第六回

 もうだめだ。僕は思いました。どうしてオタクになってしまったのだろう。よしんばオタクであることは良いとして、どうしてこんなにキモいオタクになってしまったのだろう。悲しみが僕を襲います。しかし、どうしても僕はオタクであるがゆえに皆さんにオタクの楽しさを提供しなければなりません。知識とは、役に立たないのです。楽しければそれで良いのです。僕はこの大原則に立ち返ることで、自分を楽にしようと努めています。
 今回はコーヒーについて無駄な知識を書いていきます。役に立つのかと問われれば、そんなことは二の次だと僕は言うでしょう。さぁ、始めましょう。

コーヒーとは?

 意外と身近過ぎて見過ごされがちですが、コーヒーとはいったい何なのか?今回はそこから始めましょう。コーヒーの起源にはいろんな伝承があります。
 9世紀のエチオピア。山羊飼いの少年カルディが山腹の赤い木の実を食べて山羊が興奮しているのを修道僧に相談、原因がその木の実だとわかり、眠気覚ましに使われるようになった。とはいえ、このお話はあくまで伝承です。真偽のほどは定かではありません。
 13世紀のモカで、イスラム神秘主義修道者が、不祥事で街を追放されていた時に山中で鳥に導かれて赤い実を見つけて、許されて戻った後にその効用を広めた。こっちも伝承です。ホントかどうかは謎。
 15世紀のアデンで、イスラム律法学者が体調を崩した時、以前エチオピアを旅したときに知ったコーヒーの効用を確かめ、その後眠気覚ましとして修道者たちに勧めた。さらに学者や職人、夜に旅をする商人へと広まっていった。こっちも同じく伝承。
 つまり、コーヒーの起源は伝承でしか残ってないのです。ただ、コーヒーチェリーの果肉は甘くて食べられるし、効能もわかっていたため、古くから愛用されていたそうですね。
 現在の焙煎した豆から抽出されたコーヒーというものが出てきたのは13世紀以降だろうと言われています。
 日本に伝わったのは18世紀末と言われています。オランダ人が持ち込んだものです。

コーヒーの伝播

 これは結構深いです。エチオピアではコーヒー豆を「ボン」と言うらしいのですが、それを煮たりして食用にしていたらしいです。古代ローマや古代ギリシャでは資料が残ってないのでいつごろ伝わったのかは不明。とはいえそのままコーヒーはアラビア半島へと伝わります。
 今度はイスラム。イスラムでは高貴な人が飲む秘薬とされていました。なので一般的に飲まれるものではなかったという話です。先に書いた伝承もイスラムの人たちが作った話と言われています。
 13世紀に豆が炒られるようになると一般の人たちにもコーヒーが飲まれるようになります。トルコとかイラン、エジプトでは1400年代に使われた器具が発掘されたそうです。ちなみに宗教的な問題もイスラムあたりで起きて、コーヒーは飲んでも良いけどコーヒーのお店はやっちゃだめよって教義があったらしいです。複雑ですね(笑)
 なんやかんやあってその後ヨーロッパに伝わることになりますが、商人が貿易のために使っていたのがコーヒーだったそうですね。コーヒーハウス、今でいうところのカフェが出来始めたのもこのあたりの時代。トルコではコーヒーは甘くなくてはいけないなんて格言もあったそうです。いまはどうかわかりませんけど。

現在のコーヒー

 これはもう皆さんおなじみコーヒーの淹れ方の開発ですね。フランス式、トルコ式、ドイツ式、イタリア式といろいろあります。ドリップはフランス、サイフォンはドイツ、エスプレッソマシンはイタリアです。各国のいろんな文化が見える興味深い抽出法ですね。僕もカフェはよく行きますが、日本はエスプレッソマシンが多い気がしますね。イタリア式なんでしょうか。純喫茶なんか行くとマスターがサイフォンで淹れてくれたりしますね。
 スタバのはあれは…エスプレッソマシン?なのか?

コーヒーの名産地

 おなじみですね、中南米。ブラジル、エチオピア、コロンビアなどなど。ベトナムやマレーシアなんかも有名ですね。
 品種名は国名、山域、積出港、栽培地名などにちなんでつけられます。僕はブルーマウンテンが好きです。ジャマイカですね。モカ・マタリはイエメン。こういうのがオタクっぽいのよね。
 日本にも一応生産地はあります。が、限られたところだけです。沖縄とかね。


 あー、今回はどうだっただろう。
 役に立たなかっただろ?
 そうだよね。あんまり興味ないよね。スタバの新作とかのほうが絶対ウケが良いし、そんなことはわかっている。だが、こういう無駄な知識が大事なんだ。無駄こそ教養。
 というわけで今回はここまで。また次回もよろしくお願いします。


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