見出し画像

やってはいけない中高生への学習指導3点

①「悪い点数」に対して罰を与える・叱る

 子どものテストの点数が悪いと大人(教師・保護者)はそれを叱りがちです。さらに、叱っても効果がないとそれに対して罰を加えることによって子供の勉強を促そうとします。例えば、教師なら「テストで何点以下なら放課後補習」、保護者なら「テストで何点以下ならお小遣い減額」のような措置です。これによって一時的には効果があるかもしれませんが、長期的にみると悪影響でしかありません。なぜなら子どもはこれをペナルティーと受け取って、ペナルティーを回避するための勉強をするようになってしまうからです。このような「ネガティブモチベーション」には限界があります。ペナルティーを回避できる基準までしか勉強しなくなり、その科目を好きになったり、より上を目指そうというよな姿勢は生まれません。
 
 学力向上の本質は「あーそうなんだ!」といった新たな発見や好奇心、または「こうやったら出来るようになった!」といった自己効力感です。教師や親は子どものやる気は強制できません。大人は子どもに学習するきっかけや環境を与えて、あとは待つのみです。そして、子どものやる気が芽生え始めたタイミングを逃さず、子どもを応援してあげましょう。

 応援するときに意識したいのは結果より、子どもの努力を認めてあげることです。大人から見れば大した結果に見えなくとも、本人なりに努力したことで得られた結果が多くあります。子どもの努力が認められる場合に結果はどうであれ「よく努力したね」と現状を評価してあげましょう。そうすれば、子どもはさらに努力することに前向きになることが出来ます。結果はそのうち付いてくるものだと思って大人が余裕をもって子どもの努力を認めてあげることが大切ですね。

②兄弟・姉妹、他人と比較する

 皆さんも子どもの「お兄ちゃんは勉強できるのにね」とか「〇〇君は勉強も運動も出来ていいわね」などのことを言われて嫌な思いしたことありまえんか?「己の欲せざる所は人に施す勿れ」です。比較することで子どもに「なにくそ!」という反骨心を期待しているのかもしれませんが、基本的に比較されたところで自己肯定感が下がるだけです。学習能力や置かれた状況は、自分は自分・他人は他人です。比較したところで何の解決策にもなりません。大人はその子個人が置かれている状況に向き合って、相談に乗ってあげましょう。

③子どもにラベリング(レッテル張り)する

 ラベリングとは例えば「この子は数学が出来ない」とか「この子は文系だな」とかレッテルを勝手に貼ってしまうことです。大人のネガティブなラベリングは子どもの成長可能性を奪ってしまいます。やればできる可能性があるのに子ども自身も「自分はこれはできないんだ(苦手なんだ)」と思い込んで、努力する前から努力しないようになってしまいます。もちろん、「お前は馬鹿だ」などの人格を否定するような言葉がけも言語道断です。
 大人は成長とともに子供は変化するものだという認識を持ちましょう。現在子どもが苦手なもの、つまづいているものも、ひょっとしたきっかけで得意になったりするものです。とにかく重要なのは大人が勝手に子どもの将来の可能性を判断せず、子どもを応援してあげることです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?