米国株式市場は続落-マーケット考察-2020.5.14

相場下落の主な理由は、

(1) パウエルFRB議長が景気の先行きについて、非常に不確実性が高く、大きな下振れリスクに晒されており、追加の財政刺激策がなければ景気低迷が長引く可能性があると警告した事と、
(2) トランプ政権の要請を受けて、米連邦退職貯蓄投資理事会が中国企業への投資計画を無期限に延期すると発表したことで米中両国の摩擦再燃への警戒された事

でした。これらによりダウ平均株価指数は瞬間風速でマイナス700ドルに迫る程下落しました。

S&P500の企業群の今後1年の予想PERは21.14倍と2002年3月以来の高水準で推移しています。投資家からすれば、新型コロナウイルス感染終息のタイミングと経済活動の回復の不確実性から鑑みて、企業収益予想の信憑性に懐疑的にならざるを得ません。米国Wall Street Journal紙は2020年の年間GDPをマイナス6.6%という予想値を出しました。これは3ヶ月程度の都市封鎖や外出禁止令をベースにしているのでしょうが、単純計算すれば、トランプ政権による2兆ドルに及ぶ景気刺激策は10%程のインパクトをGDPに与えることになりますのでお釣りが出ることになります。但し、都市封鎖や外出禁止令が本当に3ヶ月で終了するのかはまだ不確定であり、それ次第ではGDPの出来上がり数値は変化すると考えておいたほうが良いと思います。

一昨日に続きメディアでは悲観論が楽観論を凌駕していました。以前から申し上げていますように、株高と急降下している景況感という二極化には違和感があるのは否めないです。今後の米国株式市場の下落要因は2つの波が影響するでしょう。それらは (1) 「ウイルス感染第二波」による景況感悪化によるものと、(2) ウイルス感染第二波が発生しなかった場合でも、経済活動再開後の「景気悪化第二波」の2つの可能性です。

ブラックマンデーやリーマン・ショックでは金融システムリスクの発生により、マクロ経済環境が急変し、多くの大企業がダメージを受けました。一方、今回の新型コロナウイルスショックでは中小企業が中心の生活・サービスなどの根幹的産業への悪影響が懸念されます。

今後2-3週間は経済活動再開による景気回復の楽観論と景気低迷の悲観論との綱引きが続くことになるでしょう。

立沢賢一

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