私はいつからか、ぶりぶりした女子が苦手である

異性の前だけ声のトーンが上がり、自分の事を名前で呼び、普段標準語の地方出身の子が急に訛ったり、語尾にハートマークがついてるのか？というくらい甘え出す『女子』が。
田中みな実さんや石原さとみさんのようにプロとしてそれを魅せているタイプの女性は大好物だ、プロのあざとさ、可愛さは心を満たしてくれる　
年下の女の子たちもしかり、めちゃめちゃに可愛い。私にぶりっこしてくれるの？？良いんですか？？！

えへへ、〇ちゃんは、今日も、可愛いですネ。おじさんと、今度、デェトしましょう！！美味しいご飯を食べさせてあげます！！もちろんご飯のあとは大人の時間ダヨ？

と心の中のおじさんがおじさん定型文を送りつけそうになるのを必死になって抑えている。
彼女たちは見ていて癒やされるのだ


もっとやってくれ、もっと私にもそのブリブリを浴びせてくれあぁ可愛い…可愛いかわいい！こっち向いてー！ひゃっほーーー！といった具合に心の中でサイリウムを振っているし、
『可愛い自撮りあげて！』『ウインクして！』『可愛いの権化！！』『肩に妖精乗ってゆ！』『生まれてくれてエブリデイ感謝！』などとウチワに書いて振り回したいくらいである。


苦手なのは女性にならずにいつまでも女の子としてチヤホヤれていたいタイプの同年代~歳上の女の人

モテてチヤホヤされてきた人が歳を重ねると共に中身の成長が伴わず、いつまでも子供で自分中心で他の女子に攻撃でプライドが高いタイプの女子に変わってしまう。
マウントを取ることで私はこの子より上の女だからそこんとこよろしくね、と周囲に見せつけようとするモンスターになっいく、それが恐ろしいのだ。
私は、昔からそういう女子に必ずと言ってよいほどターゲットにされてた
いや、20代の頃までは自分もきっとそういうところがあったのだと思う。振り返ろうとすると頭にもやがかかり、やめろ思い出すな！！頭が痛いっっ！！ひぃぃ！と枕を持って転がりだす症状が出るのでもう少し時を経て反省しようと思っている

私はもうすぐ39歳である。
格好良い40代になる為に準備できる時間はあと1年に迫った。
格好良い40代の先輩たちが周りに沢山いて、むしろ格好良い30代も沢山いて彼女達を見習いたいと心から思っている。
憧れだ。
自分もそんな女の人になれるように努力をしていきたい


モンスター女子とくくって嫌悪感を覚えるのはきっとどこかにトラウマがあるのだ、今日はせっかくなのでそれを自己分析してみようと思う。
（発達障害の私は自分を育て直す際に、じっくり自己分析するようになったのである。）
まず、幼少期。
1番古い女子の記憶は私が幼稚園の頃のこと
育ての母に連れられ児童館のようなところで同年代の幼女たちと遊んでいた日
1人の可愛らしい幼女が育ての母の膝を独占し、めちゃくちゃに甘えていた。
育ての母は、可愛いわねぇとその幼女を撫でてニコニコしていた。
今思えばその子の母親が近くにいて、そうするのが社交的なリアクションなのはわかるがその時の私は、母を取られる！と思い震えていた。
普段から抱きしめられたり頭を撫でられたりという愛情表現を受けておらず、母親の膝に屈託なく甘えることが出来ない育てられ方をしていたからだ。

【可愛い子は自分の場所だけでなく私の場所をも取ろうとする】

まずこれが第一のトラウマだと思う。
このあとめちゃくちゃギャン泣きしてその幼女を膝から突き落とし、全方向から叱られて育ての母にはこっぴどく叱られて甘えるどころの騒ぎではなかった。
可哀想すぎるな、幼女のわたし…！

続いては小学校時代。
富裕層も通う小学校だった為、お姫様のように可愛い子が何人かいた。

パステルカラーのヒラヒラしたワンピースやチュールスカート
バレエシューズのような華奢で可愛い靴
ボンボンがついた靴下
色素の薄い髪の毛はロング、いつもママにヘアアレンジをしてもらっていてその髪を飾るのは種類豊富なバレッタ
折れてしまいそうに細くて妖精のよう
可愛くて優しくてクラスのアイドル。
そんな子たち。

反対に私は育ての母が買ってきたよくわからない変な服with全面の毛玉
靴底にガラス繊維を敷いても捨てなかったボロい靴
ダサい靴下
髪の毛は母がいつもおかっぱにカット、更に前髪を切りすぎるのでクレラップCMの女の子のような出で立ち
小5で水泳を始めるまでは完全にオデブちゃんでパツパツ
ガサツで男子と喧嘩もするし空気が読めないので孤立気味。

綿菓子のような女の子たちに憧れつつも、近付こうとすると嫌われた。
ガサツだし服は絶望的にださいし髪の毛はクレラップだから当然である。

更に育ての母が全く身だしなみに構わなかった為、女の子としての清潔感もなかった。
それは嫌われるだろうといった具合である。
だが相手の心を読めないタイプの私はめげずにその子達の中に入ろうとしていた

可愛い女の子たちは業を煮やし、私に遊ぼうと声をかけては家の前で『若尾ちゃんは家に入れないよ』と言って締め出すというゲームを開始した。
何回か締め出されたあと（一回で気付かないあたり私らしい）、私はこの子達に嫌われてるのだなぁと実感し近付くのをやめた。

すると家に来なくなってゲームがつまらなくなった可愛い女の子達は帰り道で境界線ゲームを開始したのだ

帰り道をふさぎ、通せんぼをしてニコニコしながら言う。

『ここから先は若尾ちゃんは来れないよ！ここから先に来れるのはお父さんがいる子達だけ！』
何ということでしょう、めちゃくちゃ残酷なゲームである。私は片親でお父さんがいなかった為に通れない道ができた。

彼女達がさんざんお父さんの自慢話をし、ディズニーランドやドライブの楽しさを私に語り尽くして皆でクッキーを焼きに去っていくまでその場所を動けずに道のありんこの行く先を見つめていたものだ。

【可愛い子は可愛い子で徒党を組み、自分達の可愛いレベルに達しない子を阻害しがち】

中学生になるといわゆるぶりっ子が多発し始めた。
お姫様のような可愛い子たちが第二次性徴を迎え、女子になって男の子たちに性的に人気が出てくる時期。

こぞってスカートを短くし第二ボタンまで開け男子の机の上に座ったり過剰なスキンシップ、甲高い声でヨチヨチ歩き男子と背比べをしたり手の大きさを比べては守られるべき生き物としてのアピールを怠らない可愛い子たち。

この辺で私は可愛さアピールを過剰にする女子達に嫌悪感を抱くようになった気がする。

それはなぜか？？
過剰に可愛さアピールをしている彼女達は、お絵かきをしたり本を読んだりする私のようなオタク女子を攻撃し始めたからである。

『暗い、キモい、ダサい』などのレッテルをオタクに貼りつけキャッキャとはしゃぎ、よそのクラスのイケメン男子に休み時間のたびに会いに来ては媚を売る女子達。

まだ黒板の字を書き写しているのにその黒板の前で「あーーん上に届かないよーう黒板消せなーーい」とぴょんぴょん跳ねて文字をいたずらに消した隣のクラスの女子に対して私はいよいよブチ切れて「うるせぇぶりっ子すんなら自分のクラスでやれ！黒板写す邪魔するな！」と叫んだ事によりぶりっ子全員に嫌われたがどうでも良かった。

そして中学の体育祭で毎年恒例の二、三年女子全員によるダンスを踊ることになった時、
私がダンスを周りの子よりも上手く踊れることに先生や先輩が気付きクラスのダンスリーダーに抜擢され注目を浴び

三年の体育祭では振り付けを作って女子達の前で教えるというダンスリーダーのトップを任命された為、ぶりっ子女子達とは別の人気を得ている状態になっていた。

【可愛い子とは別の方向でオタク女子な私も輝ける？】

高校では高校デビューを済ませ、ダンス部副部長、生徒会と目立つポジションに立ち続けた事により廊下を歩けば野球部の後輩男子たちやダンス部の後輩女子達が騒ぐような嘘みたいな状況になったりした為ぶりっ子達は私の中で格下の存在になっていった。

この時の私は一番調子に乗っていたと思う。
可愛い綺麗と言われるのは当たり前、外ですれ違った他校の男子にもあの子可愛いと指さされたりバイト先の居酒屋でもコンビニでもモテまくっていた。
いわゆるJKブランド、さらには自信が満ち溢れる人間はなぜか魅力的に見える法則だったのだろう

しかし、ダンス部同期であり親友の3人にある日放課後話があると呼び出され
『若尾は男子に媚を売ってる！ぶりっ子！男好き！気持ち悪い！友達やめる！！』とコテンパンに袋叩きにあったことにより目が覚めた。
自分が嫌悪していた女子になっていた事を心から反省し、指摘してくれた3人に感謝し、失った信用を取り戻すために努力を続けた。
その結果が現在の、基本的に男性には一定の心の距離を置いて向こうがこちらを恋愛対象として見てないと判断できてから心を開くという自衛スタイルに繋がっているのである。

【若尾、調子に乗り鼻を折られぶりっ子にならないと誓う】

進学のタイミングで選んだダンス系の専門学校では中二病を拗らせに拗らせ、ゴリゴリのヘソ出し肩出しジャラジャラブレスを着けたB系スタイルで登校したあげく

『私はダンスや芝居を習いに来ているのであって友達を作りに来てるのではない！』

と1年間クラスの輪に入らず過ごしたがぶりっ子らしきぶりっ子はおらず、可愛くて前向きに努力をしている子達だらけだった為とても刺激を受け2年ではだいぶ丸くなりへそを出すのをやめ、皆とも仲良くなった。

更に、芸能を目指す学科に通っていたおかげで色んなタイプの美女や可愛い子が集まっていたので毎日が目の保養だった。レッスンをしてくれる先生達も美女、格好良い、色っぽい、キュートといった様々な素敵な女性が揃っていた。

素敵な人になりたい憧れがここで育った気がする。

しかし同時期に、続けていた居酒屋バイトでは一個上の女子に目をつけられ対抗意識を燃やされていた。
その彼女は私が来る前は男性陣やお客様からの人気を一挙に得て看板娘と言われていたのだが私が入ったことにより人気が二分され、事あるごとに私に嫌味を言いチクチクと虐めてきたのだった。
黒髪ボブで色白、低身長でハキハキとして仕事も手際良く優等生タイプの可愛らしい人だったが
専門学校の美女達とその彼女を比べると月とスッポン、雲泥の差だった。

彼女は私に対抗していたら更に年下のハロプロ系美少女がバイトに入ってきたことによりバイト内パワーバランスがめちゃくちゃになった影響で最終的に居酒屋バイト内版サークルクラッシャーメンヘラ代表のようになり、新人の男の子がうたた寝しているところをジーッと覗き込んで
『起きなきゃチューしちゃうぞッ』と囁いた事実がその新人くんの口コミで回り、UFO焼きそばみたいな髪型のコムデギャルソンしか着ない大学生とくっついて辞めていった。
元気にしているだろうか。

【前向きな美女達は人を蹴落とそうとしたり意地悪をしようとしない、二流は焦ってマウントを取ろうとするのだと気づき始める】

専門学校を卒業し、事務所に入ると更に美女だらけだった。
可愛くて美しくてヤンジャンの表紙を飾ったりアイドルのような活動をしている先輩タレントや
誰もが振り返るような美少女
自然とお花の香りがしてくるような色っぽい女優の先輩
とにかく美・美・美！！！
もう、身体も顔もすべてが小さくて人間としての造りが違う。何もかもが私は彼女たちの足元にも及ばなかった。
美しさの前にひれ伏し、憧れに憧れ彼女達に私はひたすら懐いた。
最高だった。美しい人達は心も美しく優しかった。
天女だ…天女様だぁ…！！ここは極楽浄土だぁ…！！！
若尾は良い女になりなさい、尊敬する女マネージャーさんに言われた事があった。
可愛いだけ、若いだけの女は中身がなく消耗されて終わるけど良い女は飽きられないから。
なるほど、と思った。
若さは可愛いと=なところがあるし
それは必ず時間とともに失われる。
内面から出る美しさ、強さ、賢さ、優しさ、潔さ、清らかさ…
そういったものを持てる女性になりたいと私は思った。

【歳にはこだわらず、記号として捉え良い女を目指す。
作り出す可愛いは卒業していつか可愛いおばあちゃんになれたら良い】

20~30代の10年近くずっと仲良くしてくれていた同い年の女の子がいた。
香里奈に似ていていつもキラキラしていてお洒落、優しくて明るくて可愛くて思いやりがありお姫様が似合う女の子だった。
小学校~中学校で桂子と出会っていたら絶対いじめてる！仲良くなってない！と笑いながら言う彼女の目が時々笑っていなくて戦々恐々としたものだが、色んなことを教えてもらった。
大好きだったのだが彼女が結婚し妊娠し、インスタで突如変なハッシュタグを沢山つけるようになった

#丁寧な暮らし
#おうちカフェ
#プレママ
#ベビちゃん
#新人ママさんと繋がりたい
#旦那くん

的なやつである。　
意味のわからないハッシュタグ！！
どう見られたいのかがわからない！
こまっしゃくれたハッシュタグの羅列！！！

遠いところへいってしまった。。
そう思った。
丁寧な暮らしって何じゃらほい
真っ白な壁に真っ白なテーブル、おしゃれな敷物の上に木製のワンプレートランチ、写りこむお花、手作りのお菓子。。ほっこりおうち時間。

私と言えば、
#幽遊白書
#幽白カフェ
#推しに課金を
#鬼滅カラー
などと相変わらずオタクなハッシュタグを多用している。
きっとこれはこれで気持ち悪いと思う人は多そうである。


何だろう…うまく言えないのだが、お洒落なハッシュタグを多用する女性たちが私は怖い。
可愛いを追求していたぶりっ子女子達が大人になり、可愛いお洒落な自分を演出するためにアピールしている匂いを感じ取っているのだと思う。

先述の彼女は仲良くしてる時期、事あるごとにマウントを取ってきた。
さらに男性がいる場では常に自分がお姫様じゃなきゃ嫌だと公言もしていた。
なので一歩引いて、私なんぞに張り合わないで良いからねという態度を見せていたつもりだったのだが


桂子に比べたら私って幸せだなーって思う
桂子ってセンスないよね
桂子は常識ないから将来子育てとか絶対無理だよ
歩いてると絶対ナンパされる~桂子はされないけどヤバくない？
お金持ちじゃない男は無理、デートの時普通財布持ってかないよ~
桂子は男見る目なさすぎ、人生楽しくなさそう
舞台とかお金稼げなくない？将来不安になりそう
こんな事も知らないの？人としてヤバいよ
などなどのマウントは彼女と縁が切れるまで続いたのだった。

すべての言葉は流していたけど、腹を見せて降伏しきっているなぜ私にマウントを取り続けたのかはわからなかった。

私から見たら彼女は別ジャンルで輝いていて、私なんぞと比べる意味がないと思っていたのだが
彼女はひたすら私に勝とうとしていた。

そんな事どうでも良いくらい彼女が大好きだったのだが結婚出産、そしてお洒落なハッシュタグの多用で彼女とは住む世界が違うんだなぁと自ら境界線を私は作った。

【ハッシュタグは人と人との繋がりをふるいにかける炙り出し？？】

もしかしたらモンスター女子と思って苦手に感じている彼女たちから見たら私のほうが意味不明の恐ろしいモンスターなのかもしれない。
キラキラふわふわした中にルールがあって、その規則正しい世界の中に私のようなギャンスカしたイカれた女が踏み込んできたら…
彼女たちは震えて手と手を取り合って何とか防御策として小さな針でチクチクさしてきているのかもしれない。
それに気付けないので、私は今日もこれからも彼女たちとは一定の距離を取る。
私自身が自分のトレーニング保存用に使用している

#おうちトレーニング
#腹筋女子
#筋トレ女子

これに対して、先日「女優さんは普通露出をしないものなんだよ」と遠回しにチクっとやられたので、人の地雷を踏んでいたのかとハッとした。
私がモンスター女子として誰かに縁を切られないか今は少し心配である。

#キナリ杯