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#026 休日・休暇・休業・休職の違い

1. はじめに

お疲れ様です!なべパパです。

最近は給与計算について情報を整理しています。
前回までに、給与計算の基本骨格となる、基本給や割増賃金のお話を整理してきました。

前回は"休日労働手当"というテーマでしたが、仕事を休むという意味で、その他に、「休業」や「休暇」、「休職」といった言葉がありますが、その違いについて聞かれたら説明できますでしょうか?

聞かれると、何が違うんだろー??(汗)

そう思われた方に向けて今回は、"休日・休暇・休業・休職の違い"に関する情報について整理していこうと思います。

この記事を読み終わった後には、

  • 休日・休暇・休業・休職の定義

  • 休日・休暇・休業・休職の違い

の概要についてわかるようになります。

では行きましょう!


2. 労働基準法における"休日・休暇・休業・休職"

まずは、関連法規について押さえておきましょう。

(休日)
<労働基準法>
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

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「休暇」とは何か?を明確に規定しているものは見当たりませんでしたが、そのうちの一つとして、「年次有給休暇」についての規定は以下の通りです。

(年次有給休暇)
<労働基準法>
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

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「休業」とは何か?を明確に規定しているものは見当たりませんでしたが、「休業手当の支払義務」についての規定は以下の通りです。

(休業手当)
<労働基準法>
第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

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「休職」については、労働基準法や労働契約法には規定がありませんでした。

以上が法的な抜粋になります。
では、中身について理解を深めていきましょう。

3. "休日労働手当"のポイント

3.1 休日とは?

休日とは、就業規則や雇用契約書で「もともと休みとされている日」を指します。

一般的な会社では「土日祝」が当てはまるでしょう。シフト制の勤務の場合は、シフト表で休みとされた日が休日となります。

休日は、「もともと休み」なので、年次有給休暇の取得対象日にはなりません。退職時の有給消化でも、休日は飛ばして残日数消化をすることになります。

会社が休日に休日出勤命令を出した場合には、「もともと休み」の日を返上するわけですから、法令や就業規則の定めに則り、休日労働手当が発生します。

3.2 休暇とは?

休暇は、就業規則や雇用契約書で「働く必要がある日」とされているものの、従業員の申請により、労働の義務が免除される日です。後述する休業と比べ、短期間のスポット的な休み方が想定されます。

休暇には、労働基準法などで義務付けられた法定の休暇と、会社が就業規則などで福利厚生的に定める法定外の休暇があります。

●法定の休暇の代表例
年次有給休暇、子の看護休暇、生理休暇、裁判員休暇
●法定外の休暇の代表例(会社による)
慶弔休暇(「特別休暇」)、バースデー休暇、転勤休暇
※年次有給休暇以外の休暇が有給か無給かは会社のルールによります。

3.3 休業とは?

休業とは、会社との労働契約を継続したまま業務を行わないことです。労働者には働く意思があるものの、何らかの事情により働くことができない状況と解釈されます。

●会社側の責任による休業(休業手当あり)
・工場設備の故障により生産活動が行えない
・業績不振により従業員に行わせる仕事が無い など

●不可抗力による休業(休業手当なし)
・地震や洪水などの自然災害により業務が行えない など

●従業員からの申請による休業(休業手当ないが、雇用保険等で補償の場合もある)
・育児休業
・介護休業 など

3.4休職とは?

休職とは、労働者が業務に従事するにあたり不適当な事由が生じた場合に、労働契約関係を維持しながら業務への従事を停止させることです。

●休職の事由(基本は無給)
・業務外の事故や病気による長期欠勤
・刑事訴追された場合
・他社への出向期間中 など
前職では、私傷病休職・自己都合休職・社命休職・その他の休職を設定していました。

休職について特に法律の定めはありませんが、会社で休職の制度を設ける場合は就業規則や労働協約などで定めなければなりません。休職事由や期間、休職期間中の取り扱い、復職復帰後のことなどを明記します。労働契約を結ぶ際は、労働者に「休職に関する事項」を明示することが必要です(相対的必要記載事項)。

4. まとめ

・休日とは、就業規則や雇用契約書で「もともと休みとされている日」であり、労働の義務がない点で他の休暇・休業・休職とは異なります。

・休暇は、労働義務が発生する日に対して、従業員の申請により労働の義務が免除される日のことです。

・休業と休職は、労働契約関係を維持しながら休むという点が共通していますが、休業では有給、休職では無給となる場合が多い。
(休業では労働者には働く意思はあるが、何らかの事情により働くことができないために有給となる場合が多く、休職では労働者が従事する上で不適当な事由が生じたことにより業務への従事を停止するため無給となる場合が多い。)

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