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アキレスと亀 (映画035)

「アキレスと亀」

「アキレスと亀」は2008年に公開された北野武監督作品です。「TAKESHIS’」、「監督・ばんざい!」に続いて芸術三部作に位置付けられている作品、それをなぞるように物語も少年時代、青年時代、中年時代の三つの時代で構成されています。北野武監督は三つの事柄を一つに括るパターンが多いですが、例を挙げると後の「アウトレイジ」の三部作、「Doll’s 」は三組の男女の物語、何か理由や考えがあるのかは不明で個人的には興味のある事柄です。同じく芸術や絵画も評価の理由や基準が理解できなくて気になっていた事柄、本作はそれがテーマになっているので興味深く鑑賞しました。手間暇をかけて描かれた絵が銭湯に飾らせている絵に例えられて酷評、おじさんが描かれた絵が褒められていて不思議でしたが北野武が演じる真知寿も何がなんだか訳が分からなくなっていく様が狂気と笑いが混在して見応えがありました。北野武監督作品にしてはダイレクトな暴力描写は控えめですが、でも、不気味で死が身近にあって緊張感がありました。父親と愛人の心中自殺、母親の身投げによる自殺、三又又三が演じる青年の事故死、美術学校の仲間の事故死及び自殺、実娘の死、幼少時代から次々と身近にいる人物が死んで真知寿は感覚が麻痺しているのかもしれません。閉店のチラシは首吊り自殺のイラスト、爆笑を誘われる場面ではありましたが納得ができる言動でもありました。

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