見出し画像

【ならべてあそぼ】うつわの景色と日本の伝統色

うつわの世界では
土や釉薬が焼成されることにより現れるうつわの質感や色合い、
その表情を「景色」と呼び、
古くからうつわごとの個性が愛でられてきました。

そんな景色の中でも
今回はうつわの色合いにフォーカスを当てたお話。

店主のひそやかなあそび

うつわに現れる色合いって、本当に不思議で奥深いなぁと
つくり手さん方にご制作頂くうつわを眺めるたびに思います。
土、釉薬、焼き方、窯のどの位置に置かれるか…など、
様々な要素によって左右される
つくり手さん自身も読み切れない、偶然の産物でもあります。

何とも形容しがたい魅力的な色彩を、
「どんな色に近いんだろう?」と調べるのが
店主がときたま行っているひそやかな遊び。
そう、それは以下のように…。

先日ショップにて新たに公開させて頂いた
「鈴木美雲さん」のうつわを例にお借りして紹介してみます。

蹴ろくろで紡がれる、あえて素朴さを追い求めたかたちが魅力的な鈴木美雲さんのうつわ。
釉薬には長石などのほか、果樹の灰を使用しているものもあり、
それぞれに豊かな景色を宿しています。

「濃ゆく流れる釉が狐色っぽい…」

【鈴木美雲】碗 大

「釉薬の濃淡が、錆青磁色~水浅葱色のグラデーションな感じ」

【鈴木美雲】碗

「波紋のような広がりを色にするとこんな感じ…?」

【鈴木美雲】小皿

「ガラス質の結晶は、松葉色や老竹色の雰囲気」

【鈴木美雲】小皿

「枯れたような奥ゆかしい色合いを表現するとしたら…」

【鈴木美雲】汲出

あくまでも私の撮影した写真と比べているので、
実物との違いはあるかと思います。

記事内に添付したカラーコードは
「日本の伝統色 和色大辞典」様より色をお借りしました。
和の色って味わいがあるし、色名も素敵ですよね。

近しい色名を知ると、「このうつわの色味はこんな名前なんだ」と
うつわに対する理解を深められた気がして面白いです。

ただ同時に
比べてみると完全に同じ色ではないこともわかって、
単純に「この色!」と表現しきれないような
唯一無二と言っていい色彩が生まれているのだなぁと
うつわの持つ不思議さに改めて惹き込まれてしまうのです。

土や石、木々や炎など、自然と向き合い、
一つひとつを作り上げ続けるつくり手さん方は本当に凄いな…と
店主の唸りは止むことを知らないのです。


今回ご紹介した鈴木美雲さんのうつわは
以下のリンクよりご覧いただけます。ご興味のある方はぜひご覧ください。

以上、
こんな景色の愛で方も愉しいですよ…!というご紹介でした。
それではまた。


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?