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生まれて初めてお母さんと離れる

子離れ、親離れ

”Mommy, I need you!" 
もうすぐ4歳になる男の子が、滑り台の後ろに隠れて大声で泣いています。

新学年が始まりました。生まれて初めてママから離れて知らないおばちゃんに保育される初日。
C君のお母さんが、「今楽しそうにしているので、そ〜と出ていきますね」と私にいうので、「それじゃ、お母さんはいいかもしれないけれど、彼が可哀想ですよ。離れる時には、『じゃあね、〇〇したら戻ってくるからね』としっかり目を見て言っていかないと、『信頼』が築けないじゃないですか。」
私がそう言ったので、お母さんは思い切りがつかなくて、3日間一緒に過ごしました。そして4日目、ようやくお母さんの覚悟ができて、預けていくことになったのでした。

最初の1週間は慣らし保育なので、保護者の方は気がすむまで一緒に参加して良いことにしています。といっても、それじゃあキリがないからと、ある程度の時間が経ったら一人二人と、お母さんたちは、「バイバイ」といって後ろ髪引かれる思いで、預けていかれます。(泣いちゃうので最初の週はサングラスをかけてくるお母さんが多いです)

初日は平気でも、数日経って淋しさがじわじわしてくる子、初日から大泣きの子など、さまざま。
2年目の子供たちは「あ〜、去年僕も泣いたよ」とか「大丈夫だよ、ママはお昼ご飯食べ終わったら迎えにくるからね」と泣いてるこの頭を撫でていたりして、余裕です。
「去年、3ヶ月ぐらい毎朝泣いてなかったけ?あなた」とか、心の中で思うんですが、本当に子どもたちの成長ぶりを見ていると、私もしっかりしようと励まされます。

とりわけ、繊細さんでしかも妹や弟が生まれたお家のお子さんは、ママ離れに苦労します。だって、「妹はお母さんと一緒にズ〜といられて、なんで僕だけ離れなきゃいけないの!」と思うと悲しくなります。

信頼関係を築いていく

さっきの泣いていたC君です。
「おやつの時間ですよ。一緒に食べようよ。」と誘いにいきますが、首を振って「食べない」という返事。
「わかった。じゃあ、今日ミスけーこは、『君のやりたくないことはやらなくていい日。”見学の日”』にするから、参加したくなったらおいでよ。いつでも待っているからね。来週は、見学じゃなくてもいいかもね」といって、彼から距離を置いて見守ります。
今の段階では、私への信頼でゼロなので、彼の信頼を得られるまでは我慢です。お昼ご飯までには、近づいてきて一緒にお昼を食べる子もいますし、4日ぐらいかかる子もいます。

おやつの時間

距離をおいて、こころを近づける

C君は自由遊びの時間には、数人の子たちと一緒に砂場で遊びはじめて、笑顔がたくさん見えました。結局お昼ご飯も一緒に食べなかったのですが、5メートルの距離まで近づいてきて始終様子を見て、お帰り前のサークルの椅子には一番に座ってみんなと一緒にさよならの歌を歌いました。

私が、手話のサインで、”I love you"を送りウインクをすると、お母さんの手をしっかり繋ぎながらも、”I love you!"と言って投げキッスをして帰っていきました。

来週は、毎日最高気温42度あたりになる猛暑の中での保育です。室内遊びも計画済み。

来週は何人泣くのかな〜。