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『0ベース思考』 #3

こんにちは!そしてあけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします。

本日紹介する本は、スティーブン・レヴィットとスティーブン・ダブナー共著の
『0ベース思考』になります。

本書は、何か難しい問題に直面したときに、
どのような方法で、どのような心で考えるべきかを示した本です。

脳を鍛え直して、大小問わずいろいろな問題を普通とは違う方法で考える。
ちがう角度から、ちがう筋肉を使って、違う前提で考える。
やみくもな楽観も、ひねくれた不信ももたずに素直な心で考える。

これは、本書の最初に書かれているセリフです。

たったこの3文が、本書の趣旨、
つまり「フリーク」みたいに考えることの意味です。

「フリーク」とは、
常識の枠に収まらない人、既存の習慣にとらわれない人のことです。

では、「フリーク」みたいに考えるには、
具体的にどのようなことを考慮すれば良いのでしょうか?

今回の要約では、私たちが「フリーク」みたいに考えるために、
考慮すべき要素を紹介していきます!


なんで「フリーク」みたいに考える必要があるの?


私たちは日々、多様な問題に出会い、
その度に、適切な解決策を考えなくてはなりません。

さらに、政治的・経済的な課題が山積みの社会で、我々は生活しています。

では、なぜ問題の数は減らないのでしょうか?

答えは、「解決が難しいから」です。

「どうすればダイエットが成功するだろうか、、」という
個人的な問題だけでなく、

「どうすれば世界から飢餓がなくなるだろうか、、」といった
世界的な問題も、いまだ解決されていません。

世界中の頭脳が集まって考えても、解決ができない問題は「難しい問題」です。

でも、問題を少しでも前進させたくないですか?

そこで「建設的」「創造的」「合理的」に考える
つまり「フリーク」みたいに考える必要性があるのです。

新しい攻略法を見つけられるのは、ユニークな発想の持ち主です!


「フリーク」みたいに考えられないワケ


なぜ我々は、大きな問題に真正面から立ち向かい、
無意味な解決策にコストをかけてしまうのでしょうか?

理由は3つ考えられます。

①偏った先入観を持っている

私たちは、政治的・思想的、その他のバイアスのせいで、
偏った先入観を持っています。

そのため、どんなに聡明な人でも、
新しく正確な情報をを取り入れて、現実感覚を磨くよりも、

自分がもともと持っている考えを補強するような情報ばかりを
取り入れてしまいます。

②みんなと同じがラク

友人や同僚の意見に合わせるのってラクだし、簡単ですよね?

でもみんなが同じでいると、現状に満足して、
新しい考えを取り入れようとしなくなってしまいます。

さらに「考える」ことまで、人任せになってしまい、悪循環に陥ります。

③物事をじっくり考えない

私たちは日々、忙しく過ごしています。

でもそれを言い訳にして、物事を考えなくなっています。

あなたが最後に考えに「没頭」したのは、いつでしょうか?

ゼロベースで考え直したり、物事をじっくり考える事を怠ってしまえば、
「フリーク」みたいに考えられないのは、当然です。

でも皆さん、問題ばかりが押し寄せてきて、
何も解決できない状況は嫌ですよね?

では、「フリーク」みたいに考えるコツを7つ紹介しましょう!


コツ1 「知らない」と認める


普通とはちがう方法で、つまり「フリーク」みたいに考えるためには、
まずは事実を学ぶ必要があります。

でも、もし自分が全てのことを「知っている」と思っていたら、つまり、
「知らない」ことを認めなければ、新たに事実を学ぼうとは思いませんよね?

人はなぜ、知らないことを「知ったかぶり」してしまうのでしょうか?

その理由は3つあります。
道徳的インセンティブ、金銭的インセンティブ、社会的インセンティブです。

私たちには、良くも悪くも「道徳の羅針盤」が備わっています。

道徳的に正誤の判断ができるのだから、
自分たちは正確な判断ができると考えてしまいます。

もちろん、世の中の事象は、「道徳的観点」からだけでは解決できないので、
判断は正確ではない、つまり、この判断は「知ったかぶり」になってしまいます。

また、知ったかぶりをして、将来の予測を大々的に公表し、
その予測が実際に当たったら、莫大な資金が入ってきますよね?

一方で、「知らない」と言えば、
自分の無知を認めて、社会的評価が下がってしまう事があります。

これらのインセンティブによって「知ったかぶり」をしてしまいます。

私たちがいかに「知ったかぶり」をしているかを検証するために、
1つ例を出して考えてみましょう!

皆さんは、
新型コロナウイルスが年末年始に拡大したのは何のせいだと考えていますか?

私は、Twitterで
「コロナ拡大はGO TOのせい!」というツイートを見かけました。

でも、因果関係はそんなに簡単には特定できません。

もしかしたら、年末年始はウイルスが活性化しやすいシーズンかもしれませんし、
私たちの気の緩みが影響しているのかもしれません。

ある問題を引き起こした本当の原因は、
とてつもなく複雑なデータを駆使し、実験を通してやっとわかるものです。

過去のことでさえ、これだけ「知る」事が難しいのに、
未来のことなんて、誰も「知る」余地がないという事なのです。

まずは「知っている」かのような振る舞いをやめましょう!
そうすれば、「調べる」「学習する」という強い思いが生まれるのです。

「知ったかぶりをする」インセンティブはかなり強いのですが、
それに打ち勝つ「勇気」を持ちましょう!!!


コツ2 問題を正しく「設定」する


見当違いの角度から問題に取り組むと、
見当違いな場所で答えを探す羽目になります。

そうならないために、「問題の核心を鋭く把握する」
つまり「問題を正しく捉え直す」必要があります。

正しく設定された問題であれば、新しい解決策が浮かび上がります。

少し抽象的すぎるので、本書の例にしたがって説明していきますね。

小林尊さんという男性がいます。
彼は細身で、どこにでもいるような至って普通の男性です。

しかし彼は、アメリカの「ホットドック早食い選手権」で、
なんと6連覇を果たしました。

なぜでしょうか?
実はここに「問題を正しく捉え直す」というコツが隠されています。

ライバルは、選手権で優勝するために、
「ホットドックをたくさん食べるにはどうする?」という問いを立てました。

しかし、小林尊さんは、
「ホットドックを食べやすくするにはどうする?」という問いを立てました。

この問いに従って、
パンとソーセージを別々に食べる、ソーセージは何本かで丸呑みする、
パンは水に浸して食べるという戦略を考えました。

彼は、問題をゼロベースで捉え直したからこそ、
新しい解決策を見つける事ができたのです!!


コツ3 「根本原因」を突き止める


何か一つの問題の原因を考えるときに、
一番近くてわかりやすい原因に目が向いていませんか?

先程の、「GO TOが原因だ!」とツイートしていた人は、
まさに、わかりやすい原因に目が向いている人です。

一番近い原因に目が向くと、小手先の対策や解決策を提案してしまい、
効力がないため、何も解決できずに終わってしまうことばかりです。

では、どうすれば良いのでしょうか?

「フリーク」みたいに考えるには、
「問題の根本原因を突き止め、それを取り除けるように力の限りを尽くす」

まさにこれに尽きます。

根本原因を見つけるのは怖いですし、避けて通りたいものですが、
結果的に時間的・人材的・金銭的資源の削減につながるのです。

こちらも抽象的なので、本書の例にしたがって説明していきます。

バリー・マーシャルとロビン・ウォレンという男がいました。
彼らは「胃潰瘍の根本原因」を発見した高名な医者です。

彼らが胃潰瘍の研究を始めるまでは、その原因は、
遺伝的なものか、ストレスや辛いものによる過剰な胃酸の分泌とされていました。

胃潰瘍の原因が解明されていたので、治療法も解明されており、
患者は気を楽にして、牛乳を飲んで、薬を服用しました。

しかし、その効果は可もなく不可もなくでした。
それでも、薬はよく売れるし、医療業界は順風満帆でした。

そんなご時世で彼らは、潰瘍で苦しむ人の胃を検査し、
本来であれば強酸性のため生息できない場所に細菌を発見しました。

その後も、胃潰瘍の患者は必ずその細菌を持っている事が示されましたが、
医薬品業界や医学界からは大顰蹙を買いました。

これまで、薬を飲んだり手術をしたりを通して治した病気が、
安い抗生物質で治せることなんて認めたくない気持ちはよくわかります。

しかし彼らは、胃潰瘍についての研究をコツコツ進め、
「胃潰瘍の根本原因」は、ついに医学界から認められました。

まさに彼らは、避けて通りたい道を自ら進み、
「問題の根本原因」を突き止めた第一人者なのです!!!


コツ4 「子ども」のように考える


子どもは大人に比べて、「知っていること」が少ないですよね?

だから、物事の「本質」を隠してしまうような「先入観」を持たないのです。

「あるわけない」「誰もやったことない」「おかしい」という理由で、
大人は解決策の大部分を避けてしまいます。

しかし、最高のアイデアは、「子どもみたいに」脳に浮かんだことを、
口にしなければ生まれません!!

「変なこと」「他愛もないこと」「わかりきったこと」を、
臆さずに言って、子ども心を解放させてみましょう!

実際に発言すれば、
他の人が考えもしない「問題」を設定できます。


コツ5 「インセンティブ」を把握する


ある特定の状況に関わる全当事者の「インセンティブ」を把握することが、
問題解決の基本だと言われています。

でも「インセンティブ」って、かなりわかりにくいんです。

金銭的インセンティブ、社会的インセンティブ、
道徳的インセンティブ、群衆心理インセンティブ等々、、、、、

種類が多いのも、「インセンティブ」がわかりにくい要因ですが、
発言と行動が一致しないケースが多いのが一番の要因です。

みんなからの評判が良くなるようなことを言いながら、
こっそり自分が本当にやりたいことをやる人、結構いますよね?

相手の頭の中に潜り込んで、相手にとって何が大事なのか知り尽くして、
「真のインセンティブ」を把握しましょう!

そこで「インセンティブ」を理解するためのルールを3つ紹介します。

①本当に関心があることを突き止める

相手が言っていることを鵜呑みにせず、
本当に関心があることを突き止めましょう。

多くの場合、道徳的インセンティブや社会的インセンティブを口にし、
金銭的インセンティブや群衆心理インセンティブに従って行動する事が
分かっています。

②相手の反応に注意を払う

ガッカリした反応を見せたら、インセンティブと異なっている事がわかりますし、
目が輝いていたら、インセンティブ通りである事がわかります。

相手の反応を参考にして、別の解決策を考えることができますよね!

③「敵対的枠組み」から「協調的枠組み」にシフトする

「敵対的枠組み」とは、
戦争やスポーツの相手との関係性を表す枠組みです。

一方「協調的枠組み」とは、
仲間内やチームの集団での行動の指針を決める枠組みです。

バチバチした関係から、温和な関係にシフトすれば、
とても有意義な成果が得られる事があります。

実際、私たちだって本当に仲の良い友達にしか、
「真のインセンティブ」なんて話さないですよね?


コツ6 庭に雑草を引っこ抜かせる


ウソをついている人や、ずるをしている人は、
正直な人とは違ったインセンティブに反応します。

この仕組みを使って、有罪の人と無罪の人を分けるのです。

「やましい事がある人たちを、
自分の行動を通して、罪を告白するように仕向ける」

これこそが、「庭に雑草を引っこ抜かせる」の意味です。

皆さん、「ソロモン王の裁き」をご存知ですか?

ソロモン王が、どちらの親の子か分からなくなった子どもを、
二つに切断して、二人の母親に分け与えると判断したという逸話です。

一人目の女性は、それを聞いて、
「子どもを切りつけるぐらいなら、その女にあげてください」と言いました。

もう一方の女性も、同じことを聞いて、
「二つに切断すれば、どちらのものでもなくなるから、切ってください」
と言いました。

でももし、その子が本当に自分の子であれば、
切断されるくらいなら相手の女に託して、自分は諦めますよね?

つまり一人目の女性が、本当の親だった事が、
「子どもを切りつける前に」分かったのです。

もう一方の女性は、赤ちゃんを切断する案を受け入れ、
正直な人とは異なるインセンティブに反応しています。

ソロモン王は、まさに「庭に雑草を引っこ抜かせる」を実行した人物なのです。


コツ7 やめる


私たちは、やめると聞くと、「負の感情」が湧き出てきませんか?

でも、「やめる」ことは正しくやればメリットもあります。

メリットを紹介する前に、
なぜ私たちが「やめられない」のか、その理由を3つ紹介していきます!

①「やめることは、失敗である」という誤解
②サンクコストの誤謬
③機会費用の軽視

①「やめることは、失敗を認めること」は、
私たちが、「やめる」と聞いて、「負の感情」が湧き出る1番の要因です。

②「サンクコストの誤謬」は、
「これまでに費やした時間や資金、労力を取り返さないともったいない」
と考えてしまうことです。

③「機会費用の軽視」は、
一つのことを続けるのに費やしたお金や時間(機会費用)を、
貴重だと考えないことです。

これらの理由によって、「やめる」事ができなくなるわけですが、
「やめた」ら、どんなメリットがあるのでしょうか?

①やめることは失敗ではなく、「袋小路」の発見である

失敗は、何かに行き詰まりを感じることですよね?

でも、何かに行き詰まりを感じることは、失敗ではないのです。

このまま進むと、行き詰まりに遭うことを発見できたのです。

つまり、「このやり方では成功できないこと」を発見し、
貴重なフィードバックが得られたのです。

②心や体への影響

達成不可能な目標を追求するのを「やめた」人は、
身体的・精神的に良い状態になる事が研究によって明らかになりました。

さらに免疫力もアップするそうです。

③チャレンジ精神旺盛な時流

「失敗」が悪者扱いされてしまえば、
誰もが必死に、「失敗」を避けようとします。

「失敗」を避けるためには、「挑戦」も避けるようになりますよね?

でも、行き詰まりを「失敗」と考えることをやめれば、
有望な挑戦者の芽を摘むことなく、チャレンジを推進する社会になります。


「やめる」ことは、「フリーク」みたいに考えることの核心にあります。
「やめる」という言葉を、「捨て去る」と言い換えてもいいかもしれません。

一般通念を「捨て去る」、人為的なバリアを「捨て去る」、
知らないことを恐れる気持ちを「捨て去る」、自分のクセを「捨て去る」、、、

「やめる」こと、「捨て去る」ことを恐れずに、
「フリーク」みたいに考えましょう!!


「フリーク」みたいに考える


序盤でも述べたように、
この世の中は、あらゆる問題で満たされています。

そして、どんな問題も一発で解決できる魔法のやり方はありません。

しかし、先入観にとらわれず、問題の原点に立ち戻り、核心を鋭くとらえる、
つまり「ゼロベース」で考える事で、解決できる問題はたくさんあります。

問題をたくさん解決するために、
ちょっと違うやり方で、もうちょっと真剣に、もうちょっと自由に考えてみましょう!

最後に、もう一度この3文を頭の片隅に残しておいてください!

脳を鍛え直して、大小問わずいろいろな問題を普通とは違う方法で考える。
ちがう角度から、ちがう筋肉を使って、違う前提で考える。
やみくもな楽観も、ひねくれた不信ももたずに素直な心で考える。

ここまで読んでくださってありがとうございました。
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