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懐かしさに生きる

今まさにテレビを観ていて、釘付けになってしまった。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』、通称『金スマ』だ。モーニング娘。'21とOGが出演するというものだった。

正直最近の、というかいつからかずっとモーニング娘。については詳しくなく、「○○期」という呼び方をされても正直ピンと来ない。最近のモー娘。はダンスがすごい、歌も上手い、パフォーマンス力がハンパない。そう言われているのは知っているが、正直顔と名前が結びつくメンバーが少ないという感じだ。

金スマもたまたまテレビがついていて、何となく横目に観ているくらいのものだったが、後半になり一変する。
とんねるずの石橋貴明さんがサプライズで登場し、自分が学生時代に大人気だった番組、『うたばん』の振り返りが始まったのだ。

リアルタイムで観ていたタカさん、中居くん、モー娘。のトークや企画。今観ても笑える、面白い。こんなのあったなぁ、と思いながら、ずっとニヤけてテレビを眺めていた。

やっぱり最高だな、うたばん。そう感じつつ、心にもうひとつ残ったのは「懐かしさで楽しむことが増えたな」、という思いだ。モーニング娘。'21は横目で観ていたのに、OGの話になり、タカさんが出てきて、うたばんが再来すると注目する。
今後、きっとこういうことが増えていくんだろうなと思う。

仲のいい友だちと会っていても、過去の話をして盛り上がることがちょっと増えたような気がする。当たり前だけど共通の話題だから、話は絶対に盛り上がる。「話すことが変わらないよね」と言いながら、どこかそれに安心してもいるのだ。

今後も、自分の中に堆積するものがどんどん多くなる。知らないものは無限にあるけど、歳を取ればずっと自分の中に残るものも増える。その分、自分が浸れる過去も増えるんだなと、改めて思った。

小さい頃は、自分の知らない昔のことを話す親や大人を見て、「なんでそんな前のことを話してるんだ?」と思ったこともある。でも今は、その気持ちが少し分かる気がする。自分の中に、良し悪し様々の「過去」は増えていく一方なのだ。安心して楽しめるもの、浸れる余地が日々増えるのだから、それは昔の話もするだろう。

昔自分が楽しんだものの話をするのは、全然悪いことじゃない。過去に浸る時間もいいものだ。
ただ、そちらにばかり目がいきすぎると、知らないものや新しいことに触れる時間まで削ってしまうかもしれない。フットワークが鈍り、腰が重くなるのは、もしかしたら「自分の過去が増える」というのも一因なのかもしれないな。

過去に楽しかったことを振り返る時間は、それだけで有意義。でもそればかりにならないよう、チャレンジする気持ちや、新しいものに触れてみる行動力も、失っていかないように意識したい。

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