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禁酒解禁のあれこれ


2022年7月17日、僕は禁酒を始めた。


以前、投稿したnoteに禁酒の経緯や禁酒をして変わったことをまとめたものがあるので是非読んでほしい。



そして、2023年8月19日、僕は禁酒を解禁した。

1年1ヶ月と16日ぶりの酒は、骨身にまで沁み、頭の中で禁酒中の苦楽が走馬灯のように駆け巡った、そしてビールの泡とともに弾けた。

禁酒のあれこれを投稿した1ヶ月半後に解禁したのだが、なぜ僕が解禁に至ったのかと言うと、


「今の俺なら酒と共存できるはず!!ハハハ!!」


と思ったからである。

元々、お笑いに専念したくて始めた禁酒。
ついつい飲み行っちゃったりついつい飲み過ぎちゃったりが多すぎて、もうそういう生活がうんざりで何かを変えたくて始めたわけだったが、もう酒もお笑いも両立できるのではないか、ここで禁酒を解禁した方が良い方向に進むのではないか、そう思った次第である。

まあ単純に飲みたかっただけだろと言われればそうなのかもしれないけれど。

でも、本当に僕は解禁した方が良いんじゃないかと、この1年禁酒してみてそういう結論に至った。

禁酒のあれこれでは、何かうれしい日でもあれば解禁しようかなとか言っていたけど、特段うれしいことはなく普通に解禁してしまった。


解禁日当日は、最高のコンディションで飲みたかったので、朝からあまり水分をとらず、風呂とサウナで水抜きをした。
猛暑日ということもあり、喉が干からびて力尽きそうだったので、酒を飲む目前でリアルゴールドをがぶ飲みしてしまった。
今考えるとそのリアルゴールドが1番うまかった。

そして、夕方から僕の好きな同期4人と集まり、朝まで楽しく飲み明かした。
僕の好きな人を集めただけなので、僕以外の4人の関係性はほぼ皆無だった。
それでもすぐに打ち解け、笑いが絶えなくなるのが芸人のいいところだと思った。

1人の同期が、次の日ポケカの大事な大会があるからと早めに帰り、もう1人もバスケの試合があるからと途中で帰った。
世界が待望した僕の禁酒解禁日だというのに、途中で帰る輩たちにブチギレそうになった。

湧いた怒りを鎮め、朝3時頃に急遽もう1人の同期を呼び出した。
だが、そいつが1番シラフなのにも関わらず1番テンションが高かった。
酔っている僕たちは、シラフのそいつのノリについていけず割と早めに解散した。

帰り道、いつも汚いはずの新宿の街が、なぜかやけに透き通って見えた。

そして、SNSで禁酒解禁したことを報告すると、禁酒期間中に遊びや飲みを断っていた人たちから瞬く間に連絡がきた。

それと、これは偶然なのだが、解禁した3日後に相方とコンビを解散した。
そのことも相まって、解禁してからは連日のように朝まで飲んでいた。

睡眠を削りに削ってアルコールをひたすら体に入れ続ける生活を一週間した結果、人生で初めて血反吐がでた。

バイト中に吐血し、恐怖で全身が震えた。

だが、そんな恐怖心とは裏腹に、口から血が出てきたことに対する高揚感もあった。
ドラマとかで口から血が出るシーンがたまにあるが、なんとなくあれをかっこいいと思っていたからだ。

恐怖心と高揚感に包まれながら、洗面台にぶちまけた血反吐を写真におさめたのだが、流石にnoteにのせる勇気はないので血反吐を見たかった人はごめんなさい、もし会うことがあれば見せてあげます。


そして、今はそんな飲み会ラッシュも落ち着き、僕はちゃんと酒をコントロールできている。

もうあの頃みたいにキリなく飲んでしまい、ついつい朝までいってしまうことはなくなった。

解禁したて当初は冷や冷やしたが、よくよく考えると1年以上も禁酒できたやつが酒をコントロールできないわけないのだ。

1年以上もの禁酒に成功したという自信が、僕を酒に飲まれることから守っている。

なので、酒と上手に付き合いたい人は一旦、1年の断酒をおすすめする。

成功した暁には、酒という魔法を思いのままに操れる魔女のようなものになっていることだろう。


これは、なにも酒に限ったことではなく、なにか制御したいものがあればそれの上をいくきついことを実践すれば、いつか制御できるようになると思う。

タバコやギャンブルや女遊び、仕事だってそう。
日常的な仕事に取り組む意欲が湧かず、悩んでいる人は一旦、1ヶ月くらいたくさんの仕事をしてみれば、1ヶ月後には日常的な仕事は当たり前のようにできるはずだ。

この、1をやれるようになりたいならまず10をひたすらやれ理論を提唱していきたい。

この考え方が広まって、この理論に僕の名前がつくことを願っている。


いずれにしても、この慶士理論のおかげで僕は酒と共存することができた。
いや、共存というより共生というべきか。

僕は、酒をほんとに飲みたいときにだけ飲む。
そして酒のやつも、僕から飲まれることはきっと光栄でうれしいはず。

イソギンチャクとカクレクマノミのように、利害が一致した僕たちはイソクマの関係なのだ。

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