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【5】年明け、心拍は見えなくなっていて赤ちゃんとお別れ。

4話の続きです。


※2017年年末~2018の年明けの話です。


年末に奇跡の心拍確認ができ、
心から嬉しかったです。


流産だと2人の医師に言われていました。


でも、手術を受ける覚悟で行った先の病院で、
心拍を見つけてくれました。


年越し、お正月、
お腹の赤ちゃんと過ごせる幸せを感じながら、
大切に大切に過ごしました。


その傍ら、覚悟もしていました。


もしかしたらだめかもしれない。


けれども、今は
赤ちゃんと一緒に居られる時間を
楽しもうという気持ちでいました。



そして年明け。



クリニックMで再診してもらうと、







心拍は見えなくなっていました。






覚悟はしていたものの、
奇跡を信じたい気持ちの方が大きかった。


改めて流産だと言われ、
言葉にするのが難しいのですが、
【虚しさ、悲しさ、惨めさ、、、】
そんな感情を味わいました。


手術予定日である5日後まで、
死んでしまった赤ちゃんをお腹にいれたまま、
不安な日々を送りました。


突然出血したらどうしようと思うと
一人で出かけられず、ほとんど家にいました。


まだ赤ちゃんは自分の中にいたので
お腹に話しかけたりさすったりしてました。


生理一日めくらいの血が出ましたが、
それ以降は出血も腹痛もなく
手術日まで静かにお腹にいてくれました。


そして
実感がわかないまま迎えた手術日。


最後にエコーを見せてもらいました。

赤ちゃんの成長は止まっていましたが、
雪だるまみたいに
頭と胴体に分かれて見えました。 


人間らしくなったなぁ、
でも生きてないんだなぁ。。




お昼くらいに手術と伝えられ、
その時間が近づいてくると
だんだん悲しみが込み上げてきます。

看護師さんが迎えに来た時には、
悲しすぎて何も喋れず、
夫の目も見れず、手術室に行きました。

陣痛室での手術だったので、
ちょうどお産の方もいたらしく、
生まれたての赤ちゃんの声が聞こえてきます。


苦しかったです。
誰かの赤ちゃんの声を聞きながら
私はこれから
赤ちゃんとお別れしようとしている。


手術台に寝転んだら涙がつーっと流れてきて、
そのまま麻酔され、
気づいたら手術は終わっていて、
部屋のベッドの上でした。


目覚めて、夫が横にいるのが分かり、
手を握りながら泣いて、
また眠りました。

術後の体調も問題ありませんでした。
日帰り入院だったので、
その日のうちに退院し、
家に戻ります。




クリニックMは、
お産のクリニックなので、
妊婦さんが多かったのですが、
会わないように個室を用意してくださった、
その配慮もありがたかったです。


でも赤ちゃんの声を聞くことや
幸せそうな人たちを見るのは
どうしても避けられません。


本当にしんどくて、
どんどん自分が惨めに感じました。


お腹の大きくない私が、
手術着を着て暗い顔で歩いている。


見た人は勘づくのだろうな。


赤ちゃんを産んで
人生で一番幸せを感じている人と、
どん底を感じている人が同じ場所にいる。
仕方ないとはいえ、耐えがたい。


「昨日までお腹にいたのにもういないなんて」
と思うと
悲しくて寂しくてどうしようもない。


悲しみが溢れてきて、
悲しみの行き場所が自分になくなると
他人への妬みに変わる。


幸せな年賀状が届いたけれど、
見ないふり。


そして
手術を受けた日も
お義父さんはデイから帰ってきます。
また始まるいつもの介護の日々。



【神様、もうこれ以上
 私に試練を与えないで。
 私はそんなに強くない。】


そんなふうに思っていました。


でも、
赤ちゃんと過ごした時間は
かけがえのない思い出になりました。


妊娠が分かったその日からhcgが低いと言われ、
不安な日々を過ごす。
でも赤ちゃんは9wまでお腹にいてくれました。


心拍を見つけてくれた先生には
とても感謝しています。
奇跡を見せてくれたと思っています。

流産手術を決断し、
その後、
心拍を見れた時の驚きと幸福感。



心拍を見れてから
母になる喜びを感じる日々を過ごせた。


流産してしまったけれど、
初めて見たピコピコと動く赤ちゃんの心拍、
あの感動忘れられないです。


あんなに小さいのに、がんばってる。
生きようとしている。

赤ちゃんは心臓を動かす姿を
私に見せたかったのかなって思っています。


私をママに選んでくれて、
がんばってくれた小さな命、ありがとう。





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以上1〜5回に渡り、

『流産宣告後、心拍が見えたけど
 赤ちゃんはお空に帰って行った話』

 をアップしました。


過去の日記から引用したり、
当時を思い起こしながら書きました。

これが私の初めての稽留流産の経験談です。


流産。
まさかこんなにも辛いものだとは
思ってもいませんでした。


これまでの人生経験の中で
経験したことのない悲しみでした。


妊娠が分かって喜んでいたのに、
一気に突き落とされた気持ちになりますよね。

でも
赤ちゃんの生命力は
母になる気持ちを強くさせてくれるように思います。

この流産経験も、もちろん辛かったけれど
一方で、
赤ちゃんからの愛も感じることができた
時間となりました。


私はこの後、
19週の死産、
11週の流産を経験することになります。


またの機会にマガジンにしたいと思います。

お読みいただきありがとうございます。

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