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凶悪 (映画048)

「凶悪」

「凶悪」は2013年に公開された白石和彌監督作品です。バイオレンス映画や北野武監督作品が好きな立場からすると恐怖と狂喜が混在する作品でした。北野武監督と違って芸術性やアート感覚を抑えているような印象、その分、恐怖や緊張が押し出された印象を受けます。ピエール瀧とリリー・フランキーが怪演、映画タイトルが示すように、むしろ、それを超える極悪ぶりでありました。一人ならまだしもそれが二人となるとなかなか見当たりませんが、映画ではなくてプロレスならダンプ松本とブル中野の極悪同盟を連想させられました。さかのぼるとアブドーラ・ザ・ブッチャーとザ・シーク、あれは仲間割れをしてザ・シークがアブドーラ・ザ・ブッチャーに火を吹いた場面を見たことがありますが、「凶悪」も仲間割れ、真実が暴れる物語です。介護や老いた親のサポート等も織り交ぜていました。身近な事柄も扱われているので恐ろしさを後押しさせられていたのかもしれません。無理矢理、酒を老人に飲ませていましたが忘れられない場面でした。主演は山田孝之、カメレオン俳優に位置付けられていますが本作ではピエール瀧とリリー・フランキーよりも控えめな印象、でも、三人のバランスが取れていて良好です。それをなぞるように本作はサスペンスやミステリーに位置付けられるのかもしれませんが、バイオレンスも加わり見応えがありました。

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