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【世界は経営でできている】


とても面白い本でした。
『令和冷笑系文体』な本です。
読み進めると『令和冷笑系』という言葉に納得します。
本を読んでいる途中で何度くすっと笑ったことか…

風刺が効いていてユーモアがあってそして本質的。

本によると本来の経営とは
『「価値創造(=他者と自分を同時に幸せにすること)という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること』とのこと。

つまり概念の下ではすべての人が人生を経営する当時者。なぜなら幸せを求めない人も生まれてから死ぬまで誰とも関わらない人もいないから、と書いてあります。
だから誰かを犠牲にしたり自分を犠牲にすることはどちらも「論理的」に間違っているそうです。

はじめににこの本の主張が書いてあります。
1 本当は誰もが人生を経営しているのにそれに気付く人は少ない。
2 誤った経営概念によって人生に不条理と不合理がもたらされ続けている。
3 誰もが本来の経営概念に立ち返らないと個人も社会も豊かになれない。

本には家庭、仕事、恋愛、勉強、歴史、芸術、虚栄、心労、健康、就活など人生の構成要素ともいえる15個のカテゴリーごとに『経営』について書いてあります。
「〇〇は経営でできている」とタイトルがあり、それぞれ経営視点に立った場合にどう経営すればうまくいくのかが書いてあります。

説題がこれまた面白い。
・日はまた暮れる
・若きノットウェルテールの悩み
・亡国志
・注文の多い小料理店

パロディというかメタファーというか。


本のメッセージの一つに価値を有限なものだととらえず作り出せるものと考える、というものがありました。
価値有限思考から価値無限思考への転換です。
価値を奪い合うのではなく創り出す、ということです。
価値創造です。
人は価値を創造して共同体全体のしあわせを実現する、『経営人』だと書いてありました。

あるものを奪い合う社会ではなく価値を作り出していく社会へ。成熟した社会です。
具体的に何をどうするか、なかなかアイディアが湧きませんがまずは『価値は有限なものではなく無限に創り出せるもの』というスタンスでいるところからはじめたいと思います。

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