経営（組織・手法・戦略など）のイノベーションの実例を
ひとつ簡単に記述しなさい。
また、なぜそれがイノベーションと呼べるのか、
その要素を列挙しなさい。

解答例

経営におけるイノベーションの例として、トヨタの生産方式（トヨタ式）が挙げられる。これは、ムダの徹底排除の思想と造り方の合理性を追い求め、生産全般でその思想を貫き、システム化した生産方式である。

「トヨタ式」がイノベーションと呼ばれるのには主に2つの要素が関係していると考える。それは、
・「自働化」
・ジャストインタイム方式
の2つである。

「自働化」とは、手作業に現れる匠の技能を磨き続けると同時に、その匠ならではの「コツ・カン」を機械に織り込んでいくことを通じて、生産工程の簡単化を日々進めていくことである。日々の改善によって、不良品を「生まない」生産ラインに近づくと言えよう。

ジャストインタイム方式とは、必要なものを必要なときに必要なだけ作る生産方式のことである。生産工程の連携をうまく機能させることによって、在庫のコスト低減につながる。

主にこれら2つの要素から成る、「トヨタ式」は世界で最も短い時間で効率よく生産できる方法であるとして、広く認められている。それを証拠に、製造業のみならず多くの企業でこの「トヨタ式」が採用されている。

生産工程におけるアイデアが新しいだけでなく、広く社会に影響を与えているので、この経営手法はマネジメントにおけるイノベーションであると言える。