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【読書記録】母性/湊かなえ

2022年1月28日〜31日

今年はできるだけ本を読みたいと思っています。
昨年の年頭にも同じことを思ったのですけれど。

一冊めは先日仕事帰りにフラッと寄った本屋さんで見つけた『母性』
湊かなえさんは好きな作家さんのひとりで、何冊か読んでいます。

母になったばかりの私としては、タイトルに多少の抵抗感がありましたが、勇気を出して読み始めました。

最初は自分とまったく違う思考の『私』に一定の距離を保ちながら、客観的に読めていたのに、『わたし』の回想が加わるごとに少しずつその距離は縮まり、なんとも気持ちの悪い感覚に変わっていきました。

『わたし』の回想は、これから数年後に娘のツムギが自分の気持ちを振り返ることができる歳になった時に感じるやるせなさに思えて、今私にできることは何なのだろうかと、深く考えさせる作品でした。

『私』はいわゆる毒親のように描かれているので、毒親と言われる人たちはこんな風に出来上がってしまうのかと、社会問題のひとつとして読み進めてしまいましたが、徐々にこれは『私』だけの問題なのだろうか?果たして『私』は悪なのだろうか?と思考が翻弄されます。

通勤時間に細切れに読んでいたので、読み終わってすぐの今、消化しきれていません。

もう一度ゆっくり読み直してみたいと思う一冊でした。

そして映画化が決定しているとのこと。
キャストは?ストーリー展開は?興味津々です。
きっと公開したら観に行ってしまうと思います。

そう言えば、湊かなえさんの小説を始めて読んだのは『告白』だったと記憶しています。
『告白』は、先に映画を観て、原作を読みたくなった作品。

間室道子さんの解説が秀逸で、もう一度読んでみようと思う気持ちに拍車をかけてくれるのですが、初回は解説を知らずに読んでよかったと思いました。
恐らくまた違った印象で読めると思います。

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