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She Sells Sea Shells by the Seashore

薄いトレーシングペーパーに印字されたとても繊細な作りの小説。その見た目のはかなさに惹かれてブースに足を止めた。ページが綴じらることなく、バラバラのこの小説は、どこから読んでも良いとのこと。もう作者ですら正しい順番(それがあるとしたら)がわからないと言う。どこから読んでも、1枚だけで読んでもいい、続けて読んでも成り立つ物語というのは不思議なはかなさを持っている。

約11mm四方のこの「本」は保存性が低く、きっといつか何かの拍子に無くしてしまうかもしれない。はじめから長く保存されることも考えていないであろうこの本は、他の本とは違う存在の在り方だなと思った。

1枚1枚に描かれていくsheと僕のお話。”これは思い出話であり〜・・・物語ではない”と書かれているので、いつかいた誰かの記憶の集合体なのかもしれない。 今はまだ5枚の記憶に目を通しただけ。断片的な記憶を探る様に休日の昼下がりにでも、1枚づつゆっくり読もうと思った。

2019.05.06 文学フリマ東京 ブース:ト-19 シーサイドブックスさん  『She Sells Sea Shells by the Seashore』

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