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はじめて娘の髪をきった日

こんにちは。

仕事初めの月も終わりに差しかかり、あっという間に2月ですね。いろんな疲れが溜まってきたのか、夫もわたしも娘も、朝寝坊ぎみ。というより、寒すぎて布団から出られず、寝かしつけの逆で、寝起きの絵本読み聞かせをしてベッドのうえでダラダラ過ごしています。みなさん、ご機嫌いかがですか。

さて、寝ながら絵本を読むときは、必ずわたしの腕枕に頭を預けてくる娘。わたしにとっては至福のスタイルなのだけど、娘の髪の毛が、ちょうどわたしの顔にかかって、くすぐったいというかクシャミを我慢しなければならないのが難点。

髪の毛といえば、実は2歳半ばを過ぎても、娘の髪を切ったことがなかった。前髪だけは、ちょくちょく切っていたのだけど、後ろの髪は、正直どうやって切ればいいのか分からずに伸ばしっぱなし放題。ふんわりニュアンスカールのクセっ毛なので、ボサボサも可愛くみえ、これ幸いという感じだった。

「適当に切ってるよ」と言うママ友、「まあ、適当で大丈夫だよ」と言う美容師、「なんとか適当にしたら?」と言う夫。みんな簡単に『適当』って言うけど、適当に前髪切ったら、いつも失敗してるんやってば。

と、適当に言い訳にしながら、伸ばしっぱなしにしていたのだけど、ついにボサボサ加減が可愛いを通り越した感じになってしまったので、いよいよ切ることにした。

もう、散々言われてきた『適当』を駆使して、マジで適当に切る覚悟。そして、意を決して後ろ髪にザクッと鋏を入れた瞬間。


なんだか、とても感慨深い気持ちが押し寄せてきた。

分娩室で「わぁー、髪の毛フサフサだよー」と助産師さんが教えてくれたこと。フサフサだったのに、枕に擦れて髪が抜け、後頭部が刈り上げみたいになって心配したこと。でもそのあと無事に伸びて、通りすがりのおばあちゃんが、きれいな髪してるねと娘を愛でてくれたこと。はじめて保育園で髪を結んでもらったこと。お風呂の中で、泡アワのちょんまげ頭をつくって大笑いしたこと。


いま、わたしの手の中にある娘の髪の切れ端には、娘が生まれて2年半ちょっとの間に起こったたくさんの出来事が染み込んでいる。そんな思いにかられ、目の前にいる娘も、この髪の切れ端も、すべてが愛おしく思えた。

以前、美容師に娘の髪をどうやって切ろうかと相談したとき、「切った髪を筆にして残す人もいる」と聞き、そんなこと考えもしなかったので、特にやるつもりはなかったけれど、残したくなる気持ちがとても分かった。

と、ひとり感慨に浸っていたら、じっとしていた娘が「もういいー?」とモゾモゾしはじめた。あ、いま動かないで!と言う前に、イスから離れてしまった娘を捕まえて、もう一度鋏を入れる。


これからも、娘の髪を整えるたびに、同じような気持ちになるのだろう。そして、いつしか美容院に通いだし、わたしが髪を整える役目を終える頃には、細くて柔らかな髪に触れるこの瞬間を懐かしく思うのだろう。

はじめて娘の髪をきった日は、子育ての喜びと切なさを肌に触れて感じた日でした。


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