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モーニングを問い直す名古屋のモーニングカルチャー

こんばんは、今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。

前回の休日朝食日記いかがでしたでしょうか。
Discovery JAPANという雑誌がまさかの日本の朝ご飯特集であり、これは読まねばと嬉しい知らせを頂いたところでございます。


今日は僕の出身名古屋のモーニングのお話。
いやー特異な文化だなーと名古屋を出ると強烈に思わせられたのはやっぱりモーニングでしたね。ありきたりなほどなのだから、やっぱり凄いということなんでしょう。



今日の食日記

モーニングと聞くと、何故だかトーストを思い描いてしまう。

きっとモーニンを食べに行った数々の記憶の中で、基本的に珈琲を頼むからか、セットに出てくるのはトーストということなのだろう(たしかに、珈琲とおむすびを考えただけで鳥肌が立ちそうだ。紅茶でもましてオレンジジュースだとしても、だ)。

つまること、モーニングとは日本の文化ではないと言える気もするのだが、コーヒーを頼めばサービスにパンがついてくるなんてのは名古屋発祥であり、結局のところサービスが日本の文化的なものということだろう(食べ合わせどうこうの話ではない)。

よく考えてみても、カフェにコーヒーとパンありきだが、喫茶店であってもお米との馴染みはほとんどないように思える。
焙じ茶がメニューにあればおにぎりはついてくるのかもしれないが、それ以外のドリンクにお米を合わせるなんてのは、最も人気のないメニューになるだろう。

ここ数日名古屋に居る僕は、数回モーニングに出かけている。

珈琲一杯にトーストと卵がついてくるなんてのは、消費者にとっては完全に甘えなのだが、有難いサービスであることに変わりはないし、なんせバターが染みたトーストは、家で食べるそれより遥かにホッとして朝を感じられるのだ。
バタートーストよ永遠に。

そんなあるモーニング、またこれ古い錆びれた昔ながらの喫茶店で頂いた。



今日のお店

喫茶BON BONの裏に構えるとはかなりの商売立地と言えるのだが、なんせこのお店はBON BONに負けない個性と痺れる風格があるから完全に差異化されていて,羨ましい。僕もそんな風に威風堂々と自信を持って生きていきたい(と、喫茶店にくると思うことが多々ある)。

店に入れば、やっぱり相手にされない。ほとんど目も合わずいらっしゃいだけ聞こえる。

もう放って置かれているし、僕だってそれを望んでいる。だから来た。喫茶店にはそんな期待があるのだから。

なんだか霞んで見えるのは、あまりにもクラシカルだからか、それとも、、


流石に綺麗とは言えない店内をどんよりと眺めながら着席する。
妙に姿勢を正してしまうのは、僕が少しの潔癖症を残念ながら持ってしまっているからなのか。

そんなことをぼんやりと思い浮かべながら、心なしかモジモジしている。しっかりと肩身を狭くして、怯えるように隅っこに座った(喫茶店は大好きだ)。

とにかく味が強すぎるのがこのお店の良さで、そわそわと安心感のどちらを取ろうかと、交互にやってくる中で迷走した。

日差しがあたたかくてよかった。

ガチャガチャと動くお店の流動音とコーヒーの香り、バタートーストの想像を膨らませながら外を見ていた。

客の席には何故か鉄板が並んでいるではないか。
ファミリーレストランでもあるまいし、朝からチーズインハンバーグはまだないだろう(ナポリタンにしてもまだ早い。どんな大食漢だ)。

と、ぶつぶつ言っていたのだが、メニューにその真相はあったわけだ。

数分して答え合わせ。
不思議と驚きすぎなかったのは、僕が名古屋出身だからなのだろうか。

トースト焼うどんオンザ鉄板モーニング



これぞ名古屋のモーニング文化だ!
と言わんばかりの迫力に、一瞬呆気に取られたが、まあ、無くはないのかなと冷静な僕は故郷思いだ。

どう食べればいいのかって、答えがあるわけはなく。とりあえず珈琲を一口啜って考えた。
まあ、とりあえずはトーストよ、とバターがじゅんわりのトーストをデロりと食べて朝を思い出す。

そうそう、焼きうどんよ。
本当にうどんと目玉焼きがあるから面白い。
だし醤油の安心の味と温かさ。啜るともちっと。ほっとする。とにかくホッとするのだ。

またこれも不思議なんだが、意外にもコーヒーが進むからおかしくなってしまう。
結局のところモーニングにトーストって言うのは縛り付けられた喫茶店の朝食で、焼きうどんだってありだったという結論意外ないみたいだ。

それは忙しそうな店内だったが、熱々の鉄板を運ぶ店主の愛はそこに熱々に乗ってやってくるのだ。

モーニングはモーニングでしか覆せないようだ。


美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。




今日のお店:喫茶キャラバン(愛知県名古屋市東区泉2丁目3-22 カーさ南白壁1F)



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