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不登校は問題なのか(13)

もし、お母様が心配をしなかったら?

子どもが学校に行きたくないと言い出した時に、多くのお母様方は、驚いて「どうしたの?何があったの?」と聞きたくなります。

そうならない方が不思議です。

これは、学校に行くことが当然だと思っているからです。

ここで、もしも、子どもが学校に行きたくないと本気で言い出した時、あるいは身体症状として、熱が出たり、お腹が痛くなったりした時に、お母様が体のことは心配しても、学校に行かない、行けないことに、何の心配もしなかったら、お子さんはどうなるでしょうか。

そんなことは、あり得ないのですが、もし、不登校になることを心配をしなかったら、子どもはどう感じるでしょうか。

子どもは、とても気持ちが楽になるかもしれません。

自分が学校に行けないことで、お母様に心配をかけたり、迷惑をかけたと思う子どもがいるからです。

自分が学校に行きさえすればいいのに、行けないからダメなんだと、自分を責める子ども達は、きっと気持ちが少しは楽になるのかもしれません。

他方では、子どもは、寂しかったり、ショックを受けたりするかもしれません。

自分が学校に行けない状況なのに、心配もしてくれない。

そのことが、とても寂しく、悲しく感じるかもしれないのです。

自分がこんなに苦しい思いをしているのに、お母さんは心配もしてくれないのは、自分のことなんてどうでもいいと思っていると考えてしまうかもしれません。

これも、子どもにとっては、辛いことです。

お母様が心配をしないなどということは、起こりえないことなのですが、もし、起こったら、どうなるかと考えてみる事も、大切なことだと私は思っています。

お母様ご自身が、もし、子どもが不登校になっても、心配をしなかったらと考えて欲しいのです。

子どもにとっては、心配されないことでの辛さがあることは間違いありませんが、不登校になって、そのせいでお母様に心配をかけているということよりは、心配しない方が、子どもの心の負担はかなり軽いように思います。

実際に、お母様が自分の人生を生きていくことが大切と、よく言われます。

お母様が心配しないことなどあり得ないのですが、それでも、心配の度合いを減らすことで、子ども達の心の負担は、かなり違ってきます。

こうして、極端な例を考えてみることが、お母様の在り方を考える上では大切なことだと私は思っています。

ところが、ここで、お母様が「心配をしている」ことと「子どもの将来を不安に思っていること」は別のことです。

今度は、この「子どもの将来についての不安」を考えなければなりません。

これは、また、心配をするということとは、別なので、子どもの将来の何が不安なのか、ということと、お母様が真剣に向き合うことになります。

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