tachikoma

宇宙関係に関心があります。

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最近の記事

ロケット打上げ失敗例

固体燃料ロケットの場合、1970年2月に日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げる以前に、軌道投入に4回の失敗を経験しています。その後ミュー(M)ロケットが運用状態に入ってからの失敗は、1976年のCORSA-a、1996年のEXPRRESS、2000年のASTRO-E、の3つが失敗。 液体燃料ロケットでは以下の失敗を経験 1998年2月のH-II5号機(通信放送技術衛星・かけはし(COMETS)) LE-5Aの燃焼が予定より早く停止し、静止トランスファ軌道GTOへ投入に失

    • H3ロケットの概要

      H3ロケットでは、ロケット業界での競争力を高めるべく、SRBのない30形態を用意。50億円を目指す。システムコントラクター(インテグレーション)としてMHIを選定。民間企業と連携しながら新規開発を行う。20年の運用を見据えた設計。太陽同期、静止トランスファ軌道への投入可能。 選択可能 フェアリング2⇒世界最大級の包絡域までをカバー PAF3 エンジン2 モータ3 1段LE-9、二段LE-5B 実機型エンジン(技術試験用のエンジニアリングモデル)の製造に着手(2016/7時

      • H3ロケット用移動発射台の概要

        吉信エリアから竹崎エリアに発射管制棟を移設した。吉信は対応必要時に警戒区域解除まで出ることができなかったが、竹崎移設により柔軟な対応が可能。竹崎には全体を統括するRCCもあるので連携もしやすくなった。 射点で推進薬の充填を行う サイズはほとんど変化なし ①上段マスト形状の変更 ②開口部拡大。干渉音低減。ML移動後の水配管1m程度の接続作業を削除。噴流により穴の周りが汚れてしまい高圧水蒸気で洗浄していたが、熱損傷を受けづらい設計となった。これにより、打ち上げ後の補修作業を短

        • 耐空証明制度と型式証明制度

          耐空証明制度とは、航空法第11条で「航空機は、有効な耐空証明(Airworthiness Certificate)を受けているものでなければ、航空の用に供してはならない。」と定められている。 航空法 第11条 航空機は、有効な耐空証明を受けているものでなければ、航空の用に供してはならない。但し、試験飛行等を行うため国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。 2 航空機は、その受けている耐空証明において指定された航空機の用途又は運用限界の範囲内でなければ、航空の用に供

        ロケット打上げ失敗例

          米FAA型式証明取得の枠組み

          従来の垂直発射型ロケットに対して、飛行機を空まで飛ばして、この飛行機に搭載したロケットを上空で切り離し、宇宙軌道にのせる方法として、空中発射型ロケットによる打上げが進んでいる。 この空中発射ロケットによる打上げを行う代表的な事業者が、米Virgin Orbitである。Virgin Orbit(VO)については、以下にまとめているのでご確認いただきたい。 米国内でロケットの打上げを行う場合、アメリカ連邦航空局Federal Aviation Administration(F

          米FAA型式証明取得の枠組み

          日本のロケット

          日本のロケットの開発について振り返りたいと思います。 ペンシルロケット日本のロケットの先駆者が開発した全長23㎝の極小ロケット 日本のロケット開発の先駆者・糸川英夫が開発したロケットです。半年間のアメリカ生活を終え、1953年に母校東京大学の生産技術研究所でロケットの研究・開発を行いました。ロケットの推進剤には朝鮮戦争時代の火薬を改良しました。また、機体の素材には戦時中の航空機製造用につくられたジェラルミン(アルミニウム合金の一種)が使用されました。1955年4月、日本発

          日本のロケット

          イプシロンロケット

          イプシロンロケットは、日本のIHIエアロスペースが開発・製造する固体ロケットです。「世界一コンパクトな打上げ」という掛け声のもと、運用・設備・機体の打上げシステム全体の改革に取り組んでいます。これまで4機のイプシロンロケットがJAXAの内之浦宇宙空間観測所から打上げられています。 イプシロンロケットの歴史は古く、1954年、日本のロケット開発の父である糸川英夫教授が開発を開始したペンシルロケットにさかのぼります。その後、Λロケット、Μロケット、イプシロンロケットと、伝統を受

          イプシロンロケット

          Virgin Orbit

          Virgin Orbitは、ロケットを空中発射によって地球周回軌道に到達させる米国の民間企業です。 2021年1月中旬、Virgin Orbit社は、米国のロケット企業として地球周回軌道への到達に成功した。空中発射としては初の事例である。 Virgin Orbit社の液体燃料ロケット「LauncherOne」カリフォルニア沖上空で同社が改造したボーイング747機「Cosmic Girl」の翼のから下から発射された。 Virgin Orbit社は、2017年にVirgin

          Virgin Orbit

          スペースワン

          これまで国内のロケットの打ち上げは、JAXAまたは業務委託を受けたMHIのみが許されていました。 スペースワンは、小型衛星の商業宇宙輸送サービスを提供する事業会社として2018年発足されました。このスペースワンは、利便性の高い宇宙輸送サービスということで、契約から打上げまでの「世界最短」、「世界最高頻度」の打ち上げを目指すそうです。株主は、小型衛星の開発・データ販売を行うキャノン電子、固体燃料ロケットの開発にかかわるIHIエアロスペース、大手ゼネコンの清水建設、日本政策投資

          スペースワン

          AIS(船舶自動識別装置)について

          そもそもAISとは? AIS(Automatic Identification System)とは、船舶自動識別装置のことです。船名、位置、針路、船速、行き先などの船舶のデータを船舶同士が自動的に電波で送受信し、周辺船舶の動静を把握するための装置です。船舶の衝突回避などを目的として、一定の船舶への搭載がIMO(国際海事機関)により義務付けられています。 IHIジェットサービス(以下、IJS)は、国内の船舶位置情報サービスの大手企業です。2017年6月、IJSは、AIS衛星

          AIS(船舶自動識別装置)について

          TAAとTSA

          TAA(Technical Assistance Agreement-技術援助契約) 製品や技術開発において、甲が乙に技術支援を行い、乙が甲に対価を支払う。 TSA(Transition Service Agreement-技術サービス契約) 買収後の移行期間中に生じるサービスの提供についての管理方法を決める契約。買い手と売り手間でマネジメントするか規定した契約書。