見出し画像

変なバイト

一昨日の夜、娘から夫のところへ、変なバイトの依頼があった。

娘は事務系の会社員だが、
どこかの某有名企業の人事評価シートに、こういう人材になってほしいという文面があり、それを雛型にして、同じようなものを作成したいのだが、まったく同じ文面ではパクったことがバレバレなので、否、盗用になってしまうので、別の言い回しを考えて欲しいというものだった。

実は、以前にも娘は仕事に関する調べ物を夫に丸投げしたことがある。
夫も定年退職してヒマなので、気まぐれに手伝ったことに味をしめた娘が、またちゃっかり依頼してきたのだった。

ところが、今回夫は、

「あっしにはかかわりのないことでござんす  木枯し紋次郎より」
とLINEで返信。

2時間でいくらのバイト代を出すからと娘は食い下がったが、

翌朝、夫はニベもなく断った。

夫から娘へ


それに対して恨み言を書き連ねる娘
34歳。

このような娘に育てたこと自体、親としては身から出た錆なのだが、
わたしも娘に加勢して、ここぞとばかりに夫のことを人非人呼ばわりした。

娘もついに諦めたのか、わたしの方にお鉢が回ってきた。

夫は、メールで送られてきたものを、プリントアウトだけして、さっさと出掛けてしまった。

わたしは、朝からリビングのフローリングにワックスをかけようと、掃除機をかけ、ホットカーペットを移動させ、まず古いワックスを拭き取る液剤を薄めて2度雑巾がけをしたところだったが、作業を中断して、手伝う羽目に。

午後から子育てサポートで送迎の仕事があるので、お昼はカップ麺にして集中した。

量としては、娘の担当する部分はほんの数ページだった。

わたしは調子に乗って、
例えばこんな感じ?
と、思いついたいい加減な文章を
LINEで送信してみた。

すると、いちいち

「ないす!」

「ゴイゴイス!」

などと娘が合いの手を入れて煽てるものだから、だんだん面白くなってきた。

もっといろいろな案を出すつもりだったのに、

「助かりました」と呆気なくアルバイトは終了した。

その程度のことだったのか。
もちろん、これをたたき台にして、自分で考えるということだったが、娘が書いていた代案もなかなかよかった。

会社でこんなことをしているんだな
と、仕事ぶりが垣間見え、
自分もていよく利用されただけだったが、それはそれで楽しい時間であった。


※ヘッダー画像は娘の幼稚園時代で
 す。