ロケット打上げ失敗例

固体燃料ロケットの場合、1970年2月に日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げる以前に、軌道投入に4回の失敗を経験しています。その後ミュー(M)ロケットが運用状態に入ってからの失敗は、1976年のCORSA-a、1996年のEXPRRESS、2000年のASTRO-E、の3つが失敗。

液体燃料ロケットでは以下の失敗を経験

1998年2月のH-II5号機(通信放送技術衛星・かけはし(COMETS))
LE-5Aの燃焼が予定より早く停止し、静止トランスファ軌道GTOへ投入に失敗した。衛星のアポジエンジンを利用し軌道上昇させ、準回帰軌道(当初GEOを計画)に投入した。

1999年11月のH-II8号機(ひまわり6号機)
LE-7の液体燃料の供給系にトラブルが発生し、NASDA初の指令破壊コマンドを送信した。
小笠原近海でLE-7を引き上げ原因究明後、インデューサーが高サイクル疲労により破損、燃料供給が停止したことが推力喪失の原因と考えられている。

この事故によりH-IIAロケットはヒューズ社やESAを始めとする顧客の受注を失い、ロケットの商業打ち上げ計画に大きな影響がでた。

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2003年11月H-IIAロケット6号機(情報収取衛星光学2・レーダ2)
SRBのノズルが燃焼ガスにより浸食され穴が開き、高温ガスが周囲に漏れ、爆発ボルトの導爆線を溶断させ、SRBの分離が失敗。第二段エンジン分離・エンジン点火後に指令破壊を行った。JAXA統合直後の打上げ失敗。

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【番外編】2010年5月H-IIAロケット17号機(あかつき・金星探査機)
ロケットによる投入は完了したものの、金星の周回軌道に入る予定であったが、投入マヌーバの最中にメインエンジンが故障し、一時軌道投入に失敗した。2015年再投入の末、金星周回軌道への投入に成功した。

(出典)(出典)【WLP】失敗に学ぶ-泡が機械を破壊- 「H-Ⅱロケット8号機の墜落」

あかつき金星周回軌道投入失敗の原因究明結果を受けた今後の改善事項https://www.jaxa.jp/press/2012/01/20120131_sac_akatsuki.pdf



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