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2020年ノーベル経済学賞はオークション理論!

2020年のノーベル経済学賞が発表されましたね!

ポール・ミルグロム教授とロバート・ウィルソン教授の共同受賞です。授賞理由は、「オークション理論の改善と新たな方式の開発」。

ノーベル財団のサマリーでも「電波周波数などのような、従来の方法では販売が難しかった財・サービスのための新たなオークション方式をデザインした」ことと、この発見により「世界中の売り手や買い手、納税者に利益をもたらした」ことがまず強調されています。

この投稿では、簡単に日本語で読める解説記事や書籍をレベルごとにご紹介します。

さっくり公開することを優先しているので、選び方に偏りがある点についてはご容赦ください(順番にも特に意味はありません)

もしご指摘をいただけたら、随時追加していきたいと思います!

■無料で読めるもの

まずは、大阪大学の安田洋祐先生が公開している講演資料が、とても詳細にまとまっています。キーワードとなる「私的価値」「共通価値」についてもいきなり解説が出てきますよ!

東京大学の松島斉先生も、「オークション理論事始め」という記事を公開されています。やはりキーワードである「勝者の呪い」の解説も出てきますよ~。

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東京都立大学の渡辺隆裕先生のホームページには、以下のオークション理論の解説と参考文献がたくさん紹介されていて、ここも参考になります!(そして、2020年受賞を受けて情報がアップデートされています!!)

また、受賞者であるミルグロム教授へのインタビュー記事もオンラインで読めます!(日経ビジネス様より)

■気軽に読めるもの

事例も満載で気軽に読める本もたくさん出版されていますが、たとえば以下のようなものがあります。坂井豊貴先生のご著書では、オークションとマッチングをあわせて解説した新書がありますが、理論と実践についてや、ビジネス現場の方々との討論やオークション・ラボでの講演を収録した『メカニズムデザインで勝つ』も面白いです(ちなみに、オークション・ラボを主宰する今井誠様には、『経セミ』2020年12月・2021年1月号にご登場いただきます!)。

以下に挙げた以外にも参考になる本はたくさんあると思いますので、ぜひチェックしてみてください!

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弊社の本では、松島斉先生による『ゲーム理論はアート』があります! これは、経セミで長期連載いただいた「オークションとマーケットデザイン」の内容を中心に一般向けに読みやすくおまとめいただいた書籍です。ぜひご覧ください!! また、大東文化大学の土橋俊寛先生による『ヤフオク!の経済学』もあります~!

■しっかり勉強できる教科書

オークション理論を学べる教科書も、たくさん出版されています。ゲーム理論の教科書などでも詳しく解説されているものがあったり、情報科学系の書籍でも触れられているものがあると思いますが、ここではオークション理論を特に重点的に扱った書籍で、とりあえず思いついたものを列挙します。

あくまでも私見ですが、それほどテクニカルではなく、実例もたくさん盛り込まれつつも、理論のエッセンスが学べる本としては、ハーリンジャーのテキストがわかりやすいかもしれません(6章が周波数オークションです)。

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■本格的ですが…

受賞者であるミルグロム教授ご自身の書籍も邦訳が出版されています!

■おわりに

以上、とりあえずざっと本や追加情報を並べてみました。まだまだ不十分なので、随時追加できればと思います!

最後に、ノーベル財団で公開されている情報をまとめておきます。

プレスリリースはこちら:

ノンテクニカルだけど詳細な解説(Popular information)はこちら:

上記の和訳+参考書紹介を、安田洋祐先生が早速に公開されていました(相変わらず仕事が早い…)。

テクニカルな専門家向け解説(Scientifc Background)はこちら:

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発表の様子(動画)はこちら:



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