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坂上明大の競馬録

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【GⅠ血統史】2024年大阪杯はロードカナロア産駒ベラジオオペラが優勝!

【GⅠ血統史】2024年大阪杯はロードカナロア産駒ベラジオオペラが優勝!

2017年にGⅡからGⅠへ格上げされた大阪杯。GⅠ昇格後8回目となる2024年はロードカナロア産駒のベラジオオペラが混戦を制した。1957年に「大阪盃競走」の名称で創設された本レースだが、Mr. Prospector父系の勝利は史上初である。

父ロードカナロアは2012、13年スプリンターズS、香港スプリント連覇の偉業を成し遂げた最強スプリンター。その卓越したスピードは短距離5勝の母レディブラッ

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【GⅠ血統史】2024年高松宮記念はトライマイベスト系マッドクールが優勝!

【GⅠ血統史】2024年高松宮記念はトライマイベスト系マッドクールが優勝!

春の芝短距離王決定戦・高松宮記念を制したのはアイルランド産馬のマッドクール。2007年ミドルパークSを制すなど2歳時に9戦4勝を挙げて引退したDark Angelの産駒で、同馬はLethal Force(2013年ダイヤモンドジュビリーS、ジュライC)、Harry Angel(2017年ジュライC、スプリントC)、Battaash(2017年アベイドロンシャン賞、2019、20年ナンソープS、20

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【GⅠ血統史】2024年サウジCは初のNasrullah父系の優勝!キングアブドゥルアジーズ競馬場に合う血統?

【GⅠ血統史】2024年サウジCは初のNasrullah父系の優勝!キングアブドゥルアジーズ競馬場に合う血統?

2020年に第1回が開催され、2022年より国際GⅠ競走となったサウジカップ。第5回を迎えた2024年はアメリカ調教馬・Senor Buscadorが制した。

Senor BuscadorはSeattle Slew→A.P. Indyのラインに属するMineshaft産駒。父はイギリスでデビューを果たし、アメリカ移籍後にGⅠ4勝を挙げて2003年北米年度代表馬に輝いたA.P. Indyの代表産駒

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【GⅠ血統史】2024年フェブラリーSは5年ぶりの内国産馬・ペプチドナイルが優勝!

【GⅠ血統史】2024年フェブラリーSは5年ぶりの内国産馬・ペプチドナイルが優勝!

日本競馬の2024年最初のGⅠ馬に輝いたのはキングカメハメハ産駒のペプチドナイル。キングカメハメハ産駒のフェブラリーS制覇は初めてだが、Kingmambo父系としては昨年のレモンポップ(父Lemon Drop Kid)に続き2年連続のフェブラリーS制覇となった。

キングカメハメハは2019年に亡くなっており、現5歳世代がラストクロップ。5歳世代には2022年秋華賞馬スタニングローズなどがいるが、

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キズナ産駒の高打率配合パターン、ダート黄金配合にヘニーヒューズが加わる日

キズナ産駒の高打率配合パターン、ダート黄金配合にヘニーヒューズが加わる日

本記事では、YouTubeメンバーシップやnoteで推奨したクラブ馬のデビュー後の活躍を振り返りながら、種牡馬傾向などをまとめております。

グランベルナデット(2歳未勝利 中山芝2000m)

<推奨理由>
母ラブリーベルナデットは北米の芝8.5F重賞を3勝した活躍馬。本馬は初仔の牝馬だが、馬格に恵まれ身体も良く動く。半弟は当歳セレクトセールで2億円の値を付けており、母の繁殖牝馬としての評価も高

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Danzig系屈指のトニービン適性、「フジキセキ+Deputy Minister」の適性変化

Danzig系屈指のトニービン適性、「フジキセキ+Deputy Minister」の適性変化

本記事では、YouTubeメンバーシップやnoteで推奨したクラブ馬のデビュー後の活躍を振り返りながら、種牡馬傾向などをまとめております。

グランデスフィーダ(2歳未勝利 中京ダ1800m)

<推奨理由>
母シスタリーラヴは北米GⅢ2勝馬で、母としては3頭の産駒からダノンアレー(20年毎日杯3着)やディープモンスター(21年すみれS)を出している。本馬は父がドゥラメンテに替わったが、トニービン

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キタサンブラック&エピファネイアの配合のツボ、モーリス産駒の爆発タイミング

キタサンブラック&エピファネイアの配合のツボ、モーリス産駒の爆発タイミング

本記事では、YouTubeメンバーシップやnoteで推奨したクラブ馬のデビュー後の活躍を振り返りながら、種牡馬傾向などをまとめております。

キングズレイン(百日草特別 東京芝2000m)

<推奨理由>
4代母Luv Luvin'に遡る欧州の名牝系であり、母母リッスンは07年フィリーズマイル、母タッチングスピーチは15年ローズSを制した。Nureyev≒Sadler's Wellsという急所は押

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ダート黄金配合「フジキセキ+Deputy Minister」の後継種牡馬での効果

ダート黄金配合「フジキセキ+Deputy Minister」の後継種牡馬での効果

本記事では、YouTubeメンバーシップやnoteで推奨したクラブ馬のデビュー後の活躍を振り返りながら、種牡馬傾向などをまとめております。

ビターゼノビア(2歳新馬 東京ダ1600m)

<推奨理由>
母ビタースウィートはJRAで3勝を挙げたダート中距離馬。繁殖牝馬としても2勝馬サトノフォース、プリンシパルS勝ち馬ビターエンダーと仔出しが良く、本馬もヘニーヒューズを父に雄大な馬体を誇る。ヘネシー

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ハーツクライ→ジャスタウェイの成功パターンを整理する

ハーツクライ→ジャスタウェイの成功パターンを整理する

本記事では、YouTubeメンバーシップやnoteで推奨したクラブ馬のデビュー後の活躍を振り返りながら、種牡馬傾向などをまとめております。

ネビュルーズ(2歳新馬 中山芝2000m)

<推奨理由>
5代母Margarethenに遡る世界的名牝系で、Doff the Derbyのラインはディーマジェスティやタワーオブロンドンが出るなど日本でも繁栄を見せている。母スターズアンドクラウズは4戦1勝の

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新種牡馬ビーチパトロールの特徴、Mill ReefとRivermanの違い

新種牡馬ビーチパトロールの特徴、Mill ReefとRivermanの違い

本記事では、YouTubeメンバーシップやnoteで推奨したクラブ馬のデビュー後の活躍を振り返りながら、種牡馬傾向などをまとめております。

ブラストウェーブ(2歳新馬 函館芝1800m)

<推奨理由>
母ツルマルワンピースはトライマイベスト≒El Gran Senorの4×3やGraustarkの6×4などパワーに秀でた繁殖牝馬で、本馬の全兄ブラストワンピースは重戦車のような馬力を武器に18年

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グラスワンダー系とキングカメハメハ系のバイアスについて考える

グラスワンダー系とキングカメハメハ系のバイアスについて考える

本記事では、YouTubeメンバーシップやnoteで推奨したクラブ馬のデビュー後の活躍を振り返りながら、種牡馬傾向などをまとめております。

ノッキングポイント(2歳新馬 東京芝1600m)

<推奨理由>
母チェッキーノは16年オークス2着馬であり、全兄には13年皐月賞3着馬コディーノなどがいる良血。Forliの6×4を中心としたHyperionとLady Jurorの粘着力は実に素晴らしく、本

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【新種牡馬研究】レッドファルクス

【新種牡馬研究】レッドファルクス

スウェプトオーヴァーボード産駒の万能スプリンター母母レガシーオブストレングスは社台ファームがアメリカから輸入した繁殖牝馬で、その仔にはレガシーオブゼルダ(1990年京成杯3歳S2着)、サイレントハピネス(1995年サンスポ4歳牝馬特別、ローズS)、スティンガー(1998年阪神3歳牝馬S)、アーバニティ(2009年オーシャンS)など活躍馬が多数。さらに、同牝系は世代を経ても活躍馬を出し続けており、フ

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【新種牡馬研究】マインドユアビスケッツ

【新種牡馬研究】マインドユアビスケッツ

ドバイGSを連覇したダートスプリンター7代母Iron Maiden(1947年デルマーH)に遡る北米牝系。母は不出走馬で、繁殖牝馬としても本馬以外には活躍馬を出せていないが、Good Example≒War Relic≒Eight Thirtyなどのパワー血脈を豊富に持つ反面、Nasrullah≒Royal ChargerなどのMumtaz Mahal血脈も多数併せ持つ点が特徴的。

父Posse

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【新種牡馬研究】サトノダイヤモンド

【新種牡馬研究】サトノダイヤモンド

名牝マルペンサが残した傑作母マルペンサは2010年アルゼンチン銀杯、2011年フィルベルトレレナ大賞、クリアドレス大賞という芝とダートの2000mGⅠを制したアルゼンチンの名牝。その父OrpenはAlmahmoud→Natalma牝系であり、3代父Northern DancerもNatalmaの仔。さらに、母父父HaloもCosmahを経由したAlmahmoud牝系であり、Orpen自身はAlma

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