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【レシピ本紹介】カレーガチ勢のコバタロが影響を受けたカレーレシピ本

どの本を選んでも間違いない

前書き

スパイスカレー作り。
爆発的ではないにしろ、じわじわと確実におうちで作るスパイスカレーが浸透しつつあると感じています。最近は数年前と比べて膨大な数のカレーレシピ本が発売されていますね。
本屋さんによってはカレー本専門コーナーが設置されていたり、お昼の情報番組でスパイスカレー作りのコーナーがあったり、世の中の関心は確実に高まっているように思います。

そんな現状、「スパイスカレー作りを始めたいけど、どの本を参照していいかわからないよ!」という方や、「スパイスカレー作ってるけどもっと上達したいよ!」という方に向けて、今回はコバタロがカレー作りを上達していくうえで影響を受けたカレーレシピ本を4冊紹介していきます。

※今回紹介するものをこの記事に載せているAmazonリンク経由で購入すると、コバタロの寿命がちょっとだけ延びます。よかったらぜひ。

コバタロが影響を受けたカレーレシピ本


◆スパイスカレーの教科書 / エイ出版社◆

2016年出版。自分がカレーに興味を持って最初に買った本。
自分がカレー作りに興味を持ったのは2018年の夏頃。当時は今ほどたくさんのカレー本がなくて、amazonでざっと見た感じ十数種類くらいだった記憶。(インド料理の本などを含めれば実際はもっとたくさんあったと思います。)

その中で「表紙がかっこいいから」というなんとなくな理由で注文した一冊。ジャケ買いです。
ちなみに、表紙のカレーは大阪北浜の名店コロンビア8。このカレーについても店主オギミ〜ルさんご本人による解説が詳しく紹介されています。

本書の特徴として、
スパイスの見た目・名前・効能・カレーにおける役割・効果・使い方などが網羅されたスパイス図鑑があったり、
基本的なスパイスミックスの黄金比がかかれたスパイス方程式がのっていたり、
カレー店・インド料理店のプロのガラムマサラのレシピが公開されていたりと、

こういうカレー作りに必要な基礎情報が図や写真付きの丁寧な解説で書かれているので、当時カレーのことなんもわからん状態の僕にとっては、とてもありがたかった。一気にスパイスカレーへの理解が進みました。

こういったコンテンツは最近のレシピ本ではもはや当たり前かもしれませんが、最近のレシピ本と比べても詳しくて分かりやすいです。

また基礎情報だけでなく、「プロに教わるカレーのレシピ・テクニック」というコーナーでは、KALAのミールスデリーのカシミールカレー・MOKUBAZAのキーマカレーなどなど、さまざま名店のレシピが、ご家庭向けアレンジではなく店で作ってるやつがそのまま載っている。
ここにさらにシェフの解説やポイントが書かれている。そこまで見せちゃっていいの…?と思うくらい贅沢な内容。

初心者を脱した現在もよく参照して勉強してます。今でも読むたびに新しい気づきがあります。

終盤にはインド各地方のカレーとそのレシピが紹介されています。
当時「カレーってご当地ラーメンみたいに本当に色々なものがあるんだ」と驚かされた記憶があります。ここに載っていたポークビンダルーは当時何度も作りました。実はこのレシピ、コバタロカレーのnoteで紹介している敗北を知りたいポークビンダルーのルーツの一つになっていたりします。

よりきっちり作るため、あいまいな分量をグラムに換算した跡が残ってた

ということで、初心者からガチ勢までおすすめの勉強になることがたくさんある一冊です。



◆だいたい15分!本格インドカレー / エリックサウス稲田俊輔◆

2020年出版。エリックサウス総料理長イナダシュンスケさんの一本目のレシピ本。
気軽に簡単に作れることを推していますが、それでいて超本格的な味わいのカレー・インド料理が作れます。

本書一番の特徴は「再現性が高い」こと。本書はデジタルスケールを使って作ることを推奨しているのですが、材料の分量だけでなく完成したカレーの重量までグラムで書かれています。
仕上がりの重量は、使う鍋や火力の微妙な違いによってかなり変わるので、そこにも明確な基準を設けることで誰でも失敗なく同じ味に着地させることが出来るというのはすごいこと。

グラム計量はお菓子のレシピ本なんかでは当たり前だったりするんですが、それをカレーのレシピ本でやったのはこの本が初かもしれない。
コバタロカレーのレシピが、分量がグラム表記で、仕上がり量を記載しているのは完全にこの本の影響です。

また、この本のレシピ、ガチで本格的です。
実はこの本が出る時期にエリックサウスでアルバイトをしていたのですが、スタッフの間で「ものによっては店のレシピと同じ」「ここまで書いちゃっていいのか」と話題になっていたくらい。

エリックサウスの料理の仕込みは社員に任されているため(現在がどうかはわかりません)、アルバイトである自分はお店のレシピを知りません。なので感覚的な話にはなりますが、再現度が特に高いと思ったレシピは、塩チキンカレーと鯖のミーンコランブとナスのサンバル。

初心者向けからマニア向けまで様々なレシピが載っていますが、どれもインド現地に忠実な作り方が基本なので、カレー・インド料理の「型」を覚えるにはもってこいの一冊だと思います。守破離の「守」がこの本一冊で身につくので、初心者はもちろん、自己流でカレーを作ってきたけど改めて基礎の型を身につけたいという方にもおすすめです。



◆魯珈のスパイスカレー本 / 斎藤絵里◆

2021年出版。今や日本屈指の名店”スパイシーカレー魯珈”のレシピ本。有名カレー店のレシピ本が数多く出版されている中、この本が一番お店の味の秘訣を種明かししてくれていると個人的には思います。魯珈らしいカレーを作るポイントがしっかりと書かれています。

まず「パウダースパイスの香りを飛ばさないこと」に重点を置いているのが特徴的。 よくある工程は 「玉ねぎ炒め→パウダースパイス→メインの具材→水を入れて煮込む」 魯珈は 「玉ねぎ炒め→メインの具材→パウダースパイス→水を入れて一煮立ちさせたら完成」 という順になっている。水を加えた後はパウダースパイスを加えた後は5分以上煮込まない。
とにかくスパイスの香り逃がさず、食べたときに鮮烈な香りが口いっぱいに広がるようにしようという意図。

また、「トマト缶を工程の終盤に加えてあまり火を入れない」のも特徴的。煮詰めたりせずトマト缶独特の香りや酸味を活かすような意図を感じます。特にトマト缶が多めに入るレシピは唐辛子の辛味と、クローブ・シナモン系の甘い芳香でトマト缶の香りと酸味とバランスを取っていて面白いなと思いました。(この考察は合ってるかわからんけど)

魯珈店主・斎藤絵里さんは、南インド料理店エリックサウスで修業を積んでから、独立して開店したということもあり、基本はインドに忠実なのですが、その枠をあえて破った独創的な創作系のカレーもお店ではたくさん出されています。この本にも、和風・中華風・激辛カレー・名店再現カレーなど、創作系のレシピが幅広く載っています。
いくつか作りましたが、どれも本当に美味しくて今までになかった新しい味に驚かされます。
担々咖哩と鰺の冷や汁風カレーがお気に入り。

インド料理店で修業され基礎をしっかりと修めた人 絵里さんが作る創作カレーは、どれも"魯珈らしさ"というものを確立していてかっこいい。先ほどエリックサウスのレシピ本紹介で触れた「守破離」をまさに魯珈の絵里さんはやっている。お店で週替わりで提供される限定カレーは食べるたびいつも驚かされます。

お店になかなか行けない方もこの本で魯珈らしさを感じられるし、行ける方はぜひお店に食べに行くのがおすすめ!

過去に魯珈でカレーをいただきながら絵里さんとお話させていただいたときの記事があるので、こちらもよかったらぜひ。

スパイスカレー初心者から、創作系のカレーを作りたいけどとっかかりがなくて悩んでいる方にもおすすめです。



◆スパイスカレー最新レシピ~豪華33人のシェフが特別講義~ / 水野仁輔 カレーの学校◆

2022年出版。有名インド料理店・カレー店の凄腕シェフたちのレシピが40種類載っているというなんとも贅沢な本。
序盤はカレーの学校校長の水野仁輔さんの基本的なカレーのレシピが5種類紹介されていて、そこから先は見開きの半分がシェフのレシピ、もう半分が水野さんとシェフの対談という構成。この対談部分がめちゃくちゃ良い。
「玉ねぎはどういためるの?」「スパイスの使い方は?」「隠し味って大事?」「火加減や水加減や塩や油について」など、ノウハウ満載
シェフがそのレシピに至るまでの思考・コンセプト・意図なども語られていて面白いです。

お気に入りはマロロガバワン磯邊さんのアーンドラチキンカレー。めちゃくちゃ好きで何度も作っている。
対談にも書かれていたここのやりとりが自分の思想ととても近くて共感できる。

水野 たとえば躊躇はないですか?「アーンドラなのに赤ワインとか入れちゃったよ」みたいな。

磯邊 あんまりならないです。アーンドラチキンぽいものを作るろうとはしてるんですけど、アーンドラチキンそのものを作りたいわけではない。そこからヒントを得て、何か自分らしい料理にしたい。
スパイスカレー最新レシピ~豪華33人のシェフが特別講義~ / 水野仁輔 カレーの学校より

カレー作りやってるけど、最近上達できなくて行き詰っているという方や、さらなる高みを目指したいガチ勢におすすめです。


まとめ

コバタロが影響を受けたレシピ本を紹介しました。あえてレベル別におすすめをするなら

◆これからカレー作りを始めたい初心者◆
スパイスカレーの教科書 / エイ出版社
だいたい15分!本格インドカレー / エリックサウス稲田俊輔

◆カレー作りに慣れてきた中級者◆
だいたい15分!本格インドカレー / エリックサウス稲田俊輔
魯珈のスパイスカレー本 / 斎藤絵里

◆さらなる高みを目指したいガチ勢◆
スパイスカレー最新レシピ~豪華33人のシェフが特別講義~ / 水野仁輔 カレーの学校

です。

しかしながら、どの本も基本的なところの解説はしっかりとされているし、マニアがニヤリとしちゃうような内容も載っているので、どの本を選んでも間違いないと思います。


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それではまた別の記事で。皆さまのカレー作りが充実することを願って…。フィルミレンゲ~。

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おまけ カレー作りが上達するためのコツ

結局のところ、現代の技術ではまだ味や香りがデジタル化できないこともあり、やはりレシピを文字と写真だけで100%伝えるのは難しい。
レシピをみてそのとおり作れば一応作れるのですが、「細かい火加減・調理中の香りの変化・味」などは言語化するのが難しく、そこまではレシピに書かれていないことが多く、それらは実際に作ってみないとわからない。
そのため、最終的には作る人の経験と技術が大事なポイントになってくると僕は考えています。
じゃあその経験と技術を独学で養うにはどうしたらいいの?ということについて、自分が普段からやっていることと、より美味しいカレーを作るためコツを書きます。

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