三ッ石山の紅葉を求めて
去年、八幡平を歩いた時に話をした東北の方が、栗駒山より三ッ石山の紅葉の方が綺麗ですよ。ほら、とiPhone内の写真を見せてくれた。
それは一面真っ赤に染まっている山頂からのなだらかな斜面のものだった。
その写真はなんの加工もしていないという。
行きたいな。
そう思い続けて、今月、東北道を北上した。
途中ガソリンが残りわずかになり、安いガソリンが入れたく花巻南で東北道を降り、セルフエネオスを見つけ給油、価格は衝撃の142円!
花巻、盛岡付近はガソリンが安い。
夜、松川の駐車場に着くと、真っ暗の中でも白い大量の水蒸気がモクモク上がっているのがわかる。
地熱発電施設があるからだ。
こんな物があるということは、温泉もある。
下山後に入ろう。
車の中で眠りについた東北遠征最初の夜は、拍子抜けするくらい温かい夜で、シュラフに入らず、シュラフを掛け布団代わりにしてちょうどよかった。
朝、サンドイッチ、野菜ジュース、ジェットボイルでお湯を沸かしコーヒーを飲み、6時前に行動開始。
関東位西では熊鈴は使わないが、さすがにこのあたりは熊の巣窟と思われる。
ぶら下げてきた熊鈴のサイレント機能を解除した。
松川温泉から反時計回りに周回するコースを歩き始める。
道はジメッとしているので、気になる方はゲイターを履くと良い。
俺はゲイターを履く習慣がないので、そもそも持ってきていない。
稜線に近づくと展望が開ける。
稜線付近に高い木はなく、ところどころ色づいているのがわかる。
朝は雲が多かった。それもまた楽しむ。
大深岳を過ぎてからの稜線歩きが紅葉を楽しめるルート。
久しぶりの山歩きであったため、来てよかったとしみじみ思う。
ザ、東北の山、ザ、東北の紅葉といったところ。
ステキ。
小畚山から三ッ石山を見る。
紅葉もきれいなのだけど、エメラルド色の笹がまた良い。
この日の装備はグレゴリーサルボ18。
とても気に入っている。
背中は金属フレームが入りトランポリン構造で浮いている。
結局腰の部分は接触するので汗はかくが、背面全てが密着するよりは全然マシ。
ウエストはポーチがないベルトのみ。
このクラスに腰荷重は必要ないし、ポーチが付いていると夏は暑い。
外側はネット。
バンジーコードのものもあるが、やっぱりネットのほうが小物まで入れられるので使い勝手がよい。
容量は18Lもちょうどよい。
お昼に火を使う場合はバーナーが入る分、もう少し容量がほしいと思う。
なので22Lもラインナップされると嬉しいかも。
グレゴリーにこのタイプは現在存在しない。
どれも、ウエストポーチがあったり、背中が浮いていなかったり、外側がバンジーコードだったり。
復活を希望する。
さて、ここまで見てきて、栗駒山を超える紅葉じゃないんじゃ…と思った方も多いと思う。
そう、俺もそう思ってしまった。
そこに山の調査と札を付けた二人が山頂にやってきた。
その二人に今の紅葉はどんな感じなんですかと質問をしたところ、なんとピークは先週だったとのこと。
そしてその先週も、葉っぱがだいぶ落ちていて、素晴らしい紅葉の年と比べると見劣りしていたとのこと。
やっぱり紅葉が素晴らしかった年より見劣りしていたんだ。
白い枝が見える木が落葉してしまった木らしい。
そして仮説を立てた。
素晴らしい紅葉は、この白い枝の木にかかっているのではないか。
この木が落葉せず、赤く染まった時、無敵の紅葉になるのではないか。
この白い木の正体は何なんだ?
そして去年も紅葉は全国的に良くなかったと聞く。
みなさん、今年は紅葉イマイチだね。とよく言う。
でもそうではなく、これが通常なのではないか?
無敵の紅葉の年こそ、滅多に巡り会えない例外的な年なのではないか。
三ッ石山から松川温泉への下山の道は凄いことになっていた。
写真の通りの田んぼ 笑
いや、写真のとおりではなく、写真以上にぬかるんでいた。
これが延々、延々ですよ
稲を植えたらきっとよく育ちます 笑
無事下山
地熱発電所の施設は立派だった。
温泉は松川荘へ
白濁したザ、硫黄泉。
湯船に浸かると湯の花が舞い上がる。
洗い場の蛇口は水のみ、横の木枠に溜まっているお湯を汲み流すタイプ。
このタイプは初めての経験。
とても素晴らしい温泉だった。
次の山へ移動中に盛岡を通過したので、夕飯は盛岡冷麺のぴょんぴょん舎。
去年も来ていて、その時は冷麺のみ。
今回は焼肉セットにした。
俺は世界一の幸せ者 笑
この日の登山ルート。真ん中あたりが松川温泉登山口。
反時計回りで周回した。
右が三ッ石山でそこに向かう稜線がグーグルアースでも紅葉しているのがわかる。
奥が岩手山、去年登っているので位置関係が把握しやすく面白い。
この日のヤマップデータ。
この日のザックに付けた温度計の記録。
下山前、下山後は車中、屋内が含まれるため、行動時間のみの気温を参考に。
三ッ石山は、去年、八幡平で出会った方が見せてくれた無敵の紅葉ではなかった。
でも、憧れた山に登れたことはとても嬉しかったし、無敵の紅葉でなかったけど、素敵な紅葉ではあったし、東北の山らしい素敵な風景だった。
東北遠征初日の山としては、申し分ない山だった。
東北遠征は早池峰山へ続く。
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