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学校は何のためにあるのか?(7)

学校からの呼び出しに応じない母親

驚くべきことをお聞きしました。

大阪の公立中学校で、女の子どうしのちょっとしたおふざけがきっかけで、3人の女の子が、1人の女の子にケガをさせる事態になりました。

ケガをした女の子は、口の中を切り、かなりの出血になってしまったようです。

それも当然です。

3人の女の子は、1人の女の子の首を後ろから押さえて、顔を壁に打ち付けたというのです。

しかも3人がかりで。

これが、学校の教室での出来事ですから、これだけで「いじめか!」というくらい大事になったのです。

女の子が、他の女の子の首を押さえつけて、壁に何度も顔をぶつけるなどということは、女の子どうしても、本気のケンカのときでも、なかなかないことです。

ふざけていて、というレベルのことではありません。

ケガをさせた内の2人の女の子は、自分で正直に母親に話をして、お母様方は、ケガをした子どものご家庭にすぐに行き、謝られたそうです。

学校側からも4人のご家庭に連絡がいき、事情の確認とケガをさせたご家庭には厳重注意をすることになったのです。

もちろん、すぐに謝罪に行かれた2人の子どものお母様は、学校にも行き、先生方にも謝罪されたとのことでした。

ところが、もう一人のケガをさせた子どものお母様は、ケガをした子どものご家庭への謝罪もなく、学校の呼び出しにも応じないのです。

お母様が謝罪され、子ども達もケガをした女の子本人に謝った2人は、ケガをした女の子が止めてと言ったときに、すぐにやめたのですが、親子とも謝罪しない子どもは、やめてと言っているのに、最後まで
笑みすら浮かべながら、顔を壁に打ち続けたというのです。

中学校側は、この呼び出しに応じない子どものご家庭に対して、再発防止のためにも、家庭訪問等を行い、今後、このような事態が起きないように注意をしないといけないことは、明らかです。

ところが、学校はそこまでの行動に出ません。

また、この呼び出しに応じないご家庭も、「所詮、子どもがふざけてやったことで、そこまで目くじら立てることではない。」と担任の先生に突っぱねてきたのです。

どうやらこういう考えのご家庭が、かなりの数いるというのです。

学校もいちいちそのご家庭に対して、厳重注意をしようとしても、暖簾に腕押し、とばかりに対応をしないのです。

先生方への批判もあるのですが、かと言って、先生方も少し気の毒だと思いました。

先生方のお気持ちをわかるかと言えば、私はわかりたくはありませんが、わからなくもないのです。

しかし、断固とした態度で臨まない限り、再発します。

それができないのです。

ここなのです。

学校の先生方が、もう限界なのです。

やっていられないのです。

モンスターピアレンツと言いますが、そんな生易しいものではありません。

私も長い間、教育の世界にいて、学力的にも家庭の経済的にも厳しい子ども達が多く通う高校でも教え、貧困にあえぐご家庭が多い地域の小学校の子ども達の支援もしました。

そんな学校の子どもでも、本気のケンカ以外で、相手の子どもの顔を壁に打ち付けるなど、聞いたことがありません。

まして、女の子です。

あり得ないことが起こっているのです。

しかも、薄ら笑いを浮かべて、やめてと言ってもやり続ける子どもがいるというだけで、空恐ろしくなります。

当然、この子どもがいて、その親がいることになります。

謝罪がないことも納得できます。

こんな子どもが、学校に1人や2人ではなく、何人もいるのですから、先生方にしたらたまったものではないのです。

ここまでではなくても、かなり手がかかり、もめ事を起こす子どもとご家族がいて、しょっちゅう、対応が必要になるとしたら、ちょっとしたケガでも、傷害事件として警察にお願いするしかありません。

先日も、学校から警察への通報が急増していることが、報道されていました。

ダメなことをダメと言わなければいけないと、私はずっと言っていますが、パワハラだ、そんな昭和のような考え方がいけない、と言われますが、この謝罪もしない女の子に言って聞かせることができるのか、私は疑問なのです。

もし、本当に大声で怒鳴ったり、厳しい注意せずに、やっていることがおかしなことだとわからせようとしたら、わかってしなくなるまでの間に、他の子どもがケガをするというリスクを、学校側が背負い、先生方が労働時間を無視して、この子どもにとことん付き合って、話をし続けるしかありません。

しかも、このご家庭に対しても、同じことをする必要があります。

そんなことを学校の先生がしなければならないのでしょうか。

大人が疲弊しているだけでなく、大人がもう一度見直すべきことがあるのではないか、我が子と泥臭く真剣に向き合う必要があるのではないかと思います。

そうしなければ、学校が本来の役割を果たすことは、難しいとさえ感じます。

子どもが命の危機にさらされている時でさえ、怒鳴りつけることすら、今の時代は許されないような状況になってきています。

それは、何かおかしいように思うのです。

学校の先生方がやみくもに怒鳴りつけるのは違うと、私も思います。

しかし、子どもの命がかかっている時に、そんなこと言っていられません。
それでも、学校の先生が子どもの命を守ることを教えることすら、穏やかに注意するなどと言うことを言われていて、ご家族にも厳しいことを言えないとしたら、やっていられないと思う学校の先生がいてもおかしくありません。

不登校になる子どもが増え続けることも、学校が疲弊していることが原因だと思わずにはいられないできごとでした。

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