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チームのパフォーマンスを上げるには

みなさん、こんな経験はないでしょうか。よくわからない案件が上から(上司またはさらに上の上司)ふってくること。



背景も聞かされず、とにかく目標数値だけを達成してほしいような落とす仕事。そもそも「なぜするのか」や「なぜ必要なのか」など意味を問うことはブラックボックス化。おとされた個人や部署にとってモチベーションが湧かないことは容易に想像できる。けれど「組織」というルールによって取り組まなければいけない。いやいやと取り組み出す、なんてことがあるのではないでしょうか。


例えば、会社であれば企画系の部署が企画したものが、オペレーションする部署に落とす。その落とすプロセスで「意味」は抜け落ち「してほしい」だけがパスされる。場合によっては、そのまましかるべきだれかに委託、みたいな感じもあったりもする。誰がどう見ても、パフォーマンスだだ下がり典型コース(企画or上→現場)




では、逆に。
パフォーマンスは、どういうふうに上がるのか?



ってことを今回のnoteでは書きます。自分的には、ベースとなる根拠もおりまぜてお役に立てるように。また、アカデミックの領域で語られていることでもあるけど、どこまでがどの程度っていうことは更なる研究の余白もあるってことは念頭に入れながら読んでほしい。



チームパフォーマンスモデル





さて、チームがどのようにパフォーマンスを上げるのかモデル化した考え方がる。DrexlerとSibbet(カタカナ読みがわからない。)によるteam performance modelだ。このモデルによると、チームがパフォーマンスを発揮するときには7つの段階がある。一個ずつプロセスするというよりも、現実的には重なってたり、行ったり来たりがある。


Team Performance Model by Drexler/ Sibbet

7つの段階はこちら

1・Why am I here? 
2・Who are you?
3・What are we doing?
4・How will it be done?
5・Implementation
6・High performance
7・Renewal

一個ずつ説明すると、


1・Why am I here? 
オリエンテーション:目的と意図、 そもそもの私たちの使命や成功のイメージは何なのか。なぜ私はここにいるのか?

2・Who are you?(信頼構築)
私たちは誰と働いているのか?一緒に働いている人はどのような人なのか?どんなスキルやコンピテンシー、価値観を持っているのか?

3・What are we doing?(目標の明確化)
取り組むプロジェクト、製品、会社の背景にあるものは?私たちの目標は何か?前提条件は何か?制約条件は?大きな使命や成功のイメージから見た、今回のプロジェクトや製品の目標や役割は何か?

4・How will it be done?(どのようにするのか。)
私たちはどのように協力していくのか?タイムラインはあるか?予算は?リソースは?オンライン?オフライン?

5・Implementation(実行すること)
誰が、何を、いつまでに、どこで?作業を開始するための詳細を把握すること。※ほとんどのチームは、チーム作りのステップを飛ばしてここに直行し、その後、失速。

6・High performance(ハイパフォーマンス)
この状態では、チームは一丸となって働き、ほとんど指示を必要とせず、お互いを尊重し、サポートし合い、共通の目標を達成することに集中。

7・Renewal(リニューアル)
なぜ続けるのか?物事や環境が変化していったときに、チームの構成、環境、目的のいずれにおいても、過去にうまくいったことが将来もさらに成功をもたらすのか、それとも再びグループ化して循環させる必要があるのか、常に問い、変化させてく機会をつくる。
→1へのくりかえし。


面白いのが「何をするか」は5番目のプロセスにあるということ。一見、仕事には関係ないよ、という人がいいそうな1~4をしっかりと踏んでるっていうこと。そういえば、パフォーマンスだだ下がり典型コースは、やっぱり「DO」から考えさせられるところからスタートしてる。


そりゃそうだよね、という印象もモデルだけど、こういうふうにちゃんと研究してる人もいる。


1〜4のステップをちゃんとプロセスすることの可能性。



この1〜4のプロセスってだいたい組織ではすっ飛ばしたり、決める権限を持っているところだけが味わっていたり、または、非公式(飲み会)などで共有されることも多いことだと予想している。それに、1~4のステップが仕事と何の関係があるの?面倒くさいじゃんっていう人も一定数いると思う。ここってDOするよりも、チームや個人の在り方であるBEを問うところだから。


けど、自分はこのプロセスをちゃんと経ることでパフォーマンスが上がると思うんです。研究でもそういってるし、実感値としても思う。プロジェクト実行前にファシリテーターが入ったら、パフォーマンスが爆上がりするんじゃないかって思っちゃうよね。ここをコネコネできたら、いいな。エビデンスはもっとある。例えばチーム内で共有しているメンタルモデルがあるとパフォーマンスが上がるっていう研究もあったりする。(shared mental model)



されど、現実的な問題


予算つかない問題
この部分に時間を使ったり、ちゃんと公式的なところで認知されていくことが進んでいったらいいんじゃないかなって思う反面、現実的には、予算がつくっていうことがだまだなところがあるんじゃないかな。
みんな「実行すること」が大事って誰しもがわかっているし、委託っていう社会的地位が確立されていて、業務仕様に書かれていることを忠実にこなし、打ち返す。その世界観があるから、「プロ」という世界線があるし、技術やメンタリティも向上していって、また「実行」の価値が上がっていく。だから、実行前にお金を使うより、実行にお金を使うよね。


エビデンスが不足問題
先ほどの研究など、実行前をプロセスすることでパフォーマンスが上がるっていうことのエビデンスがもっともっと共有され、みんなの共有知になる必要があると思う。実行前に介入することでのパフォーマンス差が同じ組織や個人だと比べられるのがむずかしいのは確かだけれど、おそらくこういった業界?に関わる人たちが積極的にデータを共有していった方がいいんじゃないかな〜と個人的に思っている。


それでも世の中に1on1を導入する流れもあるし、実行する以前のことに関わるコーチングやカウセリング、きくの領域にいるひとたちでファクトやサイエンスをシェアしていきたい。


え、もうしてるって?


ぜひ教えてください〜!



※ちなみに英語の論文はちょっと、、っていう人には、チーム・ファシリテーションが内容的にチームパフォーマンスモデルを参考にしてると思われますので、内容に関心がある方はチェックしてみてください。


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