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桜と野球少年


朝の散歩道には、小学校・中学校・運動公園などがある。
桜もたくさん植えてあり、この時期は家族や犬と散歩する人が増える。今朝も早い時間から、いつもより多めの人とすれ違う。桜が咲くと呼ばれる様な気がして歩きたくなるのは、私だけではないみたいだ。

小学校の校庭にある
七分咲きのソメイヨシノ


日曜の7時半、小学校の校庭に野球少年がいた。鼻歌を歌いながらみんなのヘルメットを磨いていた。練習用のユニホームを着て、バットが入った大きなリュックを背負い、自転車で私を追い越して行く少年たち。練習開始時間は8時だと思う。けれど、誰よりも早く練習場に来て、グランドなどの整備をする。きっと朝から体も頭の中も野球一色で、朝ごはんを急いで飲み込み、飛び出して来たのだろう。大リーグで活躍する選手たちも、小学生の頃は同じ様に夢中で野球をしていたに違いない。


小学校の少し先に野球場が2つある。
そこにもたくさんの桜の木があり、今年の咲き具合を見に行った。

桜に囲まれた野球場

「パシンッ、パシンッ」
野球場から、リズムの良いキャッチボールの音が聞こえてくる。無駄のないこの音は高校生以上だな?と思って近づくと、20歳以上の大人たち。ちょっとお腹が出ている人もいる。お揃いのユニホームを着てウォーミングアップ中だった。隣の球場からも同じ音が聞こえてくるということは、これから草野球チームの親善試合だろう。

この大人たちも小学生のころ、夢中で野球をしていたのだろう。大人になっても野球を楽しんでいるって素敵だなぁと思う。勝ち負けよりも、試合をする相手がいる喜び、青空の下でボールを投げ合える心地よさを感じているに違いない。

野球場の桜は満開

子供の頃、苦しい練習をして、悔しい思いをたくさんして、スポーツを嫌いになった人も多い。
一昔前のスポーツは、根性を鍛える・礼儀作法を叩き込まれる・体罰など、厳しく辛いことが多かった。スポーツとは、体を動かす喜びや、仲間と分かち合える時間が大切なのだと、最近になって広まって来た。校庭にいた少年たちにも、野球場にいる大人たちのように、野球を思う存分楽しんでもらいたいと願う。
大人になってもスポーツを楽しむ心を持ち続けたいと、桜を見ながら思った。


『リズムよくキャッチボール音鳴らす 永遠の野球少年団』

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