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選択される学校(9)〜不登校と学校〜

「なぜ定期テストがあるの?」


先日、あるお母様からこんな話を聞きました。

「なぜ定期テストがあるのか、意味がわからん」と子どもが言うので困っているとのことでした。

何を言ってるのだろう、そんなこと当たり前!

と思われた方もいるかもしれません。

本当にそうでしょうか。

こんなことをお聞きになったこともありませんか?

簡単な分数のたし算、ひき算ができない、円の面積が求められない高校生、大学生がいる!!と。お聞きになったことがある方も多いと思います。

ここで疑問がわかないとしたら、それは問題かもしれません。

中学校に定期テストがあります。当然、分数の計算ができない、円の面積が求められない子どもは、他のことでもできないことがいろいろあるはずです。

そんな子どもが高校生になる前に、そんなことはなくなっているのではないのか?という疑問がわかないのはおかしくありませんか?

なぜなら、中学校の定期テストの点数が取れるはずがないのです。それでも高校生になっている、という現実があるのです。

これは、学力困難校といわれる公立高校で教えていた時に、私も実際に目の当たりにしました。漢字も小学3年生、4年生でも書ける漢字を書けないのです。

分数の計算どころではありません。円の面積が半径✖️半径✖️3.14とわかった子どもは、40人のクラスでたった5人、円周に至ってはたった3人しかわかりませんでした。そして、中学校の円周率を「π」で答えられた子どもは一人もいなかったのです。

これが現実であり、この子ども達は、不登校だった子どものことではありません。病欠以外はしっかり中学校に通っていて、高校にも通ってきていた子ども達の話です。

最初のお母様がお子さんに「なんで定期テストがあるのか」と言われたことについて、このお子さんの意図とは違うのかもしれませんが、その疑問は、ある意味では当然だと思うのです。

できないことがわかっていて、高校で学ぶだけの力がついていないにも関わらず、何も改善されることなく、中学校を卒業していくのです。そして、高校入試もあるにも関わらず、高校に合格していくのです。

その子ども達に、高校の先生は、高校で学ぶ内容を教えなければいけません。それは並大抵のことではないのです。当然のことながら進級できなくて、やめていくことも多くなるのです。

こうなることは、中学校の「定期テスト」から読み取れるはずであるにも関わらず、何も子ども達に対策がなされていないのは、なぜでしょうか?なんのために「定期テスト」が行われているのでしょうか。

「定期テスト」にはいろんな意味があることは、お分かりだと思います。

①学習内容の理解度をはかる
②評価をつける基準とする
③教師の指導の効果をはかる
④生徒間の学力差、理解度差をはかる
⑤学習するきっかけを作る



など多くの意味があることは十分に理解できます。

この中でも、①学習の理解度をはかる、②評価をつける基準とする、の2点は大きなウェイトを占めるのだと思います。

①学習の理解度をはかることで、理解があまりできていない子どもがいることがわかった場合、必要に応じて、先生方が補習を行ったりされています。

②評価をつける基準とする、ということですが、これは、高校入試に関係してくるだけに、子ども達には大きな問題だと思います。

この「評価」とはどのようなものかを考えてみたいと思いますが、そのことについてはまた、後日、お話ししたいと思います。




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