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『グッバイ・シングル(2018)』を観ました。

女優のキム・ヘス姉さんに夢中になってしまいました。
私がキム・ヘス姉さんをはじめて見た作品『コインロッカーの女(2015)』)では、裏世界のボス的な極悪非道で冷酷無情な役でしたが、今作では元トップ女優だったが、今は落ち目の崖っぷちな女優さん役なのでした。

私は笑えるコメディと思って観はじめました。
子供を欲しいと思った女優ジュヨン(キム・ヘス姉さん)が病院で、中絶を考えて病院に来ていた中学生3年の少女(キム・ヒョンス)と出会って、お話は転がり始めます。
中絶しようとした少女の産む子供を、落ち目の女優が育てる約束をします。普通では考えられない展開ですが、韓国では国民的女優のキム・ヘス姉さんの、ちょっと現実離れしている突飛(とっぴ)な言動で笑わせつつ、観客をお話に惹きつけてくれます。

出演する少女役のキム・ヒョンスさんは、『トガニ 幼き瞳の告発(2012)』で聴覚障害のある生徒を演じていました。迫力ある体格で笑顔がかわいいマ・ドンソクさん(『犯罪都市』シリーズ)は、女優ジュヨンの専属のスタイリスト兼マネージャー役でエプロン姿が似合っています。

最初はコメディではじまり、笑わせながらもしっかり内容があるお話をみせて、後半になると展開に手に汗握り、気がついたら泣いてしまっているような、よくできた人情喜劇なのでした。

だいたい映画を見ていると「多分オチはこんな感じになるんだろうな」などと勝手に予想してしまいますが、私の予想なんかは軽く越えてくれて、後半はキム・ヘス姉さんの言葉や動きから目が離せなかったです。
好きな演者さんがいい演技をして、お話がよく出来ている作品に出会えると、本当に心から幸せを感じます。

作品タイトルの『グッバイ・シングル』ですが、この『シングル=ひとり』っていうのは2つあるように思いました。女優ジュヨンが周りの人なんかより、自分のことしか考えないという『独り』っていうのがあって、若く妊娠してしまった少女が周りから見放され『一人』ぼっちになるというのがあります。
「なんだか私ってひとりだなあ」なんてこの頃感じたりなんかしている方には、特に今作はおすすめです。最後まで見終わったら、きっと元気が湧いてくるんではないかと思います。

他の作品のキム・ヘス姉さんを観たい人は、プライムなら1997年に韓国を襲った国家破産の危機を描いた『国家が破産する日(2018)』。バイオレンスな殺し合いがOKな方なら『修羅の華(2018)』(←※ R15+ 残虐なシーンや性的描写があるので15歳未満は見てはいけない)。
Netflixなら青少年犯罪の法廷ものの『未成年裁判(2022)』
U-NEXTなら日本の連続テレビドラマ『ハケンの品格』のリメイクの『オフィスの女王(2013)』、アクションエンターテイメント娯楽作品の『10人の泥棒たち(2012)』。(※以上すべて2023年現在)
この並びを見れば、全然違うタイプの役に挑戦しているのがわかると思います。

私も順番に見ていきますが、尊敬するキム・ヘス姉さんのことだから、きっとどの作品もいい仕事をしてると思います。


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