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「シン・ジブン主義」への目醒め

今回は【シン・ジブン主義】の背景について、仕事に寄せた自己紹介をもう少し掘り下げながら進めていきます。引き続きお付き合いください。



ミドルシニアの転職市場の実際

私は2012年を最後に「雇われる」仕事を辞めました。当時は役員だったので社会的には「雇う」側でしたが、企業で選任されての状態は「雇われる」側とさほど変わらなかったように思います。

約10年在籍した企業グループを離れ、久しぶりの転職。勝手がわからないこともあって周囲に進められるがまま転職エージェントに登録し、面談やメールでのやりとりを始めました。

「これまでとは他の業界で仕事をしたい」
「職種は拘らない」
「役職はいらない」
「報酬は提示をもとに相談する」

贅沢は言わないというスタンスで臨む私に、エージェントの方々からは異口同音に失笑気味のこんな言葉が返ってきました。

35歳の壁は本当にあった!

・業界や職種を変えるチャレンジ転職は35歳まで
・従って紹介できるのは同業界のみ
・何ができるのか見えない
・役員をした女性を雇おうという企業は皆無
・転職4社以上は書類選考で通りません

私の実力やキャリアが弱いという一面があるのは理解します。しかし仕事対応力の前に

年齢でアウト!
過去の経歴でアウト!
性別でアウト!
転職回数でアウト!

「若くたってやる気のない人、学ぶ気のない人はいますよ!」
「イノベーションが大事っていうなら同業界じゃない人を採用して、社内でその知見と掛け合わせた方が、面白い展開が期待できるんじゃないですか?」
「私、その異質な人と人を結び付けるのが得意なんですよ!」

こう言ったところで、負け犬の遠吠え。
面接の呼び声もなく自分はオワコンなのか…と失望感に包まれる日々でした。結局いくつか面接に進んだものの、この流れでのご縁はなくズルズルっと3度目のフリーランスになりました。

このタイミングでご縁がなかったからこそ、今に続くキャリア(道)があるわけで、その点においては全く肯定的な過去の一件です。でも、ご縁がなかった要因は、年齢や性別、転職回数や経歴だけではなかったように、現在では感じています。


転職市場で売れなかった理由(自己分析)

結論から言えばこの3つではないかと考えています。

1.自分のキャリアを表現できない
2.やりたいことがない
3.自分に自信がない


前回書いたように、「ピン!」ときた興味や、関心のあることに向き合うタイプの(ある意味)全力投球のキャリアです。「面白そう」「やってみたい(やれそう)」と思ったところに身を投じてきたといっても過言ではありません。

未経験でよくやったなぁと思えるのは、2社目の食品小売店運営。店内で販売するお弁当の企画に試作、商品構成の調整、販売品の受発注、スタッフ教育にレジ対応。朝7時過ぎに店舗に入ってビルの閉館25時半まで動き回っていました。

もうひとつは、10社目のメディアコンテンツ事業。6~8社目では研修や
企業の風土改革という人材育成や組織開発等に関わる仕事をしてきた後の転職で、初の管理職。iモード旋風が吹き荒れる10年くらいのあいだにモバイル、web、コンソールゲームや放送事業に関わりました。

都度、全くの畑違いと言えるほど仕事は業界を超え、職種も異次元。仕事の流れや、時に法律の知識専門用語を吸収しながら急速なキャッチアップをして仕事をしてきました。しかし、です。転職市場に立ったミドルシニアは全くの無力でした。


自分の長期キャリア展望を描くことなく生きてきたこと。履歴書や経歴書を書いても自分のことを真に振り返るなどしてこなかったこと。過去の数々の転職がどんな数珠つなぎになっているか、ありたい自分のキャリアと結び付けてどうしたいのかを言語化することができずにいました。その数珠がプツッと自分の意志ではないタイミングで切れた時、どんな糸で繋ぎ直したらいいのかわかっていませんでした。


初めて転職の多いキャリアを少し後悔しましたが、時すでに遅し。自分のキャリアのハンドルを持ったまま行き先を見つけることができず、アクセルを踏みながらも進むことができず、空吹かしをするしかありませんでした。こんな状況下で自分に自信を持てるはずもありません。

“求められない自分”
“やりたいことが見つからない自分”
“誰の役にも立たない自分”

毎日こんな思いがグルグル巡り気持ちを押し下げていきます。「あなたは何でもできるじゃない、羨ましいわ」と言われても、「何でもできるは何にもできないっていう意味で非難しているんだ」と被害妄想を持ったり、自分が興味ある分野で活躍している人を見ては羨ましく思ったり、自分の状況と見比べてさらに落ち込んでいくことが続きました。そんな状況で採用したい企業はないでしょう。反対の立場ならそう思います。

ミドルシニアに至るまでいろいろやってきた割に「過去は語れても現在の自分と未来の自分(ビジョン)が語れない」。私は”キャリアのハンドル”を
自分で持っていると考えていました。転職するメンタルを持てているのも
それが理由の一つだと考えていましたが、微妙に違っていたように思います。ちょっと運がよくて好きなことへの引きが強かった<時>があっただけ。あくまでも個人の振り返りでしかありませんが今、思うこと。

長期ビジョンを持つべき持たねばならないとは言わないが、考え続けることは大事。それをクリアにするには要素を集めるアンテナの自覚が必要。それは「ありたい人生のための自分の軸」とも言える大切なもの。今回それを【シン・ジブン主義】と名づけました。

・自分の望むことを知ること
・望むように生きるメンタルを整えること
・叶えるように仕向けること

次回は【シン・ジブン主義】の成分についてお伝えしたいと思います。

(注)webサイトに過去の転職歴を貼り付けています。
ご興味のある方はご笑覧ください。


ユニキャリア
岡田 慶子(オカダ ケイコ)

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