第161話「 好ききらいしないで」(解説)
女性が語り手のお話ね。
彼女は、ママ友のマツムラさんから悩みを聞かされたみたい。
せっかく手間ひまをかけて作った料理なのに、
家族が食べてくれないんだって。
うーん、誰だって好ききらいはあるから、あんまり他人のことを言えないけど、
作ってる人はモヤモヤしちゃうわよね。
語り手は解決策として、エファセ電解水という不思議な水を提案しているわ。
食べ物の味や匂いを消してくれる水なのね。
これを使えば、子どもでも好ききらいなく料理を食べてくれそう。
マツムラさんの悩みは解決ね!
……と思ったけど、そういう話じゃなかったみたい。
お話の最後、語り手はマツムラさんにこう提案している。
「しっかりと、想いのこもった料理を作ってあげるといいわよ。
浮気相手との外食では出てこない特製の料理をね」
う、浮気相手との外食!?
待って。ということは、料理を食べてくれないのは、
マツムラさんの『子ども』じゃなくて、『夫』なのかしら。
そう考えても、話のツジツマは合うわよね?
だって、夫が浮気相手と頻繁に外食をしているなら、
『せっかく手間ひまをかけて料理を作った』のに『食べてもらえない』という状況が起こり得そうだもの……。
旦那さんが浮気してたんだ。
なるほどね。それは落ち込んじゃうわよね。
漬け込んだものを、無味無臭に変えてくれる――エファセ電解水。
きっと、賞味期限を過ぎたモノや、昆虫なんかも無味無臭にできるんでしょうね。
他には何を入れようかしら……フフフ。
さあ、あなた、
私の思いのこもった料理よ。しっかり食べてね。
好ききらいしないで。
あとがき
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