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北欧デザインでデザイン力を成長させる4つのポイント

Hej! ririahです! 出身はスウェーデンです。すごく遠い国から日本に来ました。スウェーデン人が日本語で記事を書くことは少し不思議なことですが、私もドワンゴのデザイナーになったので、日本語を頑張ってクリエイターズブログの記事を書いていきたいと思います!

本日ピックアップした題材は「北欧デザイン」について。スウェーデン人として北欧デザインの中で生活してきた私から、北欧デザインを取り入れるためのヒントを皆さんに紹介していきます。

北欧デザインや、スカンジナビアデザインという言葉を皆さんもよく聞くと思いますが、そのデザインスタイルについての特徴なんかも触れていきたいと思います。また、今のWebやグラフィックデザインに「北欧デザイン」がどのように使われているかという点も説明していきます。皆さんもこの記事をヒントに、次に着手するデザインプロジェクトを北欧デザインスタイルでやってみて頂けるとうれしいです!

北欧デザインとは

さて、北欧デザインって一体何なんでしょうか?
北欧デザインと言うと、ヨーロッパの北部に位置しているスウェーデン、ノルウェー、デンマークそしてフィンランドとアイスランドから来たデザインスタイルのことを指します。かなり広い国々ですが、実は人口がわりと少ないんです。
例えば、スウェーデンの面積は日本より少し広いですが、人口は950万人程度で東京23区と同じくらいです。
例に上げたスウェーデンを筆頭に面積のわりに人口が少ない国々ですが、デザインにおいては世界的に影響がかなり大きいですよね。

社会環境

北欧諸国が「北欧デザイン」を築く基盤になったのは、社会の環境だと感じています。北欧諸国ではイノベーションやクリエーションを大切にして生活しています。例えば、皆さんもご存知のように北欧の国では、福利厚生が充実しています。世界でも結構有名な話ですよね。
「同じ国に住んでいる人に同じチャンスをあげたい」という考え方をとても大切にしているので、例えば無料で大学に行けますし、自分の会社を作りたいと思ったら助成制度がしっかりしているので日本より敷居が低く起業できます。もし仮に起業に失敗して仕事を失っても、助成金をもらえ生活ができます。
こういったシステムがあるので、アートやデザインでリスクをとって挑戦することができることだと思います。デザイン会社を作って失敗しても、またチャンスがあるので、クリエイターやイノベーターが成長しやすいんです。

気候影響

挑戦を認めていく社会環境を元に栄えた北欧デザインスタイルは、北欧諸国の自然や気候からも強く影響を与えられました。
北欧諸国は、長く寒い冬と日照時間が短い環境に置かれているため、その対称として存在している暖かさや光をインテリアデザインやWebデザインに表現します。ですから、「北欧デザイン」をよく見てみると暖かさや光に対する微妙な加減をデザインに落とし込んでいることがわかるかと思います。
また自然環境からの影響という点ではデザインの色使いにもその傾向を見出すことができます。白、ベージュ、グレー、ブルー、落ち着いたピンク、木のトーンなどのニュートラルな色使いは、北欧の街並や自然の中でよく見かける色たちです。
このように北欧デザインは自然や環境を通して、独自の色合いや温かみを確立していき、人を魅了してきました。

Webとグラフィックデザインにおける北欧デザイン

北欧デザインのポイントをさらに詳しく紹介したいと思います。「Minimalism(ミニマリズム)」、「Nature(自然)」、「Light(光)」と「Functionality(機能性)」の4つのカテゴリに分けました。さて、ミニマリズムからみましょう。

Minimalism – ミニマリズム

シンプリシティーやミニマリズムは北欧デザインにおける大きな特徴です。例をあげるとスウェーデン語の「Lagom」、多すぎでもなく、少なすぎでもなく、ちょうどいい、という意味の単語です。スウェーデン人はよくこの言葉を使っており、ミニマリズム文化が北欧社会に強く根ざしているのがわかります。

北欧デザインのそういうミニマムかつ穏やかな感じは不要な要素がなく、重要な要素だけを残しています。

例えば、デンマークブランドのBeoplayのスピーカーの紹介ページはプロダクトをファーカスして、シンプル、ミニマリスティックデザインにおいて優秀なサイトデザインだと言えます。

下にスクロールすると自然の背景画像を使っていますので、シンプルでありながらつまらなくならないし、パララックス表現も利用しているため遊びゴコロも演出しています。

このように光、白や落ち着いた色、シンプルなアクセント、自然な質感、そしてホワイトスペースをたくさん使うと北欧デザインを取り入れたシンプルでありながら清潔感のあるミニマリスティックなサイトを製作できます。

Nature – 自然

北欧諸国における面積の大半は自然です。広大な森林、氷河、火山性温泉、オーロラなど、北欧諸国の美しい自然は広大かつ多様です。北欧の人々は、昔から自然と密接な生活に慣れ親しんでおり、都会に住む人が増えてもまだハイキングや様々なアウトドアアクティビティをエンジョイしている人々が多いです。このように自然を大切している価値観が北欧のデザインにも表れています。

北欧の自然からインスピレーションを得た色をよくデザインに使われていますし、また先ほどお見せしたサイトのように、北欧の印象を与えるために自然の中で撮影した背景画像を多く使用しています。

次にお見せする例はDanish Shipowners’ AssociationのWebサイトです。

背景は海の動画を利用しており、ローディングアニメーションなどの細かいところに波の形のアニメーションを使用しています。インスピレーションが欲しい時は外に出て、周りの自然を見渡して見て下さい。きっと素敵なインスピレーションを得ることができます。自然の写真を使用することだけではなく、テクスチャー、形、動きからも北欧らしいデザイン表現が可能です。

Light – 光

光は北欧デザインの最も特徴的なポイントです。特にインテリアデザインを見ると、北欧デザインの家の窓は大きく設計されており、白やベージュの色が多用され、広い印象を与えています。北欧では暗い冬の時もキャンドルなどの暖かさを感じるライトをよく使っています。そんな生活スタイルがデザインに反映されているのでしょう。
光はWebデザインにおいても北欧デザインらしいインスピレーションを与えることができます。
Your Local Studioのサイトは、白色やホワイトスペースをとてもうまく使って、光の印象を与えています。サイトに載せている写真までにも光にこだわっているため、シンプルな北欧デザインスタイルのイメージを強く印象づけています。

デザイナーとして働くと、ほとんど1日屋内の明るいコンピュータ画面の前で作業するので、自然光を見ることを忘れてしまうことがあります。室内の光の反射や影の形を見ることだけでもインスピレーションが生まれることが多いと思いますので、たまに周りの光に目を向け、観察してみましょう。

Functionality – 機能性

最後に北欧デザインにおいて重要なポイントである機能性についてお話します。Webサイトの作成において、重要な事は単純に見た目が綺麗なデザインをすることではなく、ユーザーのニーズにあった使いやすいサイトを製作することです。

北欧デザインのモットーは「必要なものだけを残す」ということ。ユーザビリティを阻害するものや余計なデコレーションを省きます。そして北欧デザインスタイルの原則は、美しさと優雅さを無視することなく、機能性に優先順位を付けることです。

例えばスウェーデンのデザイナーGustav Karlssonが作ったテイクアウトボックスのデザインです。

パッケージは北欧デザインのシンプル感でありながら、中身に遊び心のあるカラフルなディテールもあります。

見た目がオシャレでありながらも、機能的にユーザー利用シーンがよく検討されています。厚紙で作られているため、捨てることも楽だし、環境にやさしいデザインになっています。

最後に

今日は北欧デザインについて軽く紹介させてもらいました。

いかがでしたでしょうか?

みなさんも今度デザインする時ミニマリズム、自然、光と機能性を考えながら北欧デザインを取り入れてみましょう。

Vi hörs!


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