第四回

 だめだ。このままではいけない。僕はそう思った。第二回のジャズ回が読まれている。noteにおいては多少洒落たものを書かなくてはいけないんじゃないのか? 僕はそう思ってしまっている。
 いや違う! 僕はオタクだ! 役に立たないものを書くんだ! 役に立たないもの……いったいなんだそれは? すべてのものは誰かの役に立つんじゃないのか? そんな哲学的な思いが頭をよぎります。だが、ここであきらめてしまってはオタクの矜持を捨てることになる。絶対にPV数を稼ぐような記事を書いてはならない。なぜなら知識というのは数字として残るような性質のものではないからだ。良いんだ、今日も僕らしく行こう。役に立たない知識を探そう。よし、今日はソーセージについて書いていく。みんな日常的に食べているだろう? よーし、じゃあ今回も行ってみましょう。

ソーセージの起源

 時は遡ること紀元前8世紀後半、ホメロスの『オデュッセイア』に登場した時が文献上では初出ではなかろうか。つまり正確にいつ頃発明されたのかはわからない。しかし紀元前8世紀にはすでに存在していた、かなり歴史ある食べ物ということがわかります。それにしても山羊の腸に肉を詰めるって発想をした人は天才ですね。
 語源は後期ラテン語salsusに由来するsalsiciusの単数女性形salsiciaから転じた古北部フランス語saussicheと言われています。現在のフランスでいえばリールやストラスブールあたりで使われていた言語かな、たぶん。あの辺はちょっと民族性も違うようですね。地理的にはグラン・テストのあたりでしょうか。ソーセージというのは英語の発音です。こうして地理的に伝わっていったというのがわかるのも語源からたどる楽しみでもあります。

現代のソーセージ

 ウインナーとソーセージって違いがありますが、別にどっちもソーセージです。オーストリアのウイーンでウイーンソーセージってのができてウインナーと呼ばれるようになる感じですね。ウインナーコーヒーみたいなもんです。ちなみに山羊じゃなくて羊の腸を使ったものがウインナーと呼ばれていて、フランクフルトは豚の腸を使います。ボロニアソーセージ(正式名称はモルタデッラ)は、なんと腸は使ってなくて製法はソーセージと同じという古代ローマ時代から続くとされているすごいやつです。

保存食としてのソーセージ

 日本でも冷蔵庫でよく見かけますが、ソーセージの本場ドイツでは保存に適した食べ物として重宝されています。そもそもなんで保存食になったかというと、ドイツは土地が枯れていたからです。冬場になると家畜のための餌が減り、貴重な家畜を死なせてしまうことになります。その前に燻製料理にして家畜のメインである豚を活かした調理法が発達しました。それによってハムやソーセージの調理法が発達したんですね。ちなみにドイツの晩御飯は暖かいものを食べるのではなく、ソーセージやザワークラウトとパンなどで簡単に済ませるようです。昼は暖かい食事を摂る、といった感じですね。
 戦争が多かったせいで保存食としてのソーセージが発達した、という側面もあるようですが、僕はどちらかというと土地柄に依存した食文化が戦時中に役立ったと考えています。

色んなソーセージ

 各国ごとにいろいろなソーセージがあります。特にヨーロッパではかなりの国でいろいろ作られていますね。チョリソーはスペイン、サラミはイタリアなどなど。どれもワインに合いそうな肉料理として、あるいは土地によって発達した製造法、調理法によって、食文化が彩られています。意外なのが東ヨーロッパにも独自のソーセージがあることですね。おそらくオーストリアからハンガリーなどを通じていったと考えられますが、ロシアにも伝わっているというのがびっくりです。戦時中に伝わったのかな……食事ってなんとも不思議な伝来のしかたをしますね。
 ちなみに食文化では負けているイギリスには羊の内臓を羊の胃袋に詰めて茹でたハギスというスコットランド料理があるそうです。というか結構臭みとか消すために香辛料使うんで、昔はあんまり食べられなかったんじゃないかな……でも中国とかにもオリジナルのソーセージあるしね……不思議なものだよね、マジで。


 さて今回はここまで。
 どうだ、役に立たないだろう?
 それで良いのよ。役に立たないのがこのゼミの良いところなわけ。二回ほど食べ物が続いてるので、次はなんかサブカル系に行きたいけど車もやりたいんだよね……悩んでます。このゼミなんでもできるから(笑)
 まあ考えときます。次回もよろしくね!


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