お金が腐るスピードが速すぎる
お金が腐ると聞いて、どのように感じるか。
そもそも、紙幣や硬貨は腐ることなどあるものなのか。
デジタル上の数値となっているものが、腐るというのはどういうことか。
もちろん言葉通りの意味として腐るではない。
「価値が失われていく」という意味での腐るである。
そのお金の価値で購入できるものが減っていくというものである。
いわゆるインフレ状態がそれにあたる。
100円で買えるものを思い出してみるとどうなるか。
100年さかのぼってみると、明治時代の100円はものすごい価値を持っていた。
100円を持っているだけで、普通の人ならば何か月も十分に暮らせるだけのものを手に入れることが出来た。
そもそも当時の学校の先生の初任給が月給8~10円という時代であったことを考えると、100円というのは約1年分の給与にあたる。
現代価値に換算すると、当時の100円というものは400万円くらいになるのだろうか。
それだけあれば、十分に暮らすことが出来る。
一方で今の時代の100円は何が買えるのか。
100円均商品やちょっとしたお菓子一袋を買ってしまえば、それで終わってしまう。
同じ100円であっても、時代が進むとともにインフレが進み、その結果として価値が全く変わってしまう。
もちろん長い時代をかけて徐々にお金の価値が腐っていくのならば、上手く対応できれば問題ない。
それだけモノの価値が高まっていることでもあるし、豊かになって行っていることの証でもある。
ただ、ここ最近のインフレについて思うこととしては、かなり急な速度で進んでいるなということ。
腐る速度がいつも以上に激しいように感じる。
もちろん平成の30年間がデフレによって、ある程度お金の価値が落ちにくい状態に慣れてしまっていたからかもしれない。
それにより、体感速度として相対的にお金の価値下落速度が全く違う環境にいるから慣れていないだけというのもあるかもしれない。
ただ、それにしてもここまで腐る速度が速いことがあるのかというのが正直なところ。
それはまるで冷蔵庫に保管することを忘れてしまった生鮮食品のごとく。
デフレという冷蔵庫で通貨価値が保管されていたものが、急に夏場の太陽の元にさらされて放置され、あっという間に腐っていく。
この速度で腐っていくとなると、気が付いたら100円で買えるものが本当に無くなって行ってしまうかもしれない。
100円でチロルチョコ1個という時代も、もしかしたらあっという間にやってくるのかもしれない。
明治時代から現代にかけて、100円の価値は全く異なる。
長い時間をかけてお金がゆっくりと腐ってきた。
ただ、時には腐る速度がものすごい勢いとなることもある。
それが現代であり、その勢いが増していくように感じる。
株やゴールドの価格上昇速度を見ると、ますますそれを感じる。
このスピードでいくのならば、今の100円は10年後の世界ではどうなっているのか。
もちろんいずれかの場面で額面上で扱いやすくするためにデノミネーション(通貨価値切り下げ)が行われて、いずれ桁数の整理は行われるにちがいない。
そしてその時には現在の100円の価値はどうなっているのだろうか。
それは1円にも満たないようなものになっているのだろうか。
もしかしたらお金という概念そのものが消失し、全く異なるものになっている可能性もあるのだろうか。
ありがとうございました。
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