見出し画像

影響力が欲しかったのは、権力者を殺すためだった。


これで準備バンタン!『2022年までの革命学』を執筆する上での材料はすべてそろった。

後は、ひたすら書くのみ…!

と、覚悟を決めた私は、パチパチパチパチと自分自身に革命が起こるまでの軌跡を書きはじめた。が、しかし!これは…どうしたことでしょう…?

なんか、まーーーったく筆っていうかキーボードを叩く手が動かないんですけどー!

なんていうか、文章全体がカクカクしているというかとにかく前に進んでいかない。

まぁまぁその理由は非常に明確でして、一言で言うならば「エッセイ」を書くことに対する「抵抗」が自分の文章を流れにくいものにしていた。

だって、過去の経験からイヤというほど知り尽くしているんですもん。エッセイなんて書いたところで注目されることも数字が集まることもないって。

みんな、書けば簡単に見てもらえると思っているかもしれないけど、ネット上でエッセイを書いて数字を集められる確率何て雲を掴むような話し。

本気で数字を集めて影響力を持ちたいと思ったら「自意識」を捨てて可能性を一つに絞り、誰かの役に立つような情報やノウハウを掲載していかなくてはいけない。

そんなん…解かってるんだよ!


解かっているけど、私は今、あえてそのエッセイを書くということに挑戦しようとしている。

まさか、ただ自分のことを書くということがこれほどまでに難しいとは…。

どうしても、書いている途中で自己啓発めいたことやお得な情報、ノウハウを入れないと価値がないんじゃないかと思って文章をねじれさせてしまう。

フォロワーやアクセス数を集めて「影響力」を獲得したいという気持ちが邪魔をしているのだ。で、そのアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような感じが文章全体に表われていて重いっていうか読みづらいっていうか…。


しんど。


でも、もう既に編集家をはじめとする『2022年までの革命学』に登場するキャラクター陣には「書かせてください!」っていう掲載許可をもらっているワケで。これは何がなんでも書いて書いて書き上げなくてはいけない。

あ"ーーーーー!


どうして、私はこんなにもSNSで「影響力」を持ちたいと思ってしまうんだろう?これほどまでに強い「承認欲求」はどこから来ているのか?


私は、真っ白なWordを見つめながら考えはじめた。


すると、目の前に広がる空白の中から「それは父親の敵を討つためだ」という声が聞こえてきて、自分の中で段々と強まっていくのを感じた。



チチオヤノカタキ。



私の父は、京都大学工学博士の学位を持つ「論文の達人」であり、就職後はノーベル賞に「工学賞」があれば間違いなく受賞していたであろうと言われるほどの功績を残した世の中の誰もが認める「秀才」だった。

文書を書く腕前もピカイチ。

だから、私は小学校の頃よく自分で書いた文章を父親に見せて「赤入れ」をしてもらっていた。特に、学校で公に披露する文章には念入りなチェックを依頼。

そう考えると、父親は私にとって最初の「編集者」だったのかもしれない。

なぜ、私が子供時代の文章にわざわざ「赤入れ」をしてもらっていたかというと、それは周りの大人から「評価」を獲得したかったからだった。

父親が赤字で書いてくれた「論文特有の言い回し」を自分なりに改善して世間に発表すると、案の定、周りにいた同級生の親たちや先生は大絶賛。

「これ、中村さんが書いたの!?素晴らしい!!!」と褒めちぎられた。

私は、そういう大人を陰からコッソリと眺めながら『DEATH NOTE』のリュークのように「大人って…面白!!…」と大爆笑。リトル悪魔の誕生だ。

そんな悪魔的な性格だったせいか、私はピッカピカの「小学3年生」の頃から父親のように優秀な人間を傍らに置いてサポートをしてもらえばバカでも社会的な評価を受けることができるんだということ知っていた。


それだけじゃない。


学生時代、アメリカのUCLAに留学経験のある父は英語もペラペラで通訳士の資格も所持。

幼い頃から外国人と流暢に英語で話す父親の姿を間近いで見ながら「英語を学ぶ」ということを切り捨てることにした。

中途半端に自分で学ぶより、できる人にやってもらったほうが早い。自分にできないことは何でも「できる人」に頼めばいいじゃん。将来、英語が必要になったら通訳さんを雇おう!と思ったからだ。

なんとも、
他力本願なクソガキである。

だけど、こんなクソガキ的な考えを持っていたのは私だけではなかった。周りにいた真っ当な大人という生き物は、全員、同じことを考えていた。

父が右腕になってくれればどんな事業もスムーズに遂行することができる、と。

実際、父が大手メーカーから転職をした某製薬会社ではそこのワンマン社長が何十年かけても達成できなかった偉業を一瞬でカタチにすることに成功。


本当に、父親は、世の中の誰もが認める非常に優秀な「右腕」だったのだ。


それなのに、そんな誰もが認める優秀な父親がある日を境に「権力者の理不尽」によって「暗い地下牢」に閉じ込められることになってしまった。

軍事勘兵衛のように。

何の能力もない「新社長」に変わった瞬間、すべての役職と仕事を取り上げられ、仕事も仲間も誰もいない部署へと移動させられてしまったのだ。

ねぇねぇ、頭のわるーいバカ社長さん。

なんでそんなにアタオカなの?優秀な人間を側に置けば社会的な成功を収めることができるなんて「小学3年生」の頭でも理解できることを、どうしてお前のアタマは考えることができなかったんだろう?

ねぇ、ねぇ、ねぇ。

なんで?なんでなんでなんでそんな簡単ことも理解することができないんでちゅかぁー?まぁ、聞いてもムダか。バカには何を言っても響かない。


教えてあげるよ。


恐れでしょ?

愚かな権力者は、自分よりも「才能」や「能力」のある人間が怖くて怖くてたまらない。

だって、

権力以外何も持ってないからね。

しかも、その権力は実力じゃなくて棚ぼた的に手に入れたもんだから自信がないどころじゃないでしょ?だから、いつの日か自分よりも優秀な人間に今いるポジションを奪われてしまうんじゃないかと怯えて権力でそのチカラを封じようとする。

父親のことを「狭くて小さい部屋」に追いやったのはそういうことでしょ。


まだ、クビにされたほうがマシだったと思う。


才能や能力を封じられ、何の仕事も与えられずに何年も何年も何年も「小さな部屋」に閉じ込められるよりはキレイサッパリ切られるほうがよかった。

会話をする相手も"0"だったから。

いや、"0"ではなかったし、"0"のほうがまだよかったか。狭くて小さい部屋には時々、バカ社長よりもサイテーな「ゴミ虫」が湧いてきたから。

バカ社長もサイテーだったけど、それ以上に最低最悪だったのは今まで父親の能力に「嫉妬心」を抱いていた愚かな愚かなゴミ社員どもだった。

時々、狭くて小さな部屋にやってきては父親に暴言やを吐いていったらしい。とはいえ、その言葉の大半が意味不明な妄言だったらしいけど。

愚かな人間は、
発言までもが愚かなようだ。

まぁ、それは当然だろうね。愚かな人間は愚かなことしか考えられないから。バカは、一生バカ。バカ、バカ、ぶぁーか!”

もしも、バカなアナタが製薬会社に勤めていたとしたら、バカを治す「薬」でも開発したらどうだろうか?ああ、ムリか。だって、バカだもんね。

ちなみに、そんな愚かな社員の中でもやっぱり社長が一番レベル違いでやばかったらしい。

なんと、質素倹約でモノを大切に扱う父親のPCを床に叩きつけて壊したこともあるんだって。

器物損害?

でも、それでも父親は耐えて耐えて耐えて会社を辞めることはなかった。


家族のために。


もしかしたら、家族のためというよりは私のためだったのかもしれない。闇雲に芸能界に飛び込み、フリーランスになって結婚する予定もない、一生涯独身かもしれない娘の将来を案じて少しでもお金を遺してやりたいといった親心がその忍耐の中にあったのかもしれない。


私は、知らなかった。


父親がこんなひどい目に遭っていたことを直視することもなく起業家であった祖父の亡霊に憑りつかれてもう取返しのつかないところまでいってしまっていたから。

私が知ったのは、メディアへの飛び込み営業を開始した頃だったと思う。


影響力が欲しい…!


と、思うようになったのもその頃だ。出版に本腰を入れはじめた頃には数字の鬼に、『はじめての野心』を書きはじめたときには「野心」よりも「復讐心」のほうが強かったと思う。

とにかく有名になりたかった。

ホリエモン氏くらいの影響力を持ち、たった一言SNSに掲載するだけで「誰か」の人生を狂わせたい、破壊したいと本気で思っていたし、そういうチカラ持たなければ「権力」には対抗することができない。権力者によって闇に葬られてしまったり、悪徳弁護士とタッグを組まれて「冤罪」を仕掛けられるんじゃないかと怯える気持ちもあった。


でも、もしも自分に影響力があったら?


早々簡単に潰されることも消されることもないだろう。きっと、世間の目が守ってくれる。声を上げて、誰かに助けを求めることだってできる。

だから…

数字を稼ごう。

影響力を持とう。

そしていつの日か、父親を闇に葬った権力者の悪事を「実名」で暴いて社会的な制裁を与えてやる。何もかもを叩き壊し、お前のすべてを奪う…!

死ね。

死ねよ。

いいや、死ぬな!死んじゃダメだ。権力を振りかざして弱者の才能を殺すような人間には死ぬよりも辛い「制裁」を与えてやらなくてはいけない。

『世界の中心で愛を叫ぶ』のではなく、世界のど真ん中でアイツの悪事を暴いてやらなくてはいけない。

誰かの「才能」や「能力」を潰すような人間は…

権力者ではなく「殺人者」なんだって大声で叫ばなくてはいけない…!


お前は、法律では裁くことのできない「犯罪者」なんだよ!なぜ、法律は強い者の味方しかしない?どうして、みんな権力者の奴隷になる?


どうして、この声は誰にも届かない?


違うか…。

本当は、届かないんじゃなくて届けようとしていなかっただけなんだ。

だって、私が本気になってこの事実を相手の「社名」と「実名」をもってネットに晒せばそれなりに注目される。SNSで数字があろうがなかろうが、この声を聞いてくれる人はいる。

だけど、それを長年ずっとしなかったのはその行為が自分自身を貶めるだけではなく父親の尊厳までもを傷つけてしまう行為だと無意識に自覚していたからだ。

だから、私は違うカタチで…世の中に影響を及ぼせるような素晴らしい人間になることでポジティブな復讐をしようとしていた。自分が成功するに至った背景にはこんなステキな父親がいたからなんだって、インタビューを通して世の中に知らしめたかったのだ。そうすれば、父親の才能や能力が闇に葬られることはないから。

たぶん、この気持ちを理解してくれるのは「あの人」だけだろう。それは…


『梨泰院クラス』のパク・セロイだー!!!


彼の復讐は素晴らしい。従来の復讐とは違って、相手を堕とすのではなく自分が上がっていく復讐だったから。なぜ、彼がポジティブな復讐を選んだのか?今の私は、その気持ちが痛いほどにできる。

いい、父親のもとに生まれたからだ。

1㎜の悪意もなく、ただ純粋に誠実に仕事に向き合ってきた父親に育てられたからだ。

そうやって真っ直ぐに愛情を注いでもらった人間は、早々簡単に歪みはしない。


復讐も、正々堂々としよう。


私は今まで、自分がスポットライトを浴びることで周りにもその「光」をおすそ分けしようといった考え方だった。が、これからは一緒に光を浴びていけるような活動をしていけばいいんだっていうことに"今"気がついた。

私は、文化人専門のコンセプターなワケで、文化人になりたい人を"0"から導いていくプロだ。私が、父親の才能や能力に誇りを感じているのなら、父親が文化人になれるように、スポットライトを浴びることができるように今まで蓄えてきた「知識」や「情報」を駆使してサポートすればいい。

今ままでは、権力者によって「才能」や「能力」を封印させられた父親を投影して、どうでもいい「誰か」を助けようと躍起になって搾取されたこともあった。けど、今後はもうそんなことをする必要もないし、結局、それをやったところで根本的な解決にはなっていない。まぁ、高額料金をもらえるなら今まで通り「他人」も大歓迎ですけどね(笑)

私は、私のスキルを大事にしよう。

そして、もう2度と「影響力」を持とうとすることはやめよう。そうだ!私が求めていたのは『影響力の武器』ではなかった。


表現力だった…!



次のエピソードまで"0秒"

最初から観る

ここで問題です。私、中村慧子は、いただいたサポートで「何を」するつもりでしょうか?①革命を起こす②冒険の旅にでる③野心に正直に生きる。Let's think!