では異色のサイドバックでした。

で、このアドリエルなんですが、昔でいうところのリベロに近い感じの選手なんでしょうか。チーム的には守備の中心選手という位置づけを期待しているようですが、どうも本人は、その辺りの枠組みから一歩でも二歩でも脱却してプレーしたいよう。
いわゆるスケールの大きなプレーヤーを目指している感じがします。つい先だって初得点を挙げているように攻撃面でもアクセントをつけられる選手なので、これから先も期待できるのではないでしょうか。

◎ユリ(FW・2019~)

彼もブラジル国籍です。やはり「埋もれた逸材」的な期待を一身に背負う形でアドリエル同様の経緯で加入しています。本来はポンチプレッタでプレーしていたんですが、ガイナーレに来る前はコインブラという何か何処かで聞いたような名前のチームにいたみたいです。
実はユリがプレーするところをあまり見ていません。いや、試合には出たんですよ。開幕節にも出ていますし、ホーム開幕戦にさえ途中からですが出場しています。

しかし、試合中に何かアクシデントがあったらしく・・・

こういうことになってしまいました。

結局こういう怪我を負ってしまいました。期間的にはそろそろ2ヶ月ぐらい経過するので復帰云々の話になってもいい頃だと思うんですが、次以降の試合に出て来るのかどうかは2019年6月中旬現在では不透明と言わざるを得ません。
満足に彼のプレーを見ていないので、何としても元気に復帰してきてほしいものですね。

ということで、2014年以降はブラジリアン中心の体勢をとっているようなので、ブラジル人選手がやたらたくさんいます、この先、どんな選手が加入してくるものやら。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。