見出し画像

なぜ銀行員は安定した高収入が約束されているのか?

銀行業務の核心を成すのは「ストックビジネス」です。ストックビジネスとは顧客の資産を運用して利益を生み出す仕組みです。

このビジネスモデルが銀行の安定した収益源となり、結果として銀行員に高収入をもたらす要因です。

この記事では、銀行業務の本質、いわゆるストックビジネスについて深掘りし、そのメカニズムと影響について考察します。


銀行業務はストックビジネス

銀行が顧客から預かる資産は、その大部分が預金という形で保管されます。

銀行は顧客の資産を様々な形で運用し、利益を生み出します。

例えば、顧客から預かった資金をもとに企業への融資や住宅ローンを提供し、利息収入を得ます。

また、資産を株式や債券などの金融商品に投資し、運用利益を上げることもあります。

収益の源泉はフローと手数料

銀行が資産を運用して得る利益は、二つの主要な形態に分けられます。

一つ目は、融資や投資から得られる利息や配当金などの収益です。

これらは、顧客から預かった資産(ストック)を活用して生み出される、いわば「フロー」に相当します。

二つ目は、手数料収入です。銀行が提供する各種サービス(例えば、資産運用商品の販売や決済サービス)に対して顧客が支払う手数料から成り立っています。

これらの収益は、銀行の安定的な収入源として機能し、銀行員の給与にも大きく寄与しています。

銀行員が高収入を得られる理由

ストックビジネスモデルに従事する労働者は、安定した収益源を持つという恩恵を受けるため、高収入を得やすい傾向にあります。

ストックビジネスは、顧客から預かった資産や資本を基にして、時間をかけて利益を生み出すビジネスモデルです。

言い方はよくないですが「人のふんどしで相撲を取る」ビジネスモデルです。

このモデルは、一度基盤が確立されると、継続的な収益フローが期待でき、企業の安定性と成長に寄与します。

基盤さえ作ってしまえば、管理と運用だけで収益が得られるため、生産性が高いビジネスといえます。

銀行に限らず、保険業や証券業など金融系の業種は同じビジネスモデルです。金融機関の従業員が高収入を得やすいのはストックビジネスだからです。

表現は適切ではないかもしれませんが「寝ていても勝手に儲かるビジネス」と言えるでしょう。

ストックビジネスについて

金融業以外を例にとると、不動産業もまたストックビジネスの一例です。

不動産会社は、賃貸物件や不動産投資信託(REIT)を通じて、不動産を資産として保有・管理し、賃料や運用利益(フロー)を得ます。

不動産という物理的な資産が長期にわたり収益を生み出す源泉となります。

金融業と同じく、不動産業は寝ていても儲かるビジネスです。

製造業や小売業は、工場や店舗を稼働しなければ収益は得られません。従業員が寝てる時間は収入を得られません。稼ぐためには従業員が汗をかく必要があります。

製造業や小売業などの生産性が高くないのは、従業員が働き、工場が稼働しなければ売上や利益が生まれないからです。

一方、顧客の資産を預かるストックビジネスは、従業員は休んでいても勝手に収益が生まれるため生産性が高く、安定した高い報酬を確保できます。

ストックビジネスの課題

ただし、ストックビジネスが成功し、従業員が高収入を得るためには、他のビジネスモデルと同じく市場の変化に柔軟に対応し、継続的に顧客のニーズを満たす必要はあります。

デジタル化の進展や新しい競合の出現など、外部環境の変化への適応が重要です。

これらの課題への対応が、従業員の収入水準を維持するための鍵となるでしょう。

例えば銀行の場合、金利が低下すると、融資による利息収入が減少します。また、経済リスクが高まると、投資による運用利益が損なわれます。

さらに、デジタル化の進展とフィンテック企業の台頭は、銀行の手数料収入にも影響を及ぼす可能性があります。

結論

銀行業務の本質である「ストックビジネス」モデルは、顧客から預かる資産を運用して安定した収益を生み出す仕組みです。

この収益モデルは銀行員に高収入をもたららす重要な要因です。

しかし、このモデルは伝統的であるがゆえ、金融市場の変動、金利の変化、テクノロジーの進化といった外部環境の影響を受けやすいといえます。

銀行が直面するこれらの課題は、経営戦略の見直しを迫るものであり、顧客サービスの質の向上、効率的なリスク管理、新たな収益源の開拓など、多方面での努力が今後も求められてくると考えます。

特にDX対応は、顧客にとっての利便性を高めるだけでなく、銀行の運用コストを削減し、より効率的な資産運用を実現に寄与します。

一方で、銀行員にとっては、このような変化は新たなスキルの習得やキャリアパスの再検討を意味します。

高収入を維持するためには、単に従来の業務をこなすだけでなく、データ分析、デジタルマーケティング、フィンテックなど、新しい領域の知識と技術を身に付けることが重要です。

付加価値の高いサービスの提供、変化する市場での競争力維持ができないのであれば、銀行員が従来通りの高収入を得る資格は無いと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
よろしければフォローをお願い致します。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?