慶士

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慶士

芸人です、日々もがいてます、毎週日曜日に渾身のエッセイをあげます。エッセイの朗読もやってます→ https://youtube.com/@ke_shi1127

最近の記事

やったことないことでも恐れずにやれば案外しっくりくる

今年も早いことでもう約4ヶ月が経ち、刻々と1年が過ぎようとしている。 こないだ年明けたばかりじゃないかと、1月〜4月の記憶なんてないぞと、時の早さを痛感させられる毎日に嫌気がさすが、僕はこの1年を無駄にしないよう密かに目標を立てている。 その中でも今年のテーマといっても過言ではないことがある。 それは「やったことないことをやる」だ。 なにか恥ずかしかったり勇気がでなかったりで今までやってこなかったことを率先してやろうと、今年はそういう1年にしてやろうと意気込んでいる。

    • 勝手に生き辛い

      人生は縛りの連続だ。 年々、歳を重ねるごとに縛りが増えてきた。 昔に比べてとても生きにくい世の中になったものだ。 というのも、僕は自分で勝手に縛りをつけて、自分で自分の首を毎日絞めている。 側から見れば常軌を逸した超ドMだと思われても仕方がないだろう。 なので、とても生きにくい世の中になってきたとか文句を言う筋合いなんて全くないのだ。 普通の人なら何も気にせずやっていることに僕は数々の自分ルールを設定し、その自分ルールがもちろん年々増えていく一方で、周りからは「すごく

      • 濃厚豚骨ラーメンで淡い青春を取り戻す

        学生の頃、地元北九州のラーメン屋でアルバイトをしていた。 豚骨と魚介のスープがメインで、チャーシューは炭火で炙り、店内はラーメン屋っぽくないカフェのような空間で、とても個性的なお店だった。 チェーン店ではなく個人のお店だったが、地元では割と有名なラーメン屋で、僕はそこで約3年間働いた。 仕事に対する姿勢や丁寧さをはじめ、このラーメン屋でたくさんのことを学び、色々な経験をさせていただいた。 忙しすぎてろくな休憩がとれず、14時間ぶっ続けで働くときもあり、体のタフさと精神力

        • 宝くじという魔法に包まれて

          約5年前のこと、まだ芸人になる前の話。 僕は仕事から帰り、ベッドの上に転がりながら何気なくSNSを見ていた。 すると、ある一つの投稿が僕の目に飛び込んできた。 宝くじを買ってはずれたという投稿を高校の同級生S君がしていたのだ。 僕はそれを見て、とてつもない衝撃を受けた。 宝くじというのは老後の娯楽で、もう全ての娯楽を遊び尽くした者だけがたどり着く領域だと思っていた。 当時、パチスロにどっぷりはまっていた僕は、その高校の同級生S君がえらく大人に見え、まだパチスロなんかに

        やったことないことでも恐れずにやれば案外しっくりくる

          言葉の壁を越える甘酸っぱさ

          僕は今、あるホテルでアルバイトをしている。 ホテルマンと言えば、身だしなみや接客態度がしっかりしていて、少し固いイメージがあると思う。 だが、僕が働いているホテルはとてつもなく緩く、髪型自由で服装はTシャツかパーカー、フロントでは常時HIPHOPが流れており、接客の仕方もとにかくお客さんに寄り添って友達のように接するということだけで、マニュアルなどは一切ない。 というのも、ホテル利用のほとんどが外国人観光客で、フロントの前には24時間営業のバーがあり、従業員は全てバイト

          言葉の壁を越える甘酸っぱさ

          猫背モンスターたちとの戦い

          先日、整形外科に行った日のこと。 背中のレントゲンをとってもらい、診察を受けるとお医者さんから「姿勢が悪いですねえ」と言われた。 レントゲンを見ると、僕の背骨は綺麗なS字を描いていた。 そのお医者さんの一言で、僕は自分が猫背であることを久々に思い出すとともに、頭の奥の方にあったある記憶が蘇った。 小学校6年生のとき、学年全員が急に理科室に集められ、順番に姿勢を見られた。 僕の記憶では、何の前触れもなく急にそのイベントは始まった。 外部からお医者さんが何人か来ていたため、

          猫背モンスターたちとの戦い

          続・渾身のパンチラインだって無視されることはある

          前回、メシアの東京ドームライブ観戦の1日を振り返った。 この話を読んだ人、全員が思ったと思う。 「肝心のライブの話ぜんぜんなくね?」 そう、ほんとに全くその通りである。 ライブ観戦に至るまでの背景に重きを置きすぎて、肝心のライブの話はさらっと流してしまった(まあそれがやりたかったのだけれど)。 ライブの内容は僕が言うまでもなく最高に決まっているので、わざわざ書くことでもないかなと思っていたが、ライブ中とライブ後にもたくさんの出来事があったので今回はそのお話。 ネカ

          続・渾身のパンチラインだって無視されることはある

          渾身のパンチラインだって無視されることはある

          先々週の日曜日、僕からすると超特大スーパービッグイベントがあった。 僕が芸人を目指すきっかけとなった方(以下メシアと呼ぶ)の東京ドームライブの日だった。 しかも偶然にもその日は僕の誕生日。 これはもう行かざるを得ないじゃないかと半年以上前から心待ちにしていた。 チケットも見事勝ち取ることができ(20万人を超える応募数の中から見事アリーナ席を勝ち取った)、事前にTシャツやポスターを買って気持ちを昂らせていた。 僕のnote古参さんたちならご存知だと思うが、僕は以前メシア

          渾身のパンチラインだって無視されることはある

          14年ぶりの少林寺拳法

          3つ前の投稿で、約14年ぶりに少林寺拳法を再開することをここに宣言した。 少林寺拳法に対する思いやなぜ再開するに至ったかの経緯を書いたのだが、先日、実際に稽古に参加してきたので、今回はそのときのことについて書いていこうと思う。 今年に入り、僕はすぐに家から1番近い少林寺拳法の稽古場に連絡をした。 1番近いと言っても、最寄り駅から4駅離れた場所なので、ギリギリ自転車では通えないぐらいの距離である(1駅でもぜんぜん電車使うけど)。 担当者とメールで何度かやりとりし、日程を決

          14年ぶりの少林寺拳法

          我、爆誕

          今日は2月18日。 戦国大名、上杉謙信の誕生日だということは皆さんもれなくご存知だと思うが、その466年後の今日、わたくし慶士が爆誕した。 誕生日の思い出と言えば、実家に住んでいた頃、母親が毎年パエリアを作ってくれていた。 母親から「誕生日に食べたいものなんかある?」と毎年聞かれるたびに「パエリア」と答えていたので、途中からもう何も聞かれず誕生日はパエリアがお決まりになっていた。 高校生のときに一度だけ、パエリアではなく「大量の砂ずり」をリクエストしたことがある。

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          鯛の骨には御用心

          僕は、肉よりも魚、野菜よりも魚、果物よりも魚、ビックマックよりも魚が大好きで、小さい頃から魚料理を好んでよく食べていた。 ファミレスに行くと普通の子どもたちは「ハンバーグ!ハンバーグ!」と叫び散らかすが、僕はそんな欲望の肉塊たちを横目に、塩サバ定食を嗜んでいた。 小学生の好物の相場はカレーか肉と決まっているが、毎回魚をセレクトする自分に我ながら大人だなと自分でも思っていた。 小学校5年生のとき、週2で塾に通っていた。 その塾の授業の一環で、前日や前々日の夕食を発表する

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          挑戦なんて、年老いれば老いてからの方がかっこいい

          小学校一年生のとき、少林寺拳法を始めた。 なんで始めたとか始めるときに何を思っていたとかは全く覚えていないが、気付いたらもう始めていた。 お母さんに連れられて体験に行き、そのとき自分が黒のロンTを着ていたことだけは覚えている。 少林寺拳法と聞いて「あー少林寺拳法ね、はいはいはい」となる人はごく一部だと思うので、少しばかり説明をさせてもらうと、ざっくり言うと護身術を学びながら人として成長するのを目的とした武術である。 肉体的にも精神的にも強くなって、良き人格者になってい

          挑戦なんて、年老いれば老いてからの方がかっこいい

          生まれて初めて4tトラックに跳ねられた日のこと

          昨年のこと、12月の上旬。 生まれて初めて4tトラックに跳ねられた。 というか、生まれて初めて事故に合った。 事故から1ヶ月以上経ち、気持ち的にも症状的にも落ち着いてきたので、今回はそのことについて書いていこうと思う。 12月5日に他事務所の同期と2人で飲みに行くことになった。 そいつとは1年ぐらい前にライブが一度被っただけで、飲みやご飯に行ったことはなかった。 なんならあまり素性も知らない。 でも、SNSで家が近いということが判明し、飲みに行こうかという話になっ

          生まれて初めて4tトラックに跳ねられた日のこと

          R-1グランプリの予選に出た日に記憶を2度飛ばした物語

          昨年の11月末、例年のごとく吉本からR-1グランプリ予選の案内メールがきた。 4年も芸人をやっていると、だいたいの芸人は1回ぐらいは出場したことがあると思う。 目の前にチャンスがあるのに飛びつかない方がおかしいから。 ピンネタに自信がなかったとしても、とりあえず出るだけ出てみようでエントリーする芸人は多いはずだ。 でも、僕は今まで一度もR-1にエントリーしたことがない。 なぜなら、ピン芸人に多大なるリスペクトがあるから。 芸人として一人でやっていく覚悟を決め、一人でネ

          R-1グランプリの予選に出た日に記憶を2度飛ばした物語

          映画は処方箋

          映画をよく観る。 よく観るというか定期的に観ないといけないというか。 何か思い悩んだりしたときはいつも映画が心を晴れさせてくれる(観た映画にも寄るけど)。 何かあっても「僕には映画があるんだ」と、心のよりどころになってくれていたりもする。 簡単に言うと、映画は僕にとっての常備薬みたいなものなのである。 ひとりで夜にホットココアを飲みながら映画を観ているときは、至福の時間すぎて日頃のストレスが浄化されていくのがわかる(観た映画にも寄るけど)。 高いからあまり頻繁には

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          除夜のオナラ

          とうとう年が明けてしまった。 またもや年が明けてしまった。 まさか2024年になるとは、2023年が始まったときは思いもしていなかった。 あと何度経験すればいいのだろう。 年が明けない年などないのだろうか。 毎年必ずやってきては焦りを僕に押し付けてくる。 それが年明け。 焦燥と書いてとしあけと呼びたいくらいだ。 だが、多少なり期待感もある。 今年はどんな年になるのだろう、良い年になればいいなと、てかきっと良い年になるはずだと、思い込むようにしている。 割合で言えば

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